蝶ヶ岳(標高2677m)の三股ルートは、6月の残雪期に白銀の槍・穂高連峰を間近に望む360度の大パノラマが楽しめる、北アルプス屈指の絶景登山コースです。残雪期ならではの雪をまとった槍ヶ岳や穂高連峰の迫力ある姿は夏山とは全く異なり、稜線上では雷鳥との出会いや蝶の雪形といった特別な体験が待っています。本記事では、三股ルートの登山道詳細からアクセス方法、必要な装備、山小屋情報、そして山頂から広がる圧倒的なパノラマの魅力まで、6月残雪期の蝶ヶ岳登山に必要なすべての情報を詳しくお伝えします。

蝶ヶ岳とはどんな山か――北アルプス入門の展望台
蝶ヶ岳は、長野県松本市に位置する常念山脈の一峰で、常念岳(2857m)の南に連なる稜線上にそびえる標高2677mの山です。北アルプスの中では比較的アクセスしやすい山として知られており、「北アルプス入門の山」と呼ばれることも多い存在です。梓川を挟んで槍ヶ岳・穂高連峰と向かい合う絶好のロケーションに位置しており、その最大の魅力は対岸に迫る槍・穂高連峰の圧倒的な眺望にあります。
山名の由来は、5月末から6月にかけて山腹に蝶が舞うように見える黒い雪形が現れることにあります。この雪形は古来から安曇野の農耕の目安とされてきた春の風物詩で、北西側の安曇野方面からよく見ることができます。地元の人々に長く愛されてきたこの景観は、蝶ヶ岳という山名と地域の文化を深く結びつける存在でもあります。
山頂付近は起伏が少なく、広々とした稜線が続く穏やかな地形が特徴です。森林限界を越えた稜線一帯はハイマツ帯となっており、晴れた日には360度の大パノラマが広がります。山頂から少し北西に歩いた場所には「瞑想の丘」と呼ばれる展望地があり、方向指示盤が設置されています。ここからは北アルプス・中央アルプス・南アルプスの三つのアルプスに加え、浅間山や、条件の良い日には富士山まで見渡すことができます。
蝶ヶ岳の歴史と雪形文化
蝶ヶ岳の記録上の初登頂は1826年(文政9年)とされています。修行僧の播隆(ばんりゅう)が中田又重郎を案内人として登頂したのが最初の記録であり、播隆はその後、槍ヶ岳の開山でも知られる人物として北アルプス登山の歴史に名を刻みました。
江戸時代から安曇野の農民たちは、蝶ヶ岳の山腹に現れる蝶の雪形を農耕の目安として利用してきました。蝶の雪形が現れると田植えや農作業の時期と判断したとされており、山と暮らしが密接に結びついていた時代の知恵がうかがえます。明治・大正期以降は本格的な登山文化が日本に広がる中で、槍・穂高の絶好の展望台としての蝶ヶ岳の価値が広く認識されるようになりました。蝶ヶ岳ヒュッテも長い歴史を持ち、登山者を温かく迎え続けてきた山小屋として北アルプスに欠かせない存在となっています。
三股ルートの概要――蝶ヶ岳への最も一般的な登山コース
蝶ヶ岳へのアクセスルートはいくつかありますが、長野県安曇野市の三股(みつまた)を起点とする三股ルートが最も一般的です。三股は常念岳と蝶ヶ岳の両方への登山口となっており、北アルプス中部エリアの重要な登山拠点として位置づけられています。
三股ルートの基本データとして、標準コースタイムは往復約7時間56分、距離は約11.0km、累積標高差は約1470mです。信州山のグレーディングでは体力度4・技術的難易度Bに分類されています。標高差1470mは日帰り登山としてはかなりハードな部類に入り、体力度4は北アルプス入門レベルの中でも比較的きつめの設定です。技術的難易度Bは一般登山道の範囲内ですが、残雪期には難易度がさらに上がる点に注意が必要です。
三股ルート登山道の詳細――6月残雪期のコースガイド
三股登山口から力水まで
三股の駐車場からしばらく林道を歩くと、三股の登山口に到達します。ここから烏川(からすがわ)の上流・本沢に架かる吊り橋を渡り、本格的な登山がスタートします。吊り橋を渡った先には湧水「力水(ちからみず)」があり、登山者が水分補給する場所として親しまれています。残雪期には雪で覆われていることもあるため、事前に十分な水を携行しておくと安心です。
力水からゴジラの木を経てまめうち平へ
力水から先は樹林帯の急登が続きます。斜面をジグザグに登る区間で、標高を稼ぎながら高度感も増していきます。この区間の途中には「ゴジラの木」と呼ばれる奇木があります。長年の風雪で形が変形した倒木がまるでゴジラのような形に見えることからこの名がつけられており、三股ルートからしか見ることができないユニークなスポットとして登山者に人気です。
ゴジラの木を過ぎると引き続き急坂が続き、尾根状の急坂を登り切ると「まめうち平」に到達します。まめうち平は標高約2000m前後の比較的平坦な場所で、樹林帯の中のベンチが設けられた休憩ポイントとなっています。残雪期の6月にはこの付近から雪道となることが多く、まめうち平の手前あるいは平自体が雪に覆われていることもあります。
まめうち平から蝶沢の雪渓へ――6月最大の核心部
まめうち平を過ぎると再び急登になり、「最終ベンチ」と呼ばれる樹林帯内の最後の休憩ポイントを経て、コース中で最も注意が必要な「蝶沢」の雪渓区間に入ります。6月初旬の場合、最終ベンチ周辺でも残雪が見られることがありますが、6月中旬以降は最終ベンチから先も夏道が現れていることが多く、雪の状況は年によって異なります。
蝶沢には6月でも硬い残雪が残っていることが多く、2024年6月6日の登山記録では「蝶沢にはしっかり硬い雪が残っていた」と記録されました。この雪渓トラバース区間は傾斜があり、滑落の危険があるため、アイゼンの装着が必要になります。蝶沢の雪渓を安全に通過することが、6月の三股ルートにおける最大のポイントです。
蝶沢から稜線へ――森林限界を越えてパノラマの世界へ
蝶沢を過ぎると再び樹林帯を抜け、徐々にハイマツ帯へと移行します。森林限界を超えると視界が一気に開け、周囲の山々が姿を現します。残雪期には白い斜面が広がり、晴れていれば前方に蝶ヶ岳の稜線が見えてきます。稜線直下の斜面にも残雪が残りやすく、急傾斜の雪面を登る場面もあります。稜線に出ると蝶ヶ岳ヒュッテ(標高約2668m)が見え、そこから少し歩くだけで蝶ヶ岳山頂(2677m)に到達します。稜線はほぼフラットで歩きやすく、山頂までは容易です。
6月残雪期の蝶ヶ岳が持つ4つの特別な魅力
白銀の槍・穂高連峰を間近に望むパノラマ
6月は槍ヶ岳や穂高連峰がまだ豊富な雪をまとっている時期です。蝶ヶ岳の稜線から見る槍・穂高は、白く輝く雪に覆われた姿で目前に広がります。夏になると岩肌が露出してきますが、残雪期は山全体が白く輝いており、その迫力は格別です。特に日の出や日の入り時に染まる雪の赤・オレンジ・紫の色彩は、残雪期ならではの絶景といえます。
蝶の雪形が現れる山名ゆかりの時期
5月末から6月にかけては、蝶ヶ岳の名前の由来となった蝶の雪形が現れる時期です。安曇野方面から見上げると、山腹に蝶が舞うような雪形が見えることがあります。地元の農耕の目安として古くから親しまれてきたこの雪形は、この時期に蝶ヶ岳を訪れる登山者にとって見逃せない風景です。安曇野側から山を眺めてみる価値が大いにあります。
雷鳥との出会いが多い稜線歩き
残雪期の稜線では、国の特別天然記念物である雷鳥(ライチョウ)と出会える確率が高まります。2024年6月の登山記録では「蝶槍への稜線は雷鳥パラダイス」と表現されるほど、雷鳥との遭遇が多い区間として知られています。残雪が残る稜線付近の岩場や低木帯で雷鳥は繁殖活動を行っており、子育て中の親子に出会えることもあります。保護の観点から近づきすぎないよう配慮しつつ、この貴重な出会いを楽しんでください。
夏のハイシーズンより静かな山歩き
7月から8月の夏のハイシーズンに比べ、6月は登山者数が少なく、静かな山歩きを楽しめます。混雑を避けて北アルプスの絶景を満喫したい方にとって、6月は穴場の時期といえます。ただし、残雪期特有の危険に対応できる技術と装備が前提となる点は忘れてはなりません。
6月残雪期の蝶ヶ岳で注意すべき危険と対策
雪山装備と技術の必要性
6月の蝶ヶ岳は夏山と冬山の中間的な難しさがあり、見た目の穏やかさに油断して入山すると思わぬ危険に遭遇します。6月中旬まで(目安として6月15日頃まで)は雪山装備および雪山技術が必要とされています。特に蝶沢の雪渓トラバースでは傾斜があるため、軽アイゼンでは不十分な場合もあり、前爪のある10〜12本爪アイゼンの使用が推奨される場面があります。
アイゼン・ピッケルの事前練習が不可欠
アイゼンやピッケルは事前に使い方を練習しておかなければ、緊急時に機能しません。ピッケルの最も重要な役割は「滑落停止」であり、転んで雪面を滑り始めた際にピッケルを雪面に刺してスピードを抑え、滑落を止める技術です。この技術は事前練習なしに実践することはできないため、初めて雪山に挑戦する方は必ず事前に講習会への参加や練習を行ってください。
急な天候変化と低体温症への備え
6月の北アルプスは天候が変わりやすく、晴天から急に雲が湧いてホワイトアウトや吹雪になることがあります。高山では1000m以上の高度差があるため、麓が晴れていても山頂付近では全く異なる天候になることも珍しくありません。山頂付近での低体温症も危険であり、ダウンジャケット、ウインドシェル、防寒グローブ、帽子といった防寒装備は必ず持参してください。
雪崩と踏み抜きのリスク
残雪期には雪崩のリスクがあります。特に気温が上がる午後は雪が緩んで表層雪崩が起きやすくなるため、早出早着を心がけることが重要です。また、雪が腐ってくると踏み抜きが頻発するようになり、体力の消耗や足のケガにつながります。雪の状態を常に観察しながら歩くことが安全な登山の基本です。
6月残雪期の蝶ヶ岳に必要な装備
6月上旬から中旬にかけての蝶ヶ岳三股ルートでは、雪山に対応した装備が不可欠です。必携装備として、蝶沢の雪渓通過に必要な10〜12本爪アイゼン、急雪面や滑落停止用のピッケル、アイゼン装着対応の登山靴、ゲイター(スパッツ)が挙げられます。雪上での紫外線対策としてサングラスと日焼け止めも必須です。残雪の反射による紫外線は想像以上に強く、目や肌への影響を甘く見てはいけません。
防寒・天候対策としては、稜線や休憩時の防寒にダウンジャケット、急な風雨への対応にウインドシェルやレインウェア、防寒グローブと予備グローブ、防風・防寒の帽子を用意します。そのほか一般登山装備として、ヘッドランプと予備電池、十分な行動食と水(力水から先は補給不可のため)、地図・コンパスまたはGPSアプリ、救急セット、非常食が必要です。
6月中旬以降は雪の状態によっては軽アイゼン(6本爪)でも対応できる場合がありますが、その年の積雪量や気温によって状況は大きく異なります。出発前に蝶ヶ岳ヒュッテのウェブサイトや公式SNSで最新の雪情報を確認することが不可欠です。
三股登山口へのアクセス方法
自家用車でのアクセスと駐車場情報
三股登山口へは、長野自動車道「安曇野インターチェンジ」を出て県道・国道を経由し、烏川林道を進んで三股駐車場へ向かいます。安曇野ICから三股駐車場までは約30〜40分です。三股駐車場の収容台数は約40台で、料金は無料、トイレも完備されています。林道沿いには追加の駐車スペースもあり、合計では約120台分が確保されています。
烏川林道(林道烏川線)は例年12月上旬頃から4月下旬頃まで冬季通行止めとなり、4月20日前後に通行止めが解除されることが多いです。天気の良い週末や連休は駐車場が満車になることも多く、週末登山の場合は夜明け前の早めの到着を心がけるか、公共交通機関の利用を検討してください。
電車・バス・タクシーでのアクセス
公共交通機関を利用する場合、JR中央線・篠ノ井線経由で松本駅に入り、大糸線に乗り換えて穂高駅または豊科駅へ向かうルートが一般的です。首都圏からは新宿から松本まで特急あずさが利用できます。
穂高駅からは予約制の路線バス「三股線」が登山シーズンに運行されています。料金は一般(小学生以上)2,000円で、乗車日の前日までに予約が必要です。タクシーを利用する場合はJR大糸線「豊科駅」から約35分、料金は約5,700円が目安となります。
蝶ヶ岳ヒュッテの宿泊・テント泊情報
宿泊について
蝶ヶ岳ヒュッテは標高約2668mの稜線上に位置し、山頂直下に建つ山小屋です。北アルプスの山小屋の中でも眺望と快適さのバランスが優れていると評判で、営業期間は例年4月25日頃から11月3日頃までです。収容人数は最大150名程度で、部屋タイプは相部屋(大部屋)、半個室、個室があります。予約はネット予約で2ヶ月前の同日から受付が開始されます。食事は夕食・朝食が提供され、地元安曇野産のお米と手作り味噌が使用されています。
テント泊について
テントサイトはヒュッテ南側に約30張分が確保されています。利用料金は1名2,000円(税・トイレチップ込み)で、予約は不要、当日受付です。テント泊でも食事の利用が可能で、夕食2,500円・朝食1,500円を15時30分までに申し込む必要があります。
山上の水は貴重品扱いで、1リットル200円の有料です。充電コーナーも受付付近にあり、1回200円で利用できます。残雪期(4月下旬〜6月中旬)の宿泊については通常シーズンとは設備や営業内容が異なる場合があるため、入山前に蝶ヶ岳ヒュッテの公式サイトで最新情報を必ず確認してください。
6月のテント泊は夜間の気温が低く、稜線上では0度近くまで下がることもあります。3シーズン対応のテントと冬用または3シーズン対応のシュラフが必要です。夜明け前のモルゲンロートを山頂から見るために、前夜泊のテント泊を選択する登山者も多くいます。
山頂からの360度大パノラマ――蝶ヶ岳最大の魅力
目前に迫る槍・穂高連峰の絶景
蝶ヶ岳の最大の見どころは、梓川を挟んで対峙する槍・穂高連峰の絶景です。槍ヶ岳(3180m)の鋭峰、奥穂高岳(3190m)、前穂高岳(3090m)、北穂高岳(3106m)などの岩峰群が横一線に連なり、距離が近いため迫力が格別です。残雪期の6月にはこれらすべての山が白い雪をまとった姿で目前に展開し、夏山とは全く異なる荘厳な景観が広がります。
朝は白い峰々がモルゲンロートで赤く染まり、夕方にはアーベントロートが山肌を赤く染め上げる光景は、蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊した方だけが味わえる極上の体験です。
常念岳方面と後立山連峰の眺望
蝶ヶ岳の稜線北方向には常念岳(2857m)がそびえ、常念山脈の雄大な稜線が続いています。さらに北方向には大天井岳(2922m)、東天井岳、燕岳(2763m)と続く稜線が見え、後立山連峰の山々も望めます。残雪期にはこれらの稜線上にも雪が残り、白い稜線が連なるダイナミックな景色を楽しめます。
瞑想の丘と星空の絶景
山頂の「瞑想の丘」からは方向指示盤を参考に、北アルプス・中央アルプス・南アルプスの三つのアルプスをはじめ、浅間山、そして好条件の日には富士山まで見渡すことができます。広い空の下でゆっくりと景色を眺めながら過ごすのにぴったりの場所です。また蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊した場合、夜間は街明かりが少ない山上のため満天の星空も楽しめます。残雪期の6月は空気が澄んでいることも多く、特に条件が整った日の眺望は格別です。
蝶ヶ岳山頂周辺の見どころ――蝶槍と高山植物
蝶槍への稜線歩き
蝶ヶ岳山頂から北に続く稜線上には「蝶槍(2664m)」という小ピークがあります。蝶ヶ岳山頂から約1時間の稜線歩きで到達でき、ここからも槍・穂高の眺望を存分に楽しめます。残雪期の稜線歩きは特に風景が素晴らしく、2024年6月の記録では雷鳥との出会いが多い区間として知られていました。時間と体力に余裕がある方にはぜひ足を延ばしていただきたいスポットです。
6月後半からの高山植物
6月後半から7月にかけて、雪が解けた後の稜線では高山植物が一斉に開花します。ウサギギク、ミヤマキンポウゲ(シナノキンバイ)、コマクサなど様々な高山植物が彩りを添えます。6月中旬の残雪が溶け始める頃から雪解け際の縁を追いかけるように花が咲き始める光景は、残雪と花の競演として多くの登山者を魅了しています。
登山計画のポイント――日帰りと1泊2日プラン
日帰りの場合の行動計画
6月の蝶ヶ岳三股往復を日帰りで計画する場合、三股駐車場を早朝4時から5時に出発するのが理想です。三股登山口から蝶ヶ岳ヒュッテまでは残雪状況により変動しますが約4〜5時間、山頂滞在に1〜2時間、下山に約3〜4時間を見込み、駐車場帰着は15時から17時を目安とします。残雪期は雪が腐り始める午後以降に危険が増すため、午前中に核心部である蝶沢を通過できるよう早出を徹底することが重要です。
1泊2日プランの魅力
初日に蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊し、翌朝のモルゲンロートを楽しんでから下山するプランが人気です。余裕をもって山頂周辺を散策でき、夕方のアーベントロート、夜の星空、そして早朝のモルゲンロートと、時間帯によって刻々と変化する槍・穂高連峰の表情を満喫できます。
常念岳との周回コースについて
体力・技術に余裕がある場合、三股から蝶ヶ岳に登り稜線を縦走して常念岳に至り、前常念岳(2662m)を経由して三股に戻る周回コースも選択肢となります。ただしこのコースは距離と標高差が大きく、日帰りの場合は12時間近くかかる非常にハードなルートです。残雪期には常念岳側の急斜面にも雪が残るためさらに難易度が上がり、経験豊富な登山者向けとなります。残雪期には三股ピストン(往復)を強くお勧めします。
入山前に確認すべき最新情報と情報源
残雪期の蝶ヶ岳登山では、事前の情報収集が安全を左右する決定的な要素となります。入山の1週間前から天気予報をチェックし、直前には最新の雪の状況を確認してください。
確認すべき情報源として、蝶ヶ岳ヒュッテ公式サイト(chougatake.com)では登山道の状況や雪の状態が随時発信されています。安曇野市公式サイトでは林道通行止め情報が確認でき、気象庁やtenki.jpの山の天気で登山当日の天気予報を確認できます。また、YAMAPやヤマレコの直近の登山記録からは現場の実際の状況を把握することが可能です。状況によっては入山を延期する勇気も大切な判断です。
残雪期の蝶ヶ岳を安全に楽しむための心構え
残雪期の登山は夏山登山とは根本的に異なる準備が必要ですが、それだけに得られる体験の質も格別です。まず最も重要なのは、残雪期は「雪山」であるという認識を持つことです。見た目が穏やかな春山でも、稜線付近では凍結した雪面や急傾斜の雪渓が待ち受けています。「なんとかなる」という甘い考えは命取りになることがあります。
そしてパーティで登ることを強くお勧めします。残雪期の単独行は緊急時の対応が難しくなります。信頼できるパートナーと共に行動することで安全性は大きく高まります。
こうした準備を整えた上で臨む残雪期の蝶ヶ岳は、目前に迫る白銀の槍・穂高、稜線に舞う雷鳥、澄んだ空気の中に広がる360度のパノラマと、登山者に忘れられない記憶を刻んでくれる山です。白銀の槍・穂高連峰が目前に迫る圧倒的なパノラマ、稜線を歩く雷鳥との出会い、夏よりもはるかに静かな山上の空間、そして蝶の雪形が現れる山名ゆかりの光景は、残雪期の6月という限られた時期にだけ体験できる蝶ヶ岳の魅力です。装備と技術の準備を万全に整え、最新の山の状況を確認した上で、ぜひ6月の蝶ヶ岳三股ルートで忘れられない登山体験を手にしてください。







