藻岩山の冬登山は、チェーンスパイクを装着するだけで初心者でも安全に楽しめる、札幌を代表する日帰り冬山ハイキングです。標高531メートルの低山ながら、山頂からは「日本新三大夜景」にも選ばれた札幌市街の絶景を一望でき、冬の澄んだ空気の中で見る雪化粧した街並みは格別の美しさを誇ります。札幌市中心部からわずか20分でアクセスできるため、観光客にも地元の方にも気軽に楽しめる冬のアクティビティとして高い人気を集めています。
この記事では、藻岩山の冬登山を計画している方に向けて、5つの登山コースの特徴やチェーンスパイクの選び方、冬山に適した服装と装備、アクセス方法や駐車場情報、山頂での楽しみ方、そして下山後に立ち寄りたい温泉施設まで、日帰り登山に必要なすべての情報をお届けします。初めて冬の藻岩山に挑戦する方も、この記事を読めば安心して登山の準備を進めることができます。

藻岩山とは?冬の登山スポットとして人気の札幌の名山
藻岩山は、北海道札幌市の中心部から南西約5キロメートルに位置する標高531メートルの山です。市街地に近接しながらも豊かな自然が残されており、1921年(大正10年)には国の天然記念物「藻岩原始林」として指定されました。山名はアイヌ語の「モイワ」(小さい山)に由来しており、古くからアイヌの人々にとっても親しみのある山でした。
藻岩山には5本の登山道が整備されており、年間約90万人が訪れる市民の憩いの山として親しまれています。特に冬場は雪に覆われた登山道を歩く雪山ハイキングが人気で、週末になると多くの登山者で賑わいます。「日本新三大夜景」の観賞スポットとしても知られており、山頂にはロープウェイでアクセスできる展望台も設置されていますが、自分の足で登って見る冬の絶景には、ロープウェイでは味わえない格別の達成感があります。
冬の藻岩山登山が持つ特別な魅力
冬の藻岩山には、夏山とはまったく異なる独自の魅力がいくつもあります。
まず挙げられるのは、見通しの良さです。木々の葉が落ちているため、夏場よりも格段に視界が開けます。普段は木々に遮られて見えない場所からも山頂や札幌の街並みを眺めることができ、登山道の途中から見える雪化粧した札幌の景色は冬ならではの絶景です。
次に魅力的なのは、雪に覆われた登山道の静寂さです。踏みしめる雪の音だけが響く静かな山道は、日常の喧騒から離れたいときに最適な癒しの空間となります。運が良ければ、エゾリスやアカゲラなどの野生動物に出会えることもあります。
さらに、冬の澄んだ空気の中で見る景色は格別です。山頂からの眺望は冬が最も美しいとされ、雪で白くなった街並みや、街灯の光が雪に反射して輝く様子は、まさに宝石箱のような美しさです。
冬場は登山道の雪がしっかりと踏み固められているため、チェーンスパイクを装着すれば安定した歩行が可能です。多くの登山者が歩いた後の圧雪状態の道は、ふかふかの新雪よりもむしろ歩きやすいことさえあります。
藻岩山の冬登山コース全5ルートの特徴と難易度
藻岩山には5つの登山コースが整備されています。冬場はいずれのコースも積雪がありますが、特に人気のあるコースは踏み跡がしっかりとついており、チェーンスパイクで十分に歩くことができます。各コースの基本情報を以下の表にまとめました。
| コース名 | 距離 | 登り所要時間 | 下り所要時間 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 慈啓会病院前コース | 約2.9km | 約1時間20分 | 約50分 | 初級 |
| スキー場コース | 約2.5km | 約45分〜1時間 | 約40分〜50分 | 初級〜中級 |
| 旭山記念公園コース | 約2.6km | 約1時間10分 | 約50分 | 初級 |
| 北の沢コース | 約2.4km | 約1時間 | 約45分 | 初級 |
| 小林峠コース | 約4.5km | 約2時間 | 約1時間30分 | 中級 |
慈啓会病院前コースは初心者に最適な定番ルート
慈啓会病院前コース(通称:慈恵会コース)は、藻岩山で最も人気のある定番の登山コースです。距離は約2.9キロメートル、登りの所要時間は約1時間20分で、登山口には案内図やトイレが設置されており、初心者でも安心して登ることができます。
冬場は多くの登山者が利用するため、朝の早い時間を除けば登山道はしっかりと踏み固められた圧雪状態になっています。スノーシューは不要で、チェーンスパイクまたは6本爪の軽アイゼンで十分です。登山道には「三十三観音」と呼ばれる石仏が点在しており、冬場は雪をかぶった石仏の姿が趣深く、写真撮影のポイントとしても人気があります。途中で旭山記念公園コースや小林峠コースと合流するため、復路でルートを変える周回登山も楽しめます。
駐車場は観音寺の駐車場と慈恵会病院の駐車場が無料で開放されていますが、週末は混雑するため早めの到着がおすすめです。
スキー場コースは短時間で登頂できる手軽なルート
スキー場コースは距離約2.5キロメートルと5つのコースの中で2番目に短く、登りの所要時間も約45分から1時間と手軽に楽しめるコースです。登山口のすぐそばに無料の広い駐車場があり、車でのアクセスが非常に便利なため、午前中だけの半日登山にも適しています。
ただし、勾配が急な箇所が多いため、チェーンスパイクはしっかりとしたグリップ力のあるものを選びたいところです。冬場はスキー場のゲレンデ脇を歩くため、スキーヤーやスノーボーダーの姿を眺めながら登ることができますが、登山道はスキー場とは分離されているため安全に歩けます。
旭山記念公園コースは設備充実の人気ルート
旭山記念公園を起点とするこのコースは、距離約2.6キロメートル、登りの所要時間約1時間10分の初級コースです。公園内には約119台分の無料駐車場が2か所に分かれて設置されており、売店やトイレも冬期間に使用できるため、藻岩山登山の拠点としては設備が最も充実しています。
公園から登山口までは整備された遊歩道を歩き、その後は本格的な登山道に入ります。途中で慈啓会コースと合流するため、行きは旭山記念公園コースから登り、帰りは慈啓会コースから下山するという周回登山も可能です。旭山記念公園自体が札幌市街を見下ろす展望スポットであるため、登山前後に公園からの眺望を楽しむこともできます。
北の沢コースはなだらかで歩きやすい最短ルート
北の沢コースは距離約2.4キロメートルと5つのコースの中で最も短く、なだらかな箇所が多いため歩きやすいルートです。冬場でも比較的楽に登ることができ、体力に自信のない方や登山初心者にもおすすめできます。
ただし、他のコースに比べると登山者の数がやや少ないため、冬場は踏み跡が薄い場合があります。新雪が積もった直後はルートが分かりにくくなることもあるため、事前にYAMAPやヤマレコなどの登山アプリでルートを確認しておくと安心です。
小林峠コースは自然を満喫できる最長ルート
小林峠コースは距離約4.5キロメートルと5つのコースの中で最も長く、難易度も中級に設定されています。その分、最も自然が豊かなルートであり、深い森の中を歩く区間が長く、冬場は特に静寂な雪山の雰囲気を満喫できます。
途中で慈啓会コースに合流するため、行きは小林峠コースから登り、帰りは慈啓会コースから下山するという縦走的な楽しみ方も可能です。ただし、距離が長いため冬場は十分な時間の余裕を持って計画することが重要です。日の短い冬場は早朝出発を心がけましょう。
チェーンスパイクとは?冬の藻岩山登山に必須の滑り止め装備
チェーンスパイクは、冬の藻岩山登山において最も重要な装備のひとつです。靴底に装着する滑り止め器具であり、伸縮性のある樹脂製またはゴム製のバンドに小さな金属の爪がチェーンで取り付けられた構造をしています。アイゼンと比べて軽量でコンパクトであり、つま先から足を入れて靴下を履くように登山靴にかぶせるだけで装着が完了するため、脱着の手軽さが最大の特徴です。
チェーンスパイクとアイゼンの違い
登山用の滑り止めにはチェーンスパイク、軽アイゼン(4本爪から6本爪)、本格的なアイゼン(10本爪から12本爪)などの種類があります。チェーンスパイクの爪は小さいものの、靴底全体に均等に配置されているため、平坦な雪道や緩やかな傾斜では安定した歩行が可能です。一方、急な斜面やアイスバーンでは爪の大きな軽アイゼンの方がグリップ力に優れています。
藻岩山のような低山の冬登山では、踏み固められた登山道を歩く場合はチェーンスパイクで十分です。実際に、冬の藻岩山で活動する登山者の多くがチェーンスパイクまたは6本爪の軽アイゼンを使用しており、スノーシューを使用している人はほとんどいません。
チェーンスパイクの選び方のポイント
チェーンスパイクを選ぶ際に注目すべきポイントはいくつかあります。爪の大きさについては、爪が大きいモデルは重量が増しますがグリップ力に優れています。藻岩山のように踏み固められた雪道が中心の場合は標準的な爪のサイズで十分ですが、急傾斜の多いスキー場コースを利用する場合はやや大きめの爪のモデルを選ぶと安心です。
サイズ選びも重要です。チェーンスパイクは伸縮性のあるゴムで靴に装着するため、自分の登山靴のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。小さすぎると装着が困難で、大きすぎると歩行中に外れる危険があるため、購入前に自分の登山靴を持参して実際に装着してみることをおすすめします。
また、爪の配置にも注目しましょう。前足部とかかと側にバランス良く爪が配置されているモデルが初心者には使いやすく、偏った配置のものは特定の場面でグリップが利きにくくなることがあります。おすすめのメーカーとしてはモンベル、ブラックダイヤモンド、カンプ、ヒルサウンドなどが挙げられ、価格帯は3,000円から7,000円程度です。初めて購入する場合は登山用品店でスタッフに相談するのが確実です。
チェーンスパイクの正しい使い方と注意点
チェーンスパイクの装着方法は、まずつま先からゴムバンドに足を入れ、かかとまでしっかりと引っ張り上げます。このとき、ゴムバンドが靴のソール全体を均等に覆っているか確認することが大切です。偏った装着は歩行時のバランスを崩す原因となります。
歩行時は普段の歩き方とほぼ同じで問題ありませんが、岩場や木の根が露出している場所では爪が引っかかる可能性があるため注意が必要です。チェーンスパイクで歩ける限界を知っておくことも重要で、初心者の場合は急な上り坂が現れたら後ろを振り返って数歩下ってみてください。このとき異常なほど怖さを感じて腰が引けてしまう場合は、そこがチェーンスパイクで歩ける限界点です。無理をせずに引き返すことが安全な登山の基本です。
下山時はつま先に過度な負担がかかりやすいため、やや膝を曲げて重心を低くし、小股で歩くことを心がけると安定します。
冬の藻岩山登山に適した服装とレイヤリングの基本
冬の藻岩山登山では、適切な服装選びが快適さと安全に直結します。登山における服装の基本は「レイヤリング」と呼ばれる重ね着の技術であり、肌から近い順に「ベースレイヤー」「ミッドレイヤー」「アウターレイヤー」の3層に分けて考えます。
ベースレイヤーは吸湿速乾素材を選ぶ
ベースレイヤーは直接肌に触れる層であり、汗を素早く吸収し外側に発散させる機能が求められます。冬場はロングスリーブのトップスとタイツを組み合わせるのが基本です。最も重要なのは素材選びで、綿100パーセントの素材は汗を吸収するものの乾きにくく、体を冷やす原因となるため避けるべきです。吸湿速乾性に優れた化学繊維や、保温性と速乾性を兼ね備えたメリノウール混の素材を選びましょう。メリノウールは天然の抗菌・防臭効果があり、汗をかいても不快な臭いが発生しにくいという利点もあります。
ミッドレイヤーで保温性を確保する
ミッドレイヤーは保温を担う層であり、フリースや薄手のダウンジャケット、ウール混の長袖シャツなどが選択肢となります。冬の藻岩山では気温によって調整しやすいよう、薄手のものを2枚重ねる方法もあります。行動中は体温が上がるため薄手のフリース1枚で十分なことも多く、山頂での休憩時や風の強い場所では追加の保温着を羽織ることで対応します。
アウターレイヤーで風雪を防ぐ
アウターレイヤーは風や雪を防ぐ最も外側の層です。防風性と防水性を備えたシェルジャケットが基本で、ゴアテックスなどの防水透湿素材を使用したものが理想的です。藻岩山のような低山では本格的なハードシェルまでは必要ありませんが、少なくとも防風・撥水機能のあるソフトシェルは持参しましょう。山頂付近は風が強くなることがあり、体感温度が大きく下がるためです。パンツも防風性と撥水性のあるトレッキングパンツを選び、雪が深い場所ではゲイターを装着すると裾から雪が入るのを防げます。
小物類の防寒対策も忘れずに
冬山登山では頭部と手先の防寒が非常に重要です。体温の多くは頭部から放散されるため、ニット帽やビーニーは必須です。手袋は行動中用の薄手のものと休憩時用の厚手のものの2種類を用意しておくと便利です。ネックウォーマーやバラクラバも顔面の防寒に効果的で、特に山頂付近で風が強い日には顔全体を覆えるバラクラバがあると心強いです。足元の防寒も忘れてはならず、靴下はウール混の中厚手のものを選び、つま先が冷えやすい方はつま先用のカイロを活用するのもよいでしょう。
汗の管理が冬山登山の最重要ポイント
冬山登山における服装で最も重要なのは「汗をかきすぎないこと」です。行動中に大量の汗をかくと、休憩時や風の強い場所で汗が冷え、体温が急激に下がる危険があります。これは低体温症につながる非常に危険な状態です。
汗をかかないためのポイントとして、歩き始めは少し寒いと感じるくらいの服装でスタートすることが大切です。歩いているうちに体温が上がるため、最初から暖かい格好をしていると汗をかきすぎてしまいます。こまめにウェアの脱ぎ着をして体温を調整し、暑いと感じたらすぐにミッドレイヤーを脱ぎ、寒くなったら着るという動作を面倒がらずに行いましょう。ペース配分を一定に保つことも汗の管理には効果的で、急な登りでも無理にスピードを上げず、ゆっくりと歩くことを心がけてください。休憩から再出発する際は、休憩中に着込んだダウンやフリースを脱いでから歩き始めることも大切です。着たまま歩き出すとすぐに汗をかいてしまうため、歩き始めは少し寒いくらいがちょうどよいです。
冬の藻岩山登山で用意すべき装備
チェーンスパイクと服装以外にも、冬の藻岩山登山で用意しておきたい装備があります。
トレッキングポールは雪道での歩行安定性を大きく向上させ、特に下山時にバランスを保つのに効果的です。冬場はバスケット(ポール先端の円盤状のパーツ)を雪用の大きなものに交換しておくと、雪に刺さりにくくなります。
行動食は片手で食べられるものがおすすめです。手袋をしたままでも食べやすいエネルギーバーやおにぎりなどを用意し、冬場は食べ物が凍ることがあるため内ポケットなど体温で温められる場所に入れておくと食べやすくなります。保温ボトルに温かい飲み物を入れて持参すると山頂での休憩がより快適になります。冬場は通常のペットボトルの水が凍ることがあるため、保温ボトルの使用を強くおすすめします。
ヘッドライトも万一の場合に備えて持参しましょう。冬場は日没が早く、下山が予定より遅れた場合に暗い山道を歩かなければならない可能性があります。ザック(バックパック)は日帰り登山であれば20リットルから30リットル程度のものが適しており、脱いだウェアや行動食、飲み物、予備の手袋などを収納できるサイズを選びましょう。
登山アプリも重要な装備のひとつです。YAMAPやヤマレコなどの登山アプリをインストールしておけば、GPSで現在地を確認しながら歩くことができます。特に冬場は雪で登山道が分かりにくくなることがあるため、ルートの確認手段は必ず用意しておきましょう。
藻岩山へのアクセス方法と駐車場情報
藻岩山は札幌市街から非常にアクセスしやすい立地にあります。主要コースの登山口へのアクセス方法を以下の表にまとめました。
| コース名 | 車でのアクセス | 公共交通機関 | 駐車場 |
|---|---|---|---|
| 慈啓会病院前 | 札幌中心部から約20分 | 地下鉄「円山公園」駅→バス「慈啓会前」下車→徒歩約5分 | 無料(観音寺・慈恵会病院) |
| スキー場 | 札幌中心部から約15分 | 市電「ロープウェイ入口」電停→徒歩約15分 | 無料(登山口そば・広い) |
| 旭山記念公園 | 札幌中心部から約20分 | 地下鉄「円山公園」駅→バス「旭山公園前」下車 | 無料(約119台・2か所) |
冬場は登山口周辺の道路が凍結していることが多いため、車で向かう場合は冬用タイヤの装着が必須です。駐車場の一部が雪で使えなくなっている場合もあるため、駐車スペースには余裕を持って到着しましょう。慈啓会病院前コースの駐車場は週末に早い時間で満車になることがあるため、午前8時頃までの到着がおすすめです。
公共交通機関を利用する場合は、バスの冬季ダイヤを事前に確認しておくことをおすすめします。積雪や路面凍結によりダイヤが乱れることがあるため、時間に余裕を持った計画を立てましょう。
藻岩山の山頂で楽しむ冬の絶景と展望台
藻岩山の山頂に到着したら、まずは展望台からの絶景を堪能しましょう。
冬の山頂から望む札幌の絶景
冬の山頂からは、雪で白く染まった札幌市街を一望できます。空気が澄んでいる冬は遠くの山々もくっきりと見えることが多く、天気が良ければ石狩湾や増毛連山まで見渡せます。街灯の光が雪に反射して輝く夕暮れ時の景色は特に美しく、札幌市は「日本新三大夜景」の観賞地として認定されています。藻岩山から眺める月の美しさも格別で、「日本百名月」にも数えられています。
山頂展望台の施設情報
山頂には2011年にリニューアルされた展望台があり、地下1階から屋上までエレベーターが完備されたバリアフリー対応の施設です。展望台内は暖房が効いており、冬でも温かい屋内で景色を楽しむことができます。展望台には「幸せの鐘」というモニュメントがあり、カップルや家族連れの記念撮影に人気のスポットとなっています。
展望台の冬季営業時間(12月から3月)は11時から22時で、上りの最終は21時30分です。ロープウェイの料金は大人往復2,100円(2025年時点)ですが、登山で山頂に到達した場合は展望台の利用が無料となります。
冬場の山頂は風が強く体感温度が大きく下がることがあるため、長時間の休憩は体が冷える原因となります。温かい飲み物を飲みながら短めの休憩にとどめるか、展望台の屋内に入って暖を取るのが賢明です。山頂には簡易的なベンチがありますが、冬場は雪に埋もれていることがあるため、座って休憩する場合はザックやマットを敷くと冷えを軽減できます。
下山後に立ち寄りたい札幌近郊のおすすめ温泉
冬の登山で冷えた体を温めるには温泉が最適です。藻岩山周辺には下山後に立ち寄れる温泉施設がいくつかあります。
定山渓温泉で札幌の奥座敷を満喫
藻岩山から車で約40分の距離にある定山渓温泉は、札幌の奥座敷として知られる温泉街です。豊かな自然に囲まれた渓谷沿いに温泉宿が立ち並び、日帰り入浴を受け付けている施設も多くあります。無料の足湯もあり、気軽に温泉を楽しむことができます。
豊平峡温泉の広大な露天風呂
定山渓のさらに奥に位置する豊平峡温泉は、最大入浴人数200人という広大な露天風呂を持つ温泉施設です。源泉100パーセントかけ流しの温泉を楽しむことができ、施設内には3つの露天風呂があります。冬場は雪見風呂を堪能でき、名物のインドカレーも有名で温泉と食事の両方を楽しめる人気スポットです。
ていね温泉ほのかで充実のリラクゼーション
札幌市手稲区にあるていね温泉ほのかは、約9種類の大浴場と露天風呂が楽しめる大型温泉施設です。泉質はナトリウム・塩化物泉の弱アルカリ性で、登山後のリフレッシュに適した施設となっています。岩盤浴やボディケア、食事処なども充実しており、ゆっくりと過ごすことができます。
藻岩山からの帰路にある札幌市内には数多くのスーパー銭湯や日帰り入浴施設もあり、天然温泉を使用している施設も多いため、時間に余裕がない場合でも気軽に立ち寄れます。
冬の藻岩山登山で守るべき安全対策
冬山登山は夏山に比べてリスクが高くなるため、安全対策をしっかりと行うことが重要です。
天候の確認と登山届の提出
出発前に必ず天気予報を確認しましょう。吹雪や強風が予想される日は、無理をせずに登山を中止する判断も大切です。藻岩山は低山ですが、冬場は天候が急変することがあり、視界不良に陥ると下山が困難になることもあります。
登山届の提出も忘れずに行いましょう。登山口に設置されている登山届ポストに記入するか、登山アプリを通じて電子的に提出する方法もあります。万一の事故の際に救助活動の手がかりとなる重要な情報です。
単独登山のリスクと日没時刻の把握
冬山の単独登山はリスクが高いため、できれば複数人で登山することをおすすめします。単独で登る場合は必ず家族や友人に登山計画を伝え、下山予定時刻を知らせておきましょう。
冬場の北海道は日没が早く、12月から1月にかけては16時頃には暗くなり始めます。余裕を持った計画を立て、遅くとも15時までには下山を完了するようにしましょう。ヘッドライトの携帯も忘れずに持参してください。
体調管理と転倒防止
冬山登山では低体温症と凍傷に注意が必要です。手先や足先、耳、鼻など末端部分の感覚がなくなってきたら、すぐに保温対策を行いましょう。行動食と温かい飲み物をこまめに摂取し、エネルギー切れを防ぐことも重要です。冬場の登山道は滑りやすい箇所があるため、特に下山時は疲労と急な傾斜が重なり転倒のリスクが高まります。チェーンスパイクを正しく装着し、慎重に歩くことが大切です。
野生動物への注意も怠らない
藻岩山ではヒグマの目撃情報が報告されることがあります。冬場はヒグマが冬眠しているため遭遇のリスクは低いですが、暖冬の年には冬眠が遅れたり早く目覚めたりすることがあります。熊鈴の携帯やグループでの行動など、基本的な熊対策は行っておきましょう。
おすすめの登山時期と札幌日帰りモデルプラン
冬の藻岩山は12月から3月にかけて雪に覆われますが、特におすすめの時期と日帰りモデルプランをご紹介します。
1月下旬から2月中旬がベストシーズン
1月下旬から2月中旬が最もおすすめの時期です。この時期は積雪が十分にあり、登山道の雪もしっかりと踏み固められています。気温は低いものの天候が安定している日も多く、冬山登山を最も楽しめるシーズンです。
3月に入ると気温の上昇とともに雪が緩み始め、踏み抜き(雪の表面を踏み破って足が深く沈むこと)が発生しやすくなります。この時期はチェーンスパイクに加えてゲイターの装着をおすすめします。
慈啓会コースを利用した日帰りモデルプラン
慈啓会コースを利用した場合の日帰りモデルプランは以下の通りです。
| 時刻 | 行程 |
|---|---|
| 8:30 | 慈啓会病院前の駐車場に到着、準備を整える |
| 9:00 | チェーンスパイクを装着して登山開始 |
| 10:20 | 山頂到着、展望台からの眺望を楽しみ温かい飲み物で休憩 |
| 10:50 | 下山開始 |
| 11:40 | 登山口に到着 |
| 12:30 | 定山渓温泉で日帰り入浴と昼食 |
| 14:30 | 温泉を出発し札幌市内へ |
このプランであれば午前中に登山を終え、午後はゆっくりと温泉を楽しむことができます。時間に余裕があれば、スキー場コースで登り慈啓会コースで下山するという周回ルートも楽しめます。
まとめ
藻岩山の冬登山は、チェーンスパイクさえあれば初心者でも気軽に楽しめる、札幌ならではの冬のアクティビティです。標高531メートルの低山でありながら、山頂からは日本新三大夜景にも選ばれた札幌の絶景を一望でき、冬の澄んだ空気の中での眺望は格別です。
5つの登山コースから自分の体力や経験に合ったルートを選ぶことができ、最短で約1時間、最長でも約2時間で山頂に到達できます。適切な装備と服装を整え、天候や体調に十分注意すれば、冬の藻岩山は素晴らしい登山体験を提供してくれます。
チェーンスパイクの選び方や服装のレイヤリング、安全対策など事前の準備をしっかりと行い、下山後には温泉で冷えた体を温める。そんな贅沢な冬の日帰り登山を、ぜひ藻岩山で体験してみてください。
札幌市街からわずか20分でアクセスできる藻岩山は、冬の北海道旅行の隠れたおすすめスポットでもあります。観光で札幌を訪れた際にも半日あれば十分に楽しめるため、旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか。白銀の世界に包まれた藻岩山で、冬の札幌の新たな魅力を発見できるはずです。








