日光国立公園の周遊コース完全ガイド|整備されたトレッキングルートを徹底解説

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日光国立公園は、栃木県を中心に群馬県と福島県にまたがる日本を代表する国立公園であり、整備された周遊コースを活用したトレッキングが多くの登山愛好家や自然散策を楽しむ方々に親しまれています。1934年12月4日に国立公園として指定されて以来、90年以上の歴史を持つこの公園では、戦場ヶ原や中禅寺湖、霧降高原といった多彩なエリアで、初心者から上級者まで楽しめるトレッキングコースが充実しています。特に近年は環境省主導の「国立公園満喫プロジェクト」により、歩道や木道の整備が進み、バリアフリー対応の園路も設置されるなど、より多くの方が安全かつ快適に自然を満喫できる環境が整えられています。世界文化遺産やラムサール条約湿地に登録された貴重な自然環境の中で、四季折々の絶景を堪能しながら歩くトレッキング体験は、日光国立公園ならではの魅力といえるでしょう。

目次

日光国立公園の概要と歴史的背景

日光国立公園は昭和9年(1934年)12月4日に国立公園として指定され、令和6年(2024年)12月には指定90周年という記念すべき節目を迎えました。2025年には90周年記念として連携イベントやPR活動が各地で実施されており、国内外から多くの観光客が訪れています。

公園の総面積は約114,908ヘクタールに及び、栃木県を中心として群馬県と福島県にまたがる広大なエリアを擁しています。この地域には世界文化遺産に登録された日光の社寺をはじめ、ラムサール条約湿地として国際的に認められた奥日光の湿原など、世界に誇る観光資源が集積しています。豊富な水資源と森林を中心とした日本ならではの自然景観、歴史と文化、そして良質な温泉が融合した「プレミアムな魅力」を持つ地域として、国内外から高い評価を受けています。

公園は大きく日光エリア、鬼怒川エリア、塩原エリア、那須・甲子エリアの4つの区域で構成されており、それぞれが特色ある自然環境と観光資源を有しています。夏季には緑豊かな山々での登山やハイキングに加え、豊富な水資源を活かしたカヌーやラフティングなどの水上アクティビティが楽しめます。冬季にはスキーや氷瀑トレッキングといった雪と氷のアクティビティも人気を集めており、年間を通じて多様な自然体験が可能となっています。

日光国立公園ステップアッププログラム2025による整備推進

環境省では2016年3月に政府がとりまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、日本の国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化することを目標とした「国立公園満喫プロジェクト」を推進しています。日光国立公園はこの取り組みを先行的かつ集中的に実施する国立公園の一つに選定されており、施設整備や周遊コースの充実が図られてきました。

「日光国立公園満喫プロジェクト地域協議会」において、2021年度(令和3年度)から2025年度(令和7年度)までの5年間の取り組み指針となる「日光国立公園ステップアッププログラム2025」が策定されました。このプログラムでは、来訪者の利便性向上と自然環境の保全を両立させながら、公園内の歩道整備や案内標識の設置、休憩施設の充実などが計画的に進められています。

さらに、日光国立公園では地域との協働により各エリアの「魅力」や「価値」を掘り起こし、来訪者に体験していただきたいストーリーとしてまとめる「日光国立公園インタープリテーション全体計画」の策定も進んでいます。2024年度には日光エリアの「奥まで日光を好きになるストーリー集」と那須エリアの「那須インタープリテーションズアクション」が策定され、2025年度は鬼怒川エリア、塩原エリア、甲子エリアの策定に向けて各地域で取り組みが進行中です。

戦場ヶ原・小田代ヶ原の整備されたハイキングコース

戦場ヶ原は標高約1,400メートルの高地に広がる約400ヘクタールの広大な湿原であり、日光国立公園を代表するトレッキングスポットとして知られています。その名称は、男体山と赤城山の神々が戦った「戦場」だったという神話的な伝説に由来しており、訪れる人々に歴史ロマンを感じさせる場所となっています。戦場ヶ原と小田代原は日光国立公園内でも特別保護地区に位置しており、2005年には「奥日光の湿原」として戦場ヶ原、小田代原、湯ノ湖、湯川がラムサール条約湿地に登録されました。

戦場ヶ原で最も人気の高いハイキングコースは、湯元温泉を出発点として湯滝、泉門池、青木橋、戦場ヶ原展望台、赤沼分岐、石楠花橋を経て竜頭滝でゴールする約2時間半のコースです。このコースはアップダウンが少なく、初級者でも安心して歩けるルートとして整備されています。湿原を保護しながら散策を楽しめるよう木道が丁寧に敷設されており、令和3年度には戦場ヶ原周回線道路(歩道)木道工事が実施されるなど、継続的な維持管理が行われています。

赤沼駐車場を起点とした周回コースも人気があり、戦場ヶ原ハイキングコース(自然研究路)から泉門池へ向かい、小田代ヶ原周回線歩道を経て赤沼駐車場に戻るルートは約7キロメートル、所要時間4時間から4時間半の初心者向けハイキングコースとなっています。また、バス停赤沼からバス停湯滝入口まで続く「戦場ヶ原自然研究路」を歩くコースは、距離約5.5キロメートル、所要時間約2時間で、アップダウンが少なくハイキング初心者でも歩きやすいコースとして整備されています。

戦場ヶ原のベストシーズンは、ワタスゲやホザキシモツケが見頃となる6月中旬から8月上旬、そして草紅葉が美しい9月下旬から10月上旬です。紅葉の見頃は、戦場ヶ原・小田代原で9月下旬から10月上旬に草紅葉が始まり、10月上旬から中旬には紅葉が最盛期を迎え、10月下旬にはカラマツの黄葉が楽しめます。標高約1,400メートルの戦場ヶ原周辺では、夏でも平均最高気温は25度前後、平均最低気温は15度前後と非常に涼しい気候となるため、快適なトレッキングが楽しめます。

湯ノ湖周辺の整備された周遊コース

湯ノ湖は標高1,478メートルに位置し、三岳山の噴火によって形成されたせき止め湖です。日光国立公園内にある奥日光湯ノ湖の周囲には、ハイキングのための遊歩道がきれいに整備されており、自然豊かな環境の中で動植物の観察やフィッシングも楽しめる人気スポットとなっています。

湖の周囲は約3キロメートルで、整備されたハイキングコースを約1時間で一周することができます。湖畔には散策路が設けられており、ノリウツギやオオカメノキ、ダケカンバなどの広葉樹と、コメツガやウラジロモミなどの針葉樹による原生林が広がっています。湯ノ湖ハイキングでは湖、滝、湿原と見どころが多く、湖を周回する間に景色も変化するため飽きることなく歩けるコースとして評判です。

湯ノ湖畔沿いを歩くこのコースはアップダウンがほとんどなく、夏には新緑の中で鳥のさえずりを聞きながら、秋には紅葉をゆったりと楽しめます。途中では湯滝を上から眺めることもでき、変化に富んだ景観が魅力です。ただし、冬季は積雪のため通行止めとなりますので、訪問時期には注意が必要です。

中禅寺湖周辺のトレッキングルート

中禅寺湖は栃木県日光市にある標高1,269メートルの高地に位置し、日光国立公園内に広がる美しい湖です。湖の周囲は約25キロメートル、最大水深は163メートルほどあり、約2万年前に男体山の噴火によって形成されたせき止め湖として知られています。

中禅寺湖越しに男体山を望みながら、静かな南岸をゆったりと歩けるコースが整備されています。このコースの途中には、かつてのイタリア大使館別荘を再整備した公園があり、日光が国際避暑地として栄えた往時の雰囲気を味わうことができます。明治から昭和初期にかけて、各国の大使館が別荘を構えた歴史を感じながらのトレッキングは、自然だけでなく文化的な側面からも日光の魅力を体感できる貴重な体験となります。ただし、冬季は阿世潟から千手観音間が通行止めとなりますので、事前に確認が必要です。

奥日光三名瀑を巡る滝めぐりハイキング

奥日光には華厳の滝、竜頭の滝、湯滝という三名瀑があり、これらを巡るハイキングコースは日光国立公園の人気ルートの一つとなっています。竜頭の滝と湯滝は、湯ノ湖(標高1,478メートル)から中禅寺湖まで流れる湯川に位置しており、それぞれ異なる魅力を持った滝として多くの観光客を魅了しています。

華厳の滝は日光周辺に四十八滝といわれるほど滝が多い中でも、最も有名な滝として知られています。中禅寺湖の水が高さ97メートルの岸壁を一気に落下する壮大な滝であり、自然が作り出す雄大さと華麗な造形美の両方を楽しむことができます。1930年に開業した華厳滝エレベーターを利用すれば、滝つぼとほぼ同じ高さにある観瀑台まで岩盤の中を100メートル下ることができ、間近で迫力ある滝を体感できます。

竜頭の滝は下流部に位置し、幅約10メートルの階段状の岩場を流れ落ちる渓流瀑です。全長は210メートルあり、滝沿いには散策道が整備されています。男体山の噴火で形作られた溶岩の上を勢いよく流れ落ち、その先にある大きな岩によって流れが分断される様子が竜のように見えることから「竜頭ノ滝」という名前がつけられました。

湯滝は湯ノ湖の南端から高さ約70メートル、長さ約110メートルの岩壁を湖水が白布のように滑り落ちる瀑布です。滝壺前の観瀑台では迫力を間近に体感でき、春にはツツジやシャクナゲ、秋には紅葉が彩りを添えます。戦場ヶ原から湯元温泉のハイキングコース上にあり、バス停「湯滝入口」から徒歩5分とアクセスも良好です。

滝めぐりハイキングコースでは、日光国立公園内の「竜頭の滝」からスタートするルートが人気です。JR・東武日光駅から東武バスに乗り約60分、「中禅寺湖」を通り越して「竜頭の滝」で下車し、茶屋の横の階段を上って滝沿いに歩きながら滝上を目指します。また、湯元温泉バス停から出発して湯ノ湖を半周し、まずは湯滝へ向かい、その後泉門池、戦場ヶ原を経て竜頭の滝へ至るコースも人気のルートとなっています。

日光の主要な山々の登山コース

日光国立公園には男体山、女峰山、日光白根山といった名峰があり、それぞれ整備された登山コースで本格的な登山を楽しむことができます。

男体山は栃木県日光市にある標高2,486メートルの火山で、日本百名山のひとつに数えられています。中宮祠(日光二荒山神社)から登山することができ、登りが約4時間、下りが約3時間のコースとなっています。中宮祠までは東武日光駅から東武バスで所要時間53分です。男体山は二荒山神社の登山口から山頂までの標高差約1,300メートルを4時間ほどで登り切る、登り一辺倒のコースとなっており、体力が求められます。2024年は4月25日から11月11日が入山期間として定められていました。

男体山の山頂からの眺望は四方に開け、眼下に中禅寺湖と戦場ヶ原を見下ろし、白根山、太郎山、女峰山をはじめとする日光連山、上越、上州の山々、はるかに富士山を望むことができます。特に紅葉に彩られる季節は絶景です。男体山登頂後に志津方面へと下り、戦場ヶ原の三本松へ下山するコースもあり、総距離が約15キロメートルのロングコースとして健脚者に人気があります。

女峰山は日光市の北側、男体山の北東約7キロメートル地点にある標高2,483メートルの成層火山で、日光三山のひとつ、日本二百名山のひとつです。日本では二峰並立の山は男神・女神とする慣習があり、山続きで東北側にある女峰山と対になることから男体山と名づけられたと言われています。

日光白根山は日光国立公園に含まれる山で、初心者にはロープウェイの利用がおすすめです。標高2,000メートルのところから登山をスタートでき、山頂駅から七色平避難小屋(35分)、白根山(110分)、七色平避難小屋(65分)、山頂駅(25分)というルートが整備されています。

霧降高原キスゲ平園地の整備された遊歩道

キスゲ平は赤薙山の中腹、標高1,300メートルから1,600メートルにかけて広がる高原です。3月下旬のマンサクから始まり、4月から6月にかけてはカタクリやツツジ類など、100種類を超える花々が春から秋まで楽しめます。6月中旬から7月にかけて咲くニッコウキスゲの群落は一見の価値があり、2024年7月時点ではニッコウキスゲが満開を迎え、多くの観光客で賑わいました。

かつて運行していたリフトは平成22年にすべて廃止され、現在は遊歩道と「天空回廊」と呼ばれる1,445段の階段が整備されています。霧降高原レストハウスから空に延びるように続くこの天空回廊を上ると、周辺の山々を望む小丸山展望台へ到達できます。花と眺望を楽しんだ後は、丸山分岐を直進して赤薙山へ進むこともできます。

モデルコースの行程例としては、霧降高原レストハウス(08:00出発)からキスゲ平(08:20)、丸山分岐(08:50)、赤薙山(10:10)、丸山分岐(11:15)、丸山(11:45)、分岐(12:15)、霧降高原レストハウス(12:30着)というルートがあります。

霧降高原のハイキングコース(大山・丸山・古道・隠れ三滝コース等)では、一般的に4月から11月の間ヤマビルが活動しており、特に6月から10月の雨天時やその翌日が活発に活動します。訪問の際はヤマビル対策が必要です。

アクセスは、車では日光宇都宮道路日光ICより約30分、電車・バスでは東武日光駅またはJR日光駅より東武バス「霧降高原行き」バス乗車で約30分、「霧降高原」バス停下車後徒歩約5分です(1日12本、冬期運休)。開館時間は4月から11月は9時から17時、12月から3月は9時から16時で、年末年始(12月29日から1月3日)は休園となります。

鬼怒川・塩原エリアのトレッキングコース

鬼怒川・塩原エリアには、独特の地形が生み出した絶景を楽しめるトレッキングコースが整備されています。

龍王峡は約2,200万年前の海底火山活動によって噴出した火山岩が、鬼怒川の流れによって侵食され、現在のような景観になったといわれています。その名の通りまるで龍がのたうつ姿を思わせるような迫力のある大景観は約3キロメートルに渡り、別名「岩の公園」とも呼ばれています。約6キロメートルにわたって続く渓谷美と奇岩の名勝として、多くのハイカーに親しまれています。

日光国立公園・塩原エリアに位置する「塩原渓谷」は、多くの滝や吊橋、奇岩が点在し、渓谷美を望む森林ハイキングを楽しめます。800年以上の歴史がある「妙雲寺」や皇室ゆかりの「天皇の間記念公園」といった由緒ある観光スポット、温泉地らしい「足湯」もあり、自然と歴史と温泉を同時に楽しめるエリアとなっています。塩原の渓谷歩道には松、モミジ、落葉樹が豊富で、森林浴に最適な環境が整っています。

主なコースとして「やしおコース」「回顧コース」「前山コース」などがあります。塩原温泉ビジターセンターのある前山国有林を出発し、福渡から箒川沿いを通り、箒川ダムまで延びるコースが人気です。「小太郎ヶ淵」には渓流脇の秘境茶屋「小太郎茶屋」があり、名物「草だんご」「きのこそば」などを味わえます。コースは整備されていますが山道も歩きますので、トレッキングシューズやスニーカーで行くことをおすすめします。

回顧の吊橋は1987年完成の全長100メートル、高さ30メートルの吊橋で、渓谷歩道の起点となっています。塩原温泉の紅葉の見頃は、日塩もみじラインで10月中旬から11月上旬です。

那須エリアの整備されたトレッキングコース

那須岳(茶臼岳)登山コースでは、ロープウェイを使って9合目の山頂駅に行き、そこから山頂までは約50分の登山で那須岳(茶臼岳)の頂上に立つことができます。茶臼岳をはじめとする那須連山は古くからの山岳信仰の地であり、山腹の温泉には九尾の狐伝説や神鹿伝説などの逸話が数多く残されています。那須の火山帯の主峰・茶臼岳の9合目まで、関東最大の111人乗りの大型ゴンドラで約4分間の空中散歩を楽しめます。

那須塩原ウォーキングコースでは、気軽に楽しめる3キロメートルコース、ちょっと冒険気分の5キロメートルコース、自然を満喫できる本格9キロメートルコースが用意されています。約1時間で那須塩原の自然を満喫しながら、足湯や地元の食事、観光スポットも楽しめるルートとなっています。

温泉と組み合わせたトレッキングの魅力

日光国立公園でのトレッキングの大きな魅力の一つは、良質な温泉と組み合わせて楽しめることです。

日光湯元温泉は戦場ヶ原の奥にあり、湯川の水源となる湯ノ湖の北岸に開けた静かな温泉街です。白濁の硫黄泉が湧く名湯で、温泉街にはほのかな硫黄の香りが漂います。トレッキング後の疲れを癒すのに最適な温泉地として、多くのハイカーに利用されています。

鬼怒川温泉は日光市の鬼怒川上流域にある温泉地で、江戸時代は大名や僧侶など限られた人々しか利用を許されていませんでしたが、明治時代に一般にも解放されました。現在は国内外から年間約200万人が訪れる人気の温泉地となっています。泉質はアルカリ性単純泉または単純泉で、疲労回復や健康増進によいとされています。

奥鬼怒温泉郷は「関東のチベット」と呼ばれる奥鬼怒の大自然の中にあり、「スノーポン」を履いて原生林をスノートレッキングし、鬼怒川源流付近に湧き出る秘湯を目指すコースがあります。コース途中にはブナやモミの木、栃の木などの巨木が密集しており、冬ならではの特別な体験ができます。

四季折々の日光国立公園の魅力

日光国立公園は四季を通じてさまざまな表情を見せてくれます。それぞれの季節に応じた楽しみ方があり、何度訪れても新しい発見があります。

春から初夏は新緑の季節です。5月は輝く新緑と花を楽しむことができ、日光国立公園内にある光徳園地では、ミズナラなどの広葉樹に囲まれた美しい景色を楽しめます。新緑の時期には豊かな緑と周囲を飛び交うイワツバメが風情を感じさせ、気候も穏やかでハイキングやトレッキングに最適な季節といえます。

は紅葉の季節です。日光市は各地で標高差があるため、9月上旬から11月下旬にかけて様々な場所で紅葉が楽しめます。高低差の大きい地形の影響で紅葉シーズンが長く、白根山から鬼怒川までを約2ヶ月かけてゆっくりと染めていきます。時期が良ければ白根山の山頂に積もり始めた雪の白と中腹の紅葉の朱色という美しいグラデーションを見られます。中禅寺湖周辺では10月中旬から11月上旬が見頃で、半月山や男体山をはじめとした周囲の山々の木々が色づき、湖面に映る美しい景色を堪能できます。

は雪と氷の季節です。日光ではゲレンデスキーはもちろん、スキーシュー、スノーシュー、エアーボードなど様々な冬のアクティビティが楽しめます。日光国立公園北部の那須・甲子エリアは首都圏に近いエリアでありながら積雪量に恵まれ、白銀の風景や雪上のレジャーを楽しみに多くの方が訪れます。

スノーシューは西洋式のかんじきを履いて雪の上を歩く冬のアクティビティで、日光アストリアホテルではスノーシューやクロスカントリースキーの体験・ハイキング宿泊プランも用意されています。スノーシューを使った森の散策では、動植物のことを知り尽くしたインタープリターと呼ばれる専門ガイドが森の中を案内してくれます。

冬の日光は滝が凍る程寒くなり、1月から2月は氷瀑トレッキングが可能です。女峰山の中腹にある雲竜渓谷は高さ約100メートルの氷の壁がそびえ立ち、異世界のような光景が広がる中を散策できます。

野鳥観察とバードウォッチングの聖地

奥日光は野鳥観察の聖地として知られています。湿原や滝、湖、そこに生きる木や花を背景に、様々な野鳥を観察できます。2005年には湯ノ湖や戦場ヶ原などがラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されました。

春から夏は様々な鳥が繁殖する季節です。高山ではコマドリやイワヒバリ、湿原ではオオジシギやノビタキ、ホオアカ、その他ホトトギスやムシクイの仲間など、さえずりがとても賑やかです。秋から冬はヒドリガモやミコアイサなど多くの水鳥が湖に飛来し、ホオジロやアトリ、シジュウカラの仲間、ヒレンジャクやキレンジャクがズミやカラマツの実に集まります。

多様な環境に様々な野鳥が生息する奥日光はバードウォッチャーの聖地とされています。現地では、奥日光で野鳥など生きものを軸としたネイチャーツアーを20年に渡って行ってきたベテランガイドによるツアーも開催されています。ツアーで出会える可能性のある野鳥には、オシドリ、マガモ、ヒドリガモ、トビ、ノスリ、オオジシギ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、フクロウ、アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラなど多数の種類が含まれます。

歩道・木道の整備とバリアフリー対応

日光国立公園では、来訪者が安全に自然を楽しめるよう、歩道や木道の整備が継続的に進められています。

日光国立公園那須甲子地域では、周辺には茶臼岳を望めるバリアフリー園路が整備されています。那須平成の森は自由に散策できる「ふれあいの森」とガイドウォークでしか入れない「学びの森」に分けられており、バリアフリー園路も備えています。車いす対応のバリアフリー園路があり、トイレ等はバリアフリー対応でオストメイト対応設備もあります。

戦場ヶ原では湿原を保護しながら散策を楽しめるよう木道が整備されています。令和3年度には戦場ヶ原周回線道路(歩道)木道工事が実施されるなど、継続的な維持管理が行われており、多くの来訪者が安全に自然を楽しめる環境が整えられています。

国立公園は自然公園法に基づき国が指定しており、日本を代表する優れた自然の風景地を保護するとともに、快適に自然とふれあうことができるよう適正な利用を進めています。利用者も環境保全に協力することが大切で、歩道を外れない、ゴミを持ち帰る、動植物を採取しないなどのルールを守ることが求められています。

日光国立公園認定ガイド制度

日光国立公園満喫プロジェクトの取り組みとして、日光国立公園の自然を活用したアクティビティを提供する質の高い自然ガイドを県で認定する認定ガイド制度が構築されています。利用者に安全かつ自然環境に配慮した高付加価値な体験を提供することを目的としており、認定ガイドを利用することでより深く日光の自然を理解し、安全にトレッキングやハイキングを楽しむことができます。

2024年度からは日光自然博物館でガイドとして活動を開始した新しいガイドも増えており、奥日光の素晴らしい環境を通して自然に触れる楽しさを伝える活動が行われています。2025年3月1日(土)、3月23日(日)に追加開催されたトレッキングツアーもあり、3月中であれば平日リクエストも受け付けているなど、柔軟な対応が行われています。

塩原温泉ビジターセンターは国立公園の自然情報センターで、遊歩道などの散策のコーディネートを行ったり、パークコンダクター(遊歩道散策のガイド)の派遣事業を行っています。また、年間を通してイベントを開催しており、初めて訪れる方でも安心してトレッキングを楽しめる環境が整っています。

アクセス情報と周遊プラン

日光国立公園へのアクセスは、電車とバスを組み合わせて効率よく巡ることができます。

都内から日光へ向かうなら、浅草から日光・鬼怒川方面までをつなぐ東武鉄道の「特急スペーシア」が便利です。「特急スペーシア」には鬼怒川温泉行きの「きぬ」と東武日光駅行きの「けごん」の2種類があり、浅草から東武日光駅まで約1時間50分、料金は片道2,700円です。

戦場ヶ原を楽しむには「赤沼」「三本松」「湯滝」の3箇所の拠点を活用できます。JR日光駅・東武日光駅より東武バス「湯元温泉行き」のバスで、赤沼まで約67分、三本松まで約68分、湯滝まで約75分です。湯滝へはJR日光駅・東武日光駅より東武バス湯元温泉行きにて約1時間15分、湯滝入口下車徒歩5分でアクセスできます。

鬼怒川・塩原エリアのドライブコースでは、今市ICをスタートし、鬼怒立岩大吊橋、龍王峡、塩原温泉湯っ歩の里、もみじ谷大吊橋、那須千本松牧場を巡ることができます。栃木は東京から電車で1時間から2時間ほどで訪れることができ、日帰りでの観光も可能です。

トレッキング・ハイキングの準備と注意事項

日光国立公園でトレッキングやハイキングを楽しむためには、適切な準備と心構えが必要です。

服装と装備については、標高の高いエリアでは気温が低くなるため重ね着できる服装がおすすめです。特に戦場ヶ原周辺は標高約1,400メートルあり、夏でも平均最高気温は25度前後、平均最低気温は15度前後と涼しい気候です。急な天候の変化に備えレインウェアを持参すること、足元はトレッキングシューズやスニーカーなど歩きやすく滑りにくい靴を選ぶことが大切です。

クマ対策については、奥日光にはツキノワグマが生息しています。クマとの不意の遭遇を避けるため、クマ鈴を持参したり複数人で行動したりすることが推奨されています。もしクマに遭遇した場合は、慌てずにゆっくりと後退し、走って逃げないようにしましょう。

ヤマビル対策については、霧降高原のハイキングコースでは4月から11月の間ヤマビルが活動しており、特に6月から10月の雨天時やその翌日が活発に活動します。長袖・長ズボンを着用し、虫よけスプレーを使用することが有効です。

水分と食料については、ハイキング中はこまめな水分補給が大切です。長時間のコースでは行動食を持参することをおすすめします。コース上に売店がない場合も多いため、事前に準備しておきましょう。

登山届については、男体山などの本格的な登山を行う場合は登山届を提出することが推奨されています。万が一の事故に備え、家族や知人にも行程を伝えておくことが大切です。

戦場ヶ原や小田代原では歩道上を歩き、湿原や森林には踏み入らないよう注意が必要です。ハイキング時の主なルールとして、ゴミは持ち帰る、ペット同伴は不可(生態系保全の観点から国立公園特別保護地区では規制)、野生動物にエサをあげない、動植物の採取は禁止となっています。

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