乾徳山の登山と鎖場とは、山梨県山梨市三富地区にある標高2031メートルの岩山で、山頂直下に高さ約20メートルの「鳳岩(おおとりいわ)」と呼ばれる鎖場がそびえる日本二百名山の登山ルートを指します。乾徳山は森・草原・岩峰という三段階の景観変化が楽しめる稀有な山であり、特に鎖場のスリルと達成感は全国の登山者を惹きつけています。本記事では、乾徳山の登山ルート、鎖場の難易度、鳳岩の攻略法、アクセス方法、季節ごとの特徴、下山後の温泉情報まで、これから挑戦する登山者が知っておくべき情報を網羅的にまとめました。中級者以上の岩場経験者だけでなく、巻き道を活用すれば幅広い登山者が山頂を踏める懐の深い名山ですので、安全に登るためのポイントをしっかり押さえていきましょう。

乾徳山とはどんな山か|山梨県の日本二百名山
乾徳山とは、山梨県山梨市三富地区に位置する標高2031メートルの岩山です。日本二百名山のひとつに数えられており、奥秩父山塊の南端に属しています。山名の由来は中国の詩人・陶淵明の号「五柳先生」の詩に登場する「乾徳」にちなむとも言われており、古くから地域の人々に親しまれてきた山です。
乾徳山の最大の特徴は、登るにつれて山の性格がドラマティックに変化することにあります。登山口から中腹にかけては深い針葉樹の森が広がり、やがて広大な草原である扇平が現れ、そして山頂付近になると突如として岩峰帯が出現します。この「森・草原・岩峰」という三段階の景観変化はほかの山ではなかなか体験できない贅沢なものであり、乾徳山が多くの登山者を惹きつける大きな理由となっています。
山頂からの眺望も素晴らしく、好天時には富士山をはじめ、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父の山々などを一望できます。特に富士山の眺めは「乾徳山から見る富士」として登山者の間でも評価が高く、苦労して鎖場を乗り越えた先の景色は格別です。標高は2031メートルと決して高い山ではないものの、山頂直下にそびえる鎖場の存在によって登山の達成感は非常に大きく、難易度は中級から上級向けとされています。
乾徳山の鎖場とは|場所と特徴
乾徳山の鎖場とは、山頂付近に集中して設置されている複数の岩場で、扇平を過ぎてからいくつかの鎖場を越えて山頂を目指す構造になっています。山頂に至る岩稜帯には複数の鎖場が設置されており、それぞれに異なる特徴があります。
扇平から山頂方面へ向かうと、最初はやや急な岩場が続き、徐々に本格的な鎖場へと移行していきます。最初に現れる代表的な鎖場が「旗立岩(はたたていわ)」で、高さは約7メートルから8メートルほどあります。途中のテラスから右側のルートと正面のルートの2方向に分かれている構造になっており、上部に行くほど傾斜が増し高度感も増しますが、足場はしっかりしているためホールドは豊富です。ここが本格的な岩場トレーニングの始まりとなる場所です。
その先に現れる「髭剃岩(ひげそりいわ)」は、巨大な岩が立ちはだかる個性的な箇所です。岩の隙間をくぐり抜けるように進む独特のルートが特徴で、スリリングな体験ができる場所として知られています。乾徳山では旗立岩から髭剃岩、そして核心部の鳳岩へと段階的に難易度が上がっていく構成のため、岩場初挑戦の登山者でも徐々に岩場の感覚を掴みながら山頂を目指せる流れになっています。
鳳岩(おおとりいわ)|乾徳山最大の難関を徹底解説
鳳岩とは、乾徳山山頂直下にそびえる高さ約20メートルの岩壁で、傾斜はほぼ垂直に近い乾徳山最大の鎖場です。この鳳岩こそが乾徳山を「鎖場の山」として有名にしている核心部であり、全国の登山者がこの一枚岩に挑むために乾徳山を訪れます。
鳳岩の傾斜はおよそ50度から60度程度とされており、下から見上げると非常に圧迫感があります。しかし実際に取り付いてみると岩の表面には豊富なホールド(手がかり)があり、三点支持を守りながら丁寧に登れば着実に高度を上げることができます。下から見上げた印象と実際に登ってみたときの感覚に大きなギャップがあるのが鳳岩の面白さでもあり、多くの登山者が「思ったより登りやすかった」という感想を残しています。
鳳岩の登り方と3つのルート
鳳岩には大きく分けて3つの登り方が知られています。最も多くの登山者が使うメインルートは、鎖を使いながら中段のテラスまで上がり、そこから右へトラバース(横移動)してチムニー(岩の割れ目)状の場所を登るルートです。鎖の右側を登るイメージで、足をしっかり岩に乗せながら一歩一歩確実に進みます。
2つ目は最初から鎖を頼らずに直登するルートで、岩のホールドを直接使って登る本格的な登攀となり経験者向けです。鎖は安全のための補助として設置されているものですが、このルートでは鎖をあまり頼らない技術が求められます。
3つ目は取り付き部分から左へと移動し、岩壁の中段から右へトラバースしてチムニー部分から上る左回りルートです。岩の形状をうまく使えるため、初挑戦の人にとって比較的登りやすいという意見もあります。
鳳岩の巻き道(迂回路)について
鳳岩の脇には巻き道(迂回路)も整備されており、階段状になっている部分もあります。鳳岩の登攀に自信がない場合や体力が落ちた下山時には、積極的に巻き道を使うことが推奨されます。迂回路を使っても山頂へは問題なく到達できるため、無理して鳳岩を登る必要はありません。特に単独行の場合や体調が優れない場合は、巻き道を選択する判断力が重要です。
乾徳山の鎖場攻略のコツと注意事項
乾徳山の鎖場を安全に攻略するコツは、鎖に全体重を預けず、岩への三点支持を基本に身体を岩に密着させて登ることです。鎖場登山の基本動作をきちんと身につけているかどうかで、安全性も登りやすさも大きく変わってきます。
最も重要なのは「鎖に全体重を預けない」ことで、鎖はあくまでも補助的な道具です。基本となるのは岩への三点支持(両手両足のうち三点を岩に固定した状態で一点ずつ動かす方法)であり、鎖に全体重をかけると万が一鎖が外れたり手が滑ったりした場合に転落するリスクが高まります。鎖を軽く握り、バランスをとりながら自分の足でしっかり岩を踏んで登ることが鉄則です。
鎖場では身体を岩壁に近づけて密着させるように登ることも大切です。身体が岩から離れると重心が後ろへと引かれ、バランスを崩しやすくなります。特に初心者は恐怖心から身体を後ろに引いてしまう傾向がありますが、これは逆効果です。岩にしっかりと体を近づけ、手足のホールドをしっかり確認しながら登りましょう。
岩場ではしっかりとしたホールドを見つけてから体重を移動させることも基本です。焦らず次の手がかりや足がかりを確認してから動くこと、特に鳳岩の上部は高度感があり緊張しますが、深呼吸をして冷静に判断しながら進むことが安全につながります。
岩場に入る前は必ずトレッキングポールをたたんでザックにしまうことも忘れてはなりません。鎖場ではポールを持ったままでは両手が使えず非常に危険です。扇平に到着したあたりから岩場の気配が漂い始めるため、そのタイミングでしまっておくと安心です。
雨後や朝露のある時間帯は岩が濡れており、非常に滑りやすくなります。乾徳山の岩は花崗岩系であるため乾いているときは比較的グリップが効きますが、濡れると別物のように滑るため、雨天時や雨後すぐの登山は避けるか十分な注意を払う必要があります。鎖場は登りよりも下りのほうが難易度が上がることが多く、下山ルートに鎖場が含まれる場合は特に慎重に行動することが求められます。乾徳山の場合、山頂から国師ヶ原方面への北ルートを下山に使う場合も鎖場が存在するため、体力に自信がなければ登ってきたルートを慎重に下るか、巻き道を活用することを検討しましょう。
乾徳山の登山コース|徳和からの周回ルート
乾徳山の登山で最もよく使われるコースは、徳和の登山口を起点とした周回コースで、総距離は約10.8キロメートル、所要時間はコースタイムで約6時間から7時間が目安となります。
このコースは往復の道が異なる「8の字周回ルート」とも呼ばれ、登りには徳和渓谷沿いのルートを使い、下りには道満尾根ルートを利用するのが一般的です。徳和の登山口から出発し、しばらくは舗装路や林道を歩きます。やがて山道に入り針葉樹の森の中を登っていきますが、登山道は整備されておりこの区間は比較的歩きやすい道のりです。
錦晶水(きんしょうすい)と呼ばれる水場を過ぎ、さらに登り続けると国師ヶ原(こくしがはら)と呼ばれる広い鞍部に出ます。ここには高原ヒュッテ(避難小屋)があり、トイレも利用できます(冬期は使用不可)。国師ヶ原から先はなだらかな道が続き、やがて扇平(おうぎだいら)と呼ばれる開けた草原地帯に出ます。ここで初めて空が広く開け、富士山の姿が目に飛び込んできます。
扇平の月見岩からの眺めは絶品で、多くの登山者が休憩しながら景色を楽しむ場所として親しまれています。扇平を過ぎると道の様相が一変し、これまでの穏やかな登山道から岩場の急登へと変わり、いよいよ鎖場が連続する区間に入ります。下山は国師ヶ原から道満尾根コースを使い、道満山(1314メートル)を経由して徳和の登山口へと戻ります。道満尾根のルートは樹林帯の中を歩く穏やかな下りが続きますが、急斜面もあるため転倒には注意が必要です。
乾徳山のコースタイム目安
徳和登山口を起点とした周回コースのコースタイムは、以下の通りです。
| 区間 | コースタイム |
|---|---|
| 徳和登山口 → 国師ヶ原 | 約1時間40分 |
| 国師ヶ原 → 扇平 | 約45分 |
| 扇平 → 乾徳山山頂 | 約1時間 |
| 山頂 → 国師ヶ原 | 約45分 |
| 国師ヶ原 → 道満山 | 約1時間 |
| 道満山 → 徳和登山口 | 約40分 |
合計で約6時間から7時間のコースであり、休憩時間を含めると8時間程度を見ておくと安心です。日帰りの場合は7時から8時頃の出発が理想的で、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。なお、徳和から道満尾根を通って山頂を目指すルートもあります。この場合、登山口から道満峠・道満山を経由して国師ヶ原へ入るルートとなり、アップダウンが少なく稜線歩きが楽しめますが、全体的に距離が長くなります。
乾徳山へのアクセス方法と駐車場情報
乾徳山へのアクセスは、電車・バスを利用する方法とマイカーを使う方法の2通りがあります。それぞれのアクセス方法と駐車場の状況を詳しく見ていきましょう。
公共交通機関でのアクセス
電車・バスの場合、最もよく使われるルートはJR中央本線の「塩山駅」を利用するもので、塩山駅から山梨交通バスの「窪平・西沢渓谷線」に乗り、「乾徳山登山口」バス停で下車します。所要時間は約35分ほどです。また、JR中央本線「山梨市駅」からは山梨市営バスの「西沢渓谷線」に乗り、「乾徳山登山口」バス停で下車する方法もあり、こちらは約32分かかります。
バスの運行本数は少なく季節によって運行スケジュールが変わることもあるため、事前に時刻表を確認しておくことが重要です。特に早い時間帯の登山を計画している場合は、前泊を検討したほうがよいこともあります。
マイカーでのアクセス
車でのアクセスは中央自動車道の勝沼インターチェンジを下り、国道20号線の東京・大月方面へ進みます。勝沼大橋を渡った先の柏尾交差点を県道38号線の塩山・山梨方面へ左折し、すぐ先でフルーツライン(東山東部広域農道)へ右折して道なりに進みます。県道213号線につき当たったら三富・雁坂トンネル方面へ右折し、国道140号線のつき当たりを秩父方面へ右折、徳和入口交差点で県道209号線の徳和方面へ左折すると登山口に到達します。勝沼インターチェンジからの所要時間は約30分、距離は約22キロメートルほどです。
乾徳山登山口の駐車場
乾徳山の登山口には複数の駐車場が整備されています。山登旅館の前と裏に分かれた駐車場(合計23台程度)のほか、乾徳山駐車場(約20台)や徳和駐車場(約50台)なども利用できます。いずれも無料で24時間利用可能ですが、週末や連休中は早朝から混雑することが多いため、人気シーズンには早めの出発を心がけたいところです。駐車場の向かい側の公園内に公衆トイレがあるので、登山前に済ませておくと安心です。
乾徳山はいつ登るのがおすすめ|季節ごとの特徴
乾徳山は四季それぞれに異なる魅力がありますが、最もおすすめの季節は紅葉の美しい秋と新緑の春から夏にかけてです。それぞれの季節の特徴を押さえて、計画を立てましょう。
春(4月から5月)は雪解けとともに緑が芽吹き始める時期で、桜の見頃は徳和周辺では4月初旬から中旬ごろです。残雪が山頂付近に残っている場合もあるためアイゼンを携行すると安心で、新緑の中を歩く気持ちよさが魅力のシーズンとなっています。
夏(6月から8月)は緑豊かな樹林帯を歩く快適な季節です。ただし梅雨時期は雨で岩場が濡れて危険なため、晴れた日を狙って登山計画を立てることが重要です。7月から8月は晴天が続き山頂からの眺望も期待しやすいですが、熱中症対策として水分をたっぷり持参することが欠かせません。
秋(9月から11月)は乾徳山が最も美しい季節のひとつです。10月中旬から11月上旬にかけて紅葉が見頃を迎え、特に扇平付近の黄葉は見事です。空気が澄んでいるため遠望がきき、富士山や南アルプスの展望も楽しみやすい季節ですが、紅葉シーズンは登山者が集中するため駐車場は早朝から満車になることが多くなります。
冬(12月から3月)は積雪があり登山コース全体がアイスバーン化する場合があります。アイゼンやピッケルが必要になることもあり装備と経験が求められます。鎖場は雪や氷で覆われることがあり、夏季より難易度が大幅に上がるため、冬季登山の経験があり適切な装備を持つ上級者向けのシーズンといえます。
乾徳山登山に必要な装備と持ち物
乾徳山登山に必要な装備とは、ソールがしっかりした登山靴、レインウェア、ヘッドライト、地図、コンパス、ファーストエイドキットなどの一般的な登山装備に加え、鎖場対策のグローブが推奨される構成です。鎖場のある山だからこその装備ポイントを押さえておきましょう。
登山靴はソールがしっかりしたトレッキングシューズまたは登山靴を使用することが必須で、スニーカーや長靴での入山は滑落リスクが高く危険です。グローブ(手袋)は岩肌や鎖を握る際に手を保護しグリップを高めるために有効で、特に鎖は金属製であるため夏は非常に熱くなり冬は凍りつく場合があります。ヘルメットは任意ですが、落石リスクを考えると着用を推奨する登山者も多く、特に人が多い週末は上から岩や砂利が落ちてくることがあります。
服装については速乾性の登山用ウェアを基本とし、気温変化に対応できるよう中間着と防寒着を用意することが大切です。綿素材は濡れると保温性が失われるため避けるべき素材で、帽子は日差しと落石対策の両面から必須となります。レインウェアは上下セパレートタイプを選び、ヘッドライトと予備電池、紙の地形図またはオフラインGPSアプリと併せてコンパス、ファーストエイドキット(絆創膏・テーピング・痛み止めなど)も必携です。
飲食物については行動食(エネルギーバーやナッツ、チョコレートなど)を複数個、水は最低でも1.5リットル以上を目安にすると安心です。夏季は汗をかく量が多いため2リットル以上を持参し、錦晶水などの水場で補給することも計画に入れておくとよいでしょう。その他、日焼け止め、虫除けスプレー(夏季)、ストック、ゴミ袋、携帯トイレも状況に応じて用意しておきたいアイテムです。
鎖場の渋滞対策|混雑を避ける方法
乾徳山の鳳岩はその人気ゆえに、週末や連休には鎖場待ちの渋滞が発生することがあります。特に秋の紅葉シーズンや大型連休中は、鳳岩の取り付きで30分から1時間以上待つこともあります。鎖場は一人ずつ順番に登るため、先行グループが多いと後続の登山者は岩にしがみついたまま長時間待つことになり、予想外の体力消耗につながります。
渋滞対策として最も効果的なのは早朝出発です。7時前に登山口を出発できれば、岩場に到達する頃には他の登山者が少なくスムーズに通過できる可能性が高まります。また平日の登山も混雑回避には有効で、週末に比べて極端に人が少なくマイペースで鎖場を楽しめます。バスを利用する場合は始発の便を使うことを検討し、塩山駅発の早い便に乗ることで朝の早い時間帯に登山を開始できます。
なお、山頂付近の岩場は狭くのんびり昼食を楽しめるスペースが限られているため、混雑時は山頂での滞在を短くし扇平の月見岩付近まで下りてから昼食をとるのも選択肢のひとつです。鎖場の渋滞は精神的な疲労も大きいため、混雑が予想されるシーズンほどスケジュール管理に余裕を持つことが重要です。
乾徳山の見どころ|扇平・月見岩・山頂からの絶景
乾徳山の見どころは、標高約1700メートルに位置する扇平の草原と月見岩からの富士山展望、そして山頂からの大パノラマです。鎖場のスリルだけでなく、道中の景観の変化も大きな魅力となっています。
扇平は乾徳山登山の中でも屈指の絶景スポットで、広大な草原が広がりそのほぼ中央に「月見岩」と呼ばれる大きな岩が存在します。この岩からは富士山や南アルプスの展望が素晴らしく、多くの登山者が足を止めて景色を楽しみます。秋には草原が黄金色に染まり、また別の美しさを見せてくれます。
国師ヶ原には高原ヒュッテという避難小屋があり、通年解放されており(トイレは冬季使用不可)悪天候時の緊急避難や休憩に利用できます。ヒュッテの近くには錦晶水という水場もあり、冷たい山の水を補給することができる貴重な補給ポイントです。
乾徳山の山頂(2031メートル)は狭い岩の頂上で、四方を見渡す圧倒的な展望が広がります。晴れた日には富士山が大きく見え、南アルプスの白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、八ヶ岳連峰、奥秩父の金峰山や国師ヶ岳なども望むことができます。鎖場を乗り越えてたどり着いた山頂で味わう景色は、苦労した分だけ格別の感動があります。
下山後のおすすめ温泉|疲れを癒す日帰り入浴施設
乾徳山の周辺には日帰り温泉施設がいくつかあり、下山後に立ち寄るのに便利です。それぞれの温泉に異なる魅力があるため、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
牧丘町窪平に位置する花かげの湯は、乾徳山登山者に最もよく利用される温泉施設のひとつです。露天風呂を備え70畳の広い休憩スペースも完備しており、食事もとることができます。徳和からのアクセスも比較的よく、下山後に立ち寄りやすい立地にあります。
山梨市牧丘町隼に位置するはやぶさ温泉は、100パーセント源泉かけ流しを売りにした温泉です。営業時間は10時から21時で火曜日が定休日となっています。料金はリーズナブルで日帰り利用もしやすく、アルカリ性の泉質が特徴の温泉です。
山梨市三富下釜口に位置する市営の温泉施設「みとみ笛吹の湯」は、リーズナブルな料金と静かな雰囲気が特徴で、ぬるめの湯に長くつかりながら山の余韻に浸るには絶好の場所です。
登山口から車で約27分の距離にある川浦温泉の山県館は、アルカリ単純泉の温泉として知られており、山の中の静寂な環境で味わう温泉は特別な体験となります。いずれの温泉も下山後にゆっくり過ごすための空間として申し分なく、特に秋の紅葉シーズンに登山後に温泉につかりながら山々の景色を眺めるのは、山梨ならではの贅沢な楽しみ方です。
乾徳山の鎖場についてよくある疑問
乾徳山の登山と鎖場について、初心者から経験者まで多くの方が抱く疑問にお答えしていきます。
乾徳山の鎖場は初心者でも登れるのか
乾徳山の難易度は中級から上級とされており、登山経験がある程度あれば初心者でも挑戦可能ですが、単独での初挑戦は避けるべきです。必ず経験者と同行し、天候が安定した日を選ぶことが重要です。鳳岩が難しいと感じたら迷わず巻き道を使う判断力を持つことも大切で、山岳保険への加入も強く推奨されます。
鳳岩を登らずに山頂へ行けるのか
鳳岩の脇には巻き道(迂回路)が整備されているため、登攀せずに山頂へ到達することが可能です。階段状になっている部分もあり、体力が落ちた下山時にも積極的に活用できます。無理して鳳岩を登る必要はなく、自分の体力と技術に合わせた選択ができる点が乾徳山の懐の深さでもあります。
登山届はどこで提出すればよいか
徳和の登山口に登山ポストが設置されているほか、コンパスやYAMAPなどのアプリを使って電子的に提出することも可能です。万が一の救助活動に役立つため、面倒でも必ず提出しましょう。登山届は自分自身の安全のためにも重要な手続きです。
山中での電波状況はどうか
山中では場所によって電波が届かないエリアがあります。特に深い樹林帯の中は電波が弱くなりがちで、山頂付近や扇平などの開けた場所では比較的電波が入ることが多いものの過信は禁物です。GPSアプリで地図をオフラインで保存しておくことが推奨されます。
山小屋に泊まれるのか
乾徳山には山頂付近に山小屋はなく、避難小屋として国師ヶ原の高原ヒュッテがあるのみです。宿泊を伴う登山の場合は麓の民宿や旅館を利用することになり、徳和地区には山登旅館をはじめいくつかの宿泊施設があります。前泊することで翌早朝から登山を開始でき、時間に余裕ができます。
まとめ|乾徳山の鎖場に挑戦して絶景と達成感を味わおう
乾徳山は「鎖場を楽しみたい」「岩登りに挑戦してみたい」という登山者にとって絶好の舞台を提供してくれる山です。山頂直下にそびえる鳳岩の垂直20メートルの鎖場は全国的にも有名な難所のひとつであり、その達成感は格別です。
一方で巻き道(迂回路)も整備されており、無理をせず山頂を目指せる選択肢も用意されている点が幅広い登山者に親しまれている理由でもあります。鎖場に自信がなければ迂回路を使う勇気も大切な判断力です。
森・草原・岩峰という三段階の景観変化、富士山をはじめとする絶景、そして鎖場でのスリルと達成感。これらすべてを一度に楽しめる乾徳山は、山梨を代表する名山として今後も多くの登山者を迎え続けるでしょう。登山を計画する際は天候を十分確認し、適切な装備を整え安全第一で挑んでください。鳳岩を登りきって山頂に立ったときの達成感と眼前に広がる絶景は、きっと生涯忘れられない思い出になるはずです。
乾徳山は初挑戦でも「また来たい」と思わせる不思議な魅力を持つ山です。下山後に近隣の温泉でゆっくり疲れを癒し、地元の食材を使った料理を楽しむプランも合わせて考えておくと、登山だけでなく山梨の旅全体を満喫できます。鎖場の攻略に集中しながら登っているうちに気がつくと山頂に立っており、そこから見下ろす世界の広さに言葉を失う体験ができるのも乾徳山の魅力です。
また乾徳山は、登山を始めたばかりの段階では難しいものの、いくつかの山を経験した後に「次のステップとして挑む山」として位置付けることができます。体力と技術がつくにつれて、この山での体験が大きく変わっていきます。何度訪れても新たな発見があり、季節ごとに異なる表情を見せる乾徳山は、長く付き合える名山です。
登山を計画する前にはYAMAPやヤマレコなどの登山アプリで最新の登山道情報を確認し、直近の登山者が残したレポートも参考にしましょう。特に残雪期や梅雨明け直後などコンディションが変わりやすい時期は最新情報が重要となります。安全な登山計画のもと、ぜひ乾徳山の鎖場に挑んでみてください。その先には必ず、努力にふさわしい絶景と充実感が待っています。








