幕山は、神奈川県湯河原町に位置する標高626メートルの山で、春には約4,000本の梅が山肌を紅白に染め上げる関東屈指の梅の名所です。登山初心者でも楽しめるハイキングコースが整備されており、山頂からは相模灘や真鶴半島を一望できる絶景が広がります。さらに下山後には万葉集にも詠まれた歴史ある湯河原温泉で疲れを癒すことができるため、春の日帰り旅行先として多くの人に親しまれています。この記事では、幕山の登山コースや湯河原梅林の見どころ、温泉情報、ご当地グルメまで、春の幕山を満喫するために知っておきたい情報を詳しくお伝えします。

幕山とは?湯河原に位置する梅の名山の基本情報
幕山は、神奈川県足柄下郡湯河原町にある標高626メートルの山です。箱根外輪山の南東部に連なり、地質学的には箱根山の側火山として約15万年前に形成された溶岩ドームにあたります。長い年月をかけて風雨に削られ、現在のなだらかな山容となりました。山名の由来は、山の岩壁が歌舞伎の幕のように見えることから「幕山」と呼ばれるようになったとされています。
幕山の南斜面には広大な梅林が広がっており、「湯河原梅林」として広く知られています。幕山公園を起点に整備されたハイキングコースは、初心者から中級者まで幅広い登山者に親しまれています。また、幕岩と呼ばれる岩壁はロッククライミングのメッカとしても全国的に有名で、多くのクライマーが訪れるスポットでもあります。
山頂からの眺望は、標高以上の素晴らしさを誇ります。晴れた日には眼下にキラキラと輝く相模灘が広がり、真鶴半島が突き出す様子を見渡すことができます。真鶴半島はその先端に「三ツ石」と呼ばれる名勝を持つ小さな半島で、天候に恵まれれば遠く初島や大島まで見えることもあります。冬の澄んだ空気の日には伊豆半島の山々や富士山の姿を望むこともでき、四季折々の自然を楽しめる山です。
ふもとに広がる幕山公園は、梅林のほかにも広場や遊歩道が整備されています。新崎川沿いに位置し、川のせせらぎを聞きながら散策を楽しめる憩いの場です。園内にはトイレや休憩所も設置されており、登山の起点としてだけでなく、家族連れのピクニックスポットとしても利用されています。
湯河原梅林「梅の宴」の見どころと開催情報
湯河原梅林「梅の宴(うめのうたげ)」は、幕山公園で毎年開催される梅まつりです。1996年に始まり、2026年で第31回目を迎えた歴史あるイベントとなっています。2026年の「梅の宴」は2月7日(土)から3月8日(日)までの期間に開催されました。開園時間は9時から16時まで、入園料は200円(15歳以上)で、中学生以下は無料でした。
約4,000本の梅が織りなす春の圧巻の景色
幕山の南斜面に広がる湯河原梅林には、約4,000本の梅の木が植えられています。紅梅と白梅が入り混じり、開花時期には山肌一面が紅白の絨毯のように染まる光景は圧巻で、「日本一の梅林」とも称されるほどです。
梅の木は斜面に沿って植えられているため、下から見上げると梅の花が空に向かって広がるように見え、上から見下ろすと梅の花の絨毯が眼下に広がるという立体的な花見を楽しむことができます。遊歩道が整備されており、梅の花のトンネルをくぐるように散策できるのも大きな魅力です。
梅の見頃時期と品種の特徴
梅の見頃は例年2月上旬から3月上旬にかけてで、特に2月下旬から3月上旬がピークとなることが多いです。ただし、その年の気候によって前後することがあるため、訪問前に湯河原温泉公式観光サイトで開花状況を確認することをおすすめします。
湯河原梅林に植えられている梅の品種は、大きく分けて「野梅系」「緋梅系」「豊後系」の3つの系統に分類されます。野梅系は原種に近く、花や葉が比較的小さめで香りが強いのが特徴です。緋梅系は花色が濃い紅色をしているものが多く、豊後系はアンズとの交雑種で花が大きめという特徴があります。これらさまざまな品種の梅が咲き競い、色とりどりの花を楽しむことができます。
2026年「梅の宴」で行われた催し物
2026年の梅の宴では、多彩な催し物が行われました。2月7日の開幕日には芸妓の舞が披露されたほか、民謡や音楽の演奏会が開催されました。2月23日には落語の「梅林寄席」が行われ、3月7日から8日には能楽公演も上演されました。会場内には地元の特産品を販売する出店が並び、梅ソフトクリームや甘酒などの季節限定グルメも好評を博しました。地元の名産品や手作りの工芸品なども販売され、散策の合間に立ち寄る楽しみとなりました。
春の幕山登山コースガイド~初心者にもおすすめのルート
幕山は標高626メートルの低山で登山道もよく整備されているため、登山初心者や家族連れにもおすすめのハイキングスポットです。コースのバリエーションも豊富で、体力や経験に応じた春の登山を楽しむことができます。
基本の幕山ピストンコースで気軽に春の登山を
最もシンプルなコースは、幕山公園の登山口から幕山山頂を目指すピストン(往復)コースです。登山口から山頂までの標準コースタイムは登りで約1時間、下りで約40分程度で、往復でも2時間足らずで楽しめる手軽なコースとなっています。
登山口から梅林の中を通り抜け、徐々に傾斜が増していく登山道を進みます。梅のシーズンには梅の花に囲まれながらの登山という贅沢な体験ができます。山頂に近づくにつれて木々の間から海が見え始め、山頂に到着すると一気に視界が開けます。山頂には広い芝生のスペースがあり、のんびりと休憩を取るのに最適です。
幕山・南郷山周回コースで歩きごたえのある春の縦走を
より歩きごたえのあるコースとしておすすめなのが、幕山から南郷山(なんごうさん、標高611メートル)を周回するコースです。距離は約8.8キロメートル、累積標高差は登り約655メートル、標準コースタイムは約3時間50分となっています。
このコースでは、まず幕山公園から梅林を通って幕山山頂に登り、そこから尾根伝いに南郷山へと縦走します。途中には源頼朝ゆかりの史跡「自鑑水(じかんすい)」もあり、歴史に思いを馳せながらの山歩きを楽しめます。南郷山の山頂も展望がよく、相模灘の海がキラキラと光る様子を眺めることができます。南郷山は湯河原の奥にある明るい山で、隣の幕山とセットで登られることが多い山です。両方の山を周回しても標準コースタイムで4時間弱という手軽さなので、初心者の足慣らしにも最適です。
別ルートとして、鍛冶屋バス停から出発するコースもあります。こちらは総距離約9.2キロメートル、累積標高差(上り)約882メートル、標準コースタイム約3時間35分で、少し健脚向けの内容となっています。
登山時の注意点と季節ごとの楽しみ方
幕山ハイキングコースは全体的に傾斜が緩やかで初心者にも歩きやすいコースですが、いくつかの注意点があります。雨の後は地面がぬかるんで滑りやすくなることがあり、特に梅林内の遊歩道や山頂付近の登山道では注意が必要です。足元はハイキングシューズや滑りにくいローカットシューズを着用することをおすすめします。スニーカーでも登れないことはありませんが、安全のためにはしっかりとした靴を選びたいところです。また、梅のシーズンは多くの人が訪れるため登山道が混雑することがあり、特に週末や祝日は早めの出発がおすすめです。
幕山は梅のシーズンだけでなく、四季を通じて楽しめる山でもあります。幕山公園内には梅以外にもシャクナゲ、紫陽花、金木犀など四季折々の花が咲いています。春は梅と桜、初夏は新緑と紫陽花、秋は紅葉と金木犀、冬は澄んだ空気の中での展望と、どの季節に訪れても異なる表情を見せてくれます。ただし、最も人気が高く幕山らしさを味わえるのは、やはり梅の花が咲く2月から3月の早春の時期です。
幕岩ロッククライミング~春の梅に囲まれたクライマーの聖地
幕岩は幕山公園内に位置する大規模な岩場で、関東地方を代表するクライミングスポットの一つです。幕山のもう一つの大きな魅力として、多くのクライマーに親しまれています。
幕岩には「梅林エリア」「正面エリア」「河原エリア」「茅ヶ崎エリア」「林エリア」の5つの主要エリアがあり、合わせて300以上のルート(課題)が設定されています。ロープを使ったリードクライミングからボルダリングまで、幅広いスタイルのクライミングを楽しむことができます。
幕岩が人気を集める理由の一つは、その温暖な気候にあります。湯河原は相模灘に面した温暖な地域で、冬でも比較的暖かく日当たりも良いため、関東のクライマーにとって「冬の定番エリア」として親しまれています。晴れた冬の週末には人気ルートに順番待ちの列ができることもあるほどです。梅のシーズンには梅の花に囲まれながらクライミングを楽しめるという、他では味わえない贅沢な体験ができます。岩壁の横に咲く梅の花を愛でながら壁に取り付くクライマーの姿は、幕岩ならではの春の風物詩となっています。
ただし、クライミングには専門的な知識と装備が必要であり、初心者が独学で挑戦するのは危険です。経験者と一緒に訪れるか、ガイド付きのクライミングツアーに参加することをおすすめします。
幕山公園へのアクセス方法と駐車場情報
幕山公園への最寄り駅はJR東海道線の湯河原駅です。東京駅からは東海道線で約1時間30分、小田原駅からは約15分で到着します。新幹線を利用する場合は、小田原駅または熱海駅で東海道線に乗り換えます。
電車・バスでのアクセス
湯河原駅からは箱根登山バスの鍛冶屋行きに乗車し、「森下公園」バス停で下車、そこから徒歩約25分で幕山公園に到着します。「梅の宴」の開催期間中は特別な運行体制となり、湯河原駅から幕山公園まで臨時の直通バスが運行されます。運賃は大人330円、小児170円で、湯河原駅から幕山公園まで約15分で到着します。この期間は通常の路線バスが「幕山公園」まで行かず「鍛冶屋」止まりとなるため注意が必要です。
車でのアクセスと駐車場
車でのアクセスは、西湘バイパスの石橋インターチェンジから国道135号線を湯河原方面へ進み、「幕山公園(梅林)入口」の交差点を右折します。東名高速道路からの場合は、厚木インターチェンジから小田原厚木道路を経由し、西湘バイパスに入るルートが便利です。
幕山公園には管理棟横に駐車場があり、通常時は無料で利用できます。川を渡る手前の道路の左右にも第一駐車場から第六駐車場まで設けられています。ただし、梅の宴の開催期間中(2月上旬から3月中旬)は有料となり、普通車は500円の駐車料金がかかります。別途、入園料200円が一人あたり必要です。梅のシーズンの週末は駐車場が大変混雑するため、できるだけ早い時間に到着するか、公共交通機関の利用をおすすめします。
春の幕山ハイキングに適した服装と持ち物
幕山は低山とはいえ、登山には適切な準備が必要です。春の幕山ハイキングでは、レイヤリング(重ね着)を基本とした服装が快適な登山のポイントとなります。
登山の服装はレイヤリングが基本
ベースレイヤー(肌着)は、吸汗速乾性のある化繊素材のものを選びます。綿素材は汗を吸うと乾きにくく体が冷える原因となるため避けたいところです。ミドルレイヤー(中間着)はフリースや薄手のダウンジャケットなど保温性のあるものを用意します。2月から3月の早春は麓では暖かくても山頂付近では風が強く寒くなることがあります。アウターレイヤー(上着)は防風・防水性のあるウインドブレーカーやレインウェアを携帯します。春の山は天候が変わりやすく、急な雨に見舞われることもあるためです。
ボトムスは動きやすいストレッチ性のあるパンツを選びます。ジーンズは動きにくく濡れると重くなるため登山には不向きです。足元はハイキングシューズまたはトレッキングシューズが理想的で、幕山は傾斜が緩やかなためローカットのシューズでも問題ありませんが、雨の後はぬかるみがあるため防水性のあるものが望ましいです。帽子は日差しよけと防寒の両方の役割を果たすため、必ず持参したいアイテムです。
持ち物の準備
飲料水は最低でも500ミリリットル以上を用意します。春とはいえ登りでは汗をかくため、適度な水分補給が必要です。行動食としてはおにぎりやパン、チョコレート、ナッツ類など手軽に食べられるものがあると良いでしょう。山頂でのんびりとランチを楽しむのもおすすめです。
そのほか、タオル、日焼け止め、虫除けスプレー、ティッシュ、ゴミ袋なども忘れずに持参したいところです。スマートフォンにYAMAPやヤマレコなどの登山アプリをインストールしておくと、ルートの確認や万が一の際の位置情報確認に役立ちます。リュックサック(ザック)は20リットルから30リットル程度の日帰り用のもので十分です。両手が空くように、手提げかばんではなくリュックサックを使うことが安全面でも重要です。
登山後に楽しむ湯河原温泉~万葉集にも詠まれた歴史ある名湯
湯河原温泉は、日本最古の歌集「万葉集」にも詠まれた歴史ある温泉地で、幕山登山の後にぜひ立ち寄りたいスポットです。開湯は約1,300年前とされ、役の行者による発見説、弘法大師や行基による発見説、二見加賀之助重行による発見説など、複数の開湯伝説が残されています。
万葉の時代から愛される湯河原温泉の歴史
湯河原温泉は、万葉集に収められた約4,500首の歌の中で東日本から唯一題材に採り上げられた温泉として知られています。「足柄の土肥の河内に出ずる湯の 世にもたよらに子ろが言はなくに」という歌が詠まれており、この歌碑は万葉公園に設置されています。
674年(飛鳥時代)には、加賀の国(現在の金沢)から二見加賀之助という人物が湯河原に移住したという説もあります。また、湯河原では約2,000年前から水田が行われていたことが発掘調査により判明しており、古くから人々が暮らしてきた土地であることがわかります。
江戸時代には温泉の効能が高いと評判になり、温泉の湯を樽に詰めて大名家や御用邸に献上したという歴史があります。この故事に由来する「湯かけまつり」は、現在も湯河原の伝統行事として続いています。近代には夏目漱石が晩年の作品「明暗」を湯河原で執筆したことでも知られ、多くの文人墨客に愛された温泉地でもあります。
登山後におすすめの日帰り温泉施設
登山後の疲れた体を癒すのに最適な日帰り温泉施設が湯河原には複数あります。
「ゆとろ嵯峨沢の湯」は、湯河原温泉街から少し離れた小高い丘の上に位置する日帰り温泉施設です。相模湾を一望できる絶景の露天風呂が自慢で、「ささはなの湯」と「こちょうの湯」の2つの浴場は男女日替わりで利用できます。豪快な打たせ湯の大滝や川風呂、洞窟風呂など多彩な温浴体験が楽しめます。地下1,100メートルから湧出する弱アルカリ性単純温泉は、肌に優しいのが特徴です。
「こごめの湯」は、湯河原温泉の中心部に位置する公共の日帰り温泉施設です。弱食塩泉の優しい泉質が特徴で、体を芯から温めてくれます。男女別の大浴場と露天風呂を備えており、2階の無料休憩室では温泉街の景色を楽しみながらくつろげます。料金は大人1,100円、小中学生600円とリーズナブルです。
「ままねの湯」は、100年以上の歴史を誇る老舗の湯治宿が運営する日帰り入浴施設です。源泉温度約80度の高温泉を加水せずに浴槽に直接供給しており、新鮮な源泉かけ流しの湯を堪能できます。日帰り入浴は300円と大変リーズナブルで、本格的な温泉を気軽に楽しめます。
湯河原温泉の泉質について
湯河原温泉の泉質は主にナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。登山で疲れた体にはうってつけの温泉で、源泉温度は施設によって異なります。湯河原は古くから「傷の湯」「薬師の湯」として知られ、その湯の力は万葉の時代から人々に愛されてきました。
湯河原のご当地グルメ~担々やきそばと春の味覚
湯河原の名物として知られるのが「担々やきそば」で、登山とセットでぜひ味わいたいご当地グルメです。
湯河原名物・担々やきそばの魅力
担々やきそばは、湯河原の飲食店が温泉を発見したと伝えられる狸(たぬき)にあやかり、おなじみの歌のフレーズ「たんたんたぬき」から連想して考案したB級グルメです。練りごまやトウバンジャンなどを主原料とした香ばしいピリ辛の味つけが特徴となっています。
担々やきそばには大きく2つの系統があります。「湯河原柑橘系」は地元で採れたレモンや清美オレンジなどの柑橘類が添えられたり隠し味として使われるもので、「温泉玉子系」は温泉玉子がトッピングされまろやかな味わいが楽しめるものです。「餃子ショップ」は担々やきそばの1号店として知られ、50年以上続く老舗です。「一番亭湯河原店」では湯河原店限定メニューとして担々やきそばを提供しています。複数の飲食店がそれぞれ独自のアレンジを加えた担々やきそばを提供しているので、食べ比べてみるのも楽しい体験です。
新鮮な海鮮料理と梅の宴の会場グルメ
湯河原は相模灘に面しているため、新鮮な海鮮料理も楽しめます。近隣の真鶴港や小田原漁港から水揚げされた魚介類を使った刺身定食や海鮮丼は、訪れたらぜひ味わいたい一品です。特にアジやイカ、サザエなどの地魚を使った料理が人気を集めています。
梅の宴の会場内でもさまざまな食べ物を楽しむことができます。梅ソフトクリームは梅の風味が爽やかで散策の合間のおやつにぴったりです。甘酒は体を温めてくれるため、早春の肌寒い時期にはありがたい存在です。そのほか、地元の特産品を使った軽食や飲み物も出店で販売されています。
春の幕山を一日満喫するモデルコース
幕山は梅林散策、登山、温泉、グルメと一日で多くの楽しみを味わえるスポットです。ここでは春の幕山を一日で満喫するモデルコースをご紹介します。
午前は梅林散策と幕山登山
朝は早めに出発し、9時頃に幕山公園に到着するのが理想です。まずは梅林の遊歩道を散策し、約4,000本の梅の花を楽しみます。写真撮影を楽しみながら、ゆっくりと梅のトンネルを歩くのがおすすめです。
10時頃から登山を開始し、梅林の中を通り抜けて幕山山頂を目指します。登りは約1時間の道のりです。山頂に到着したら、相模灘と真鶴半島の絶景を楽しみながら小休憩を取りましょう。余裕があれば幕山から南郷山への縦走にチャレンジするのも良いでしょう。幕山山頂から南郷山までは約1時間ほどで、尾根歩きの気持ちよさを味わえます。
昼は山頂ランチまたはご当地グルメ
山頂でお弁当を広げるのもよいですし、下山後に湯河原の飲食店で名物の担々やきそばを味わうのもおすすめです。山頂には広い芝生のスペースがあるので、シートを広げてのんびりとランチタイムを過ごすことができます。
午後は湯河原温泉でリフレッシュ
下山後は湯河原温泉で汗を流し、疲れた体を癒しましょう。ゆとろ嵯峨沢の湯で絶景の露天風呂を楽しむもよし、ままねの湯で歴史ある源泉かけ流しの湯を堪能するもよしです。温泉でリフレッシュした後は、湯河原の温泉街を散策してお土産を探してみてはいかがでしょうか。帰路につくのは夕方頃で、充実した一日の疲れを心地よく感じながら帰りの電車に揺られるのも旅の醍醐味です。
幕山登山のマナーと楽しむためのヒント
春の幕山登山をより楽しむために、いくつかのヒントとマナーを押さえておきましょう。
早朝出発で混雑を避ける
梅のシーズンの幕山は大変人気があり、特に週末や祝日は混雑します。駐車場も午前中に満車になることが多いため、できるだけ早い時間に到着することをおすすめします。早朝の梅林は人も少なく、朝露に輝く梅の花は格別の美しさです。
天候と登山届の確認
低山とはいえ天候の確認は大切です。雨の日は登山道が滑りやすくなるほか、梅の花も雨に打たれて散ってしまいます。晴れた日を選んで訪れることで、梅の花も登山も最大限に楽しめます。また、幕山は低山で登山道も整備されていますが、登山届の提出は安全のために推奨されます。登山アプリを通じて計画を家族や友人に共有しておくと安心です。
梅林と登山道でのマナー
梅林内では梅の枝を折ったり花を摘んだりしないことが大切です。遊歩道から外れて梅の木の根元を踏み荒らさないようにしましょう。ゴミは必ず持ち帰り、自然環境の保全に協力することも重要なマナーです。登山道では登りの人が優先というルールを守り、すれ違いの際は声を掛け合って安全に通過しましょう。
幕山周辺の観光スポット~湯河原をもっと楽しむ春の旅
幕山登山と合わせて訪れたい湯河原周辺の観光スポットをご紹介します。
万葉公園と湯河原惣湯
万葉公園は湯河原温泉街の中心部に位置する緑豊かな公園です。万葉集に詠まれた植物が植えられ歌碑が設置されているほか、国木田独歩の「湯河原行き」の一節が刻まれた独歩の碑もあり、文学散歩としても楽しめます。2021年には公園がリニューアルされ、「湯河原惣湯 Books and Retreat」がオープンしました。温泉と本と食をテーマにした新しいスタイルの施設で、湯河原の新たな観光名所として注目を集めています。JR湯河原駅からバスで約10分、「落合橋」バス停で下車してアクセスできます。
真鶴半島の絶景スポット「三ツ石」
幕山の山頂から眺める真鶴半島は、実際に足を運んでみる価値がある場所です。半島の先端にある「三ツ石」は海面から突き出た3つの巨岩が並ぶ景勝地で、特に干潮時には岩まで歩いて渡ることができます。真鶴港周辺では新鮮な魚介料理を楽しめる食堂も多く、湯河原からバスや車で30分ほどの距離なので日帰りの寄り道にちょうどよいスポットです。
湯河原で楽しむ四季の花
湯河原は梅の時期だけでなく一年を通じて花を楽しめる地域です。3月下旬から4月にかけては桜が咲き、千歳川沿いの桜並木は「花見の名所」として知られています。5月から6月にかけてはツツジやサツキが見頃を迎え、6月中旬から7月にかけては紫陽花の季節となります。秋には紅葉が美しく、万葉公園の紅葉は特に見応えがあります。湯河原はどの季節に訪れても花と自然を満喫できる温泉地です。
まとめ
幕山は、美しい梅の花、手軽に楽しめるハイキング、歴史ある湯河原温泉、そしてご当地グルメと、一日で多くの楽しみを味わえる春のおすすめスポットです。標高626メートルの低山ながら山頂からの海の眺望は素晴らしく、達成感も十分に味わえます。
約15万年前に溶岩ドームとして形成されたこの山は、長い年月をかけて現在のなだらかな山容となり、その南斜面に約4,000本の梅が植えられて、今では関東屈指の梅の名所として知られるようになりました。2月から3月にかけての梅のシーズンは、紅白の梅が山肌を染め上げる圧巻の光景を楽しめる特別な時期です。登山をしなくても梅林の散策だけでも十分に楽しめますが、せっかくなら山頂まで足を延ばして眼下に広がる相模灘と真鶴半島の絶景を堪能してほしいところです。
下山後に浸かる湯河原温泉は、万葉の時代から人々に愛されてきた名湯です。万葉集に「足柄の土肥の河内に出ずる湯」と詠まれた温泉に浸かりながら、1,300年の歴史に思いを馳せるのも一興でしょう。登山で汗をかいた体に染み渡る温泉の心地よさは、何物にも代えがたい至福の時間です。そして帰りの道すがら湯河原名物の担々やきそばで腹ごしらえをすれば、春の幕山を満喫する完璧な一日の完成です。山と花と温泉とグルメ、これだけの魅力が詰まった湯河原の幕山は、春の日帰り旅行の行き先として自信をもっておすすめできるスポットです。








