群馬の榛名山登山は初心者に掃部ヶ岳コースがおすすめです

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群馬県の榛名山で登山初心者が最初に選ぶべきなのは、往復1時間半ほどで歩ける榛名富士コースか、最高峰の掃部ヶ岳を目指す周回コースです。どちらも榛名湖畔を起点にでき、日帰りで気軽に楽しめます。掃部ヶ岳は標高1449メートルで、榛名山を構成する峰々の中でもっとも高い山頂に立てるコースとして経験者からも支持されています。榛名山は赤城山、妙義山とともに上毛三山のひとつに数えられ、日本二百名山にも選ばれた群馬県を代表する山域です。実際には「榛名山」という単独の峰があるわけではなく、榛名富士や掃部ヶ岳、烏帽子岳、相馬山といった外輪山と、その中心にある榛名湖をまとめて榛名山と呼んでいます。この記事では、榛名富士コース、掃部ヶ岳コース、烏帽子岳コースという初心者向けの3コースを中心に、アクセスや装備、注意点までまとめました。

目次

榛名山は榛名湖を囲む榛名富士と外輪山の総称

榛名湖の北側にそびえる榛名富士や、最高峰の掃部ヶ岳、烏帽子岳、天目山、相馬山は、いずれも榛名山という同じ火山地形の一部です。最初の噴火はおよそ50万年前に遡るとされ、そこから25万年ほどかけて標高2500メートル級の成層火山に育ちました。ところが約22万5000年前に大規模な噴火が起こり、山体上部の半分近くが吹き飛んで直径4.5キロメートルのカルデラができました。カルデラの内部では再び火山活動が起こり、22万年前ごろから新しい成層火山が育っては噴火するというサイクルを繰り返し、直径3〜3.5キロメートルの氷室カルデラが形づくられていきます。このカルデラに長い年月をかけて水がたまり、現在の榛名湖になりました。湖の北側の火口瀬からは沼尾川が流れ出し、吾妻川、利根川へと合流していきます。榛名富士は、カルデラができたあとに噴き出した溶岩がドーム状に固まった山で、整った円錐形が湖畔からもよく目立ちます。掃部ヶ岳や烏帽子岳は、最初の巨大噴火でできたカルデラの縁にあたる峰々です。これらをぐるりとたどることで、榛名山という火山の全体像を体感できます。

奈良時代の万葉集には、榛名湖がすでに「伊香保の沼」として登場しており、上野国を象徴する歌の題材になっていました。江戸時代以降は関東地方に広まった雨乞い信仰「榛名講」の参詣先として親しまれ、現在も湖畔に残る榛名神社が、信仰の山としての歴史を伝えています。

初心者向けの登山コースは3つ、いずれも榛名湖畔が起点

榛名山エリアには登山道が数多くありますが、初心者がまず候補にできるのは榛名富士コース、掃部ヶ岳コース、烏帽子岳コースの3つです。どのコースも榛名湖畔を起点・終点にできるため、車でも公共交通機関でもアクセスしやすく、日帰りで無理なく歩けます。3コースの目安は次のとおりです。

コース名主な起点距離と時間の目安難易度の目安
榛名富士コース県立榛名公園ビジターセンター付近登り約45分、下り約35分初心者向け
掃部ヶ岳コース高崎市営駐車場(掃部ヶ岳登山口)約2.9キロメートル、2時間30分前後初中級
烏帽子岳コース榛名湖畔(鳥居のある登山口)往復約2キロメートル、1時間30分程度初心者向け

体力と時間に余裕があれば、榛名富士と掃部ヶ岳、あるいは掃部ヶ岳と烏帽子岳を組み合わせて歩く登山者も少なくありません。ただし、初めて榛名山を訪れるなら、まず単独のコースで足慣らしをして、道の状態や自分の体力を確かめてから縦走を考えるほうが安全です。

榛名富士コースはロープウェイと徒歩を組み合わせられる

榛名湖のシンボルである榛名富士(標高1390メートル)に登るコースは、榛名山エリアでもっとも歩きやすいコースのひとつです。危険箇所や迷いやすい分岐がほとんどなく、しっかりしたスニーカーでも歩けたという声があるほどです。ただ、初めて訪れる場合は登山靴のほうが安心できます。山頂には榛名神社の奥宮にあたる富士山神社が祀られており、晴れた日は榛名湖だけでなく関東平野や周辺の山々まで見渡せます。

体力に自信がない人や小さな子ども連れには、山頂まで一気に上がれる榛名山ロープウェイという選択肢もあります。高原駅から榛名富士山頂駅まで、高低差約300メートルを約3分で結びます。料金は2025年5月の改定後で大人が片道450円・往復850円、小学生は片道230円・往復420円で、身体障害者手帳などを提示すると本人分が半額になります。営業時間は4月から11月が9時から17時(上り最終16時30分)、12月から3月は9時から16時(上り最終15時30分)ですが、強風や雷などの荒天時には運休することがあり、2月から3月ごろに機械整備で1週間ほど運休する年もあるため、訪れる前に最新の運行状況を確かめておきたいところです。徒歩で登ってロープウェイで下りる、あるいはその逆の組み合わせにすれば、体力を温存しながら山頂の展望をゆっくり楽しめます。

掃部ヶ岳コースは硯岩からの下り階段が崩れやすい

掃部ヶ岳は標高1449メートルで、榛名山を構成する峰々の中でもっとも標高が高い、いわば榛名山の最高峰です。読み方は「かもんがたけ」で、地図で初めて見たときに読み方に迷う人も少なくありません。高崎市営駐車場(掃部ヶ岳登山口、約50台収容・無料・トイレあり)を起点に、硯岩(すずりいわ)を経由して山頂へ向かい、湖畔の宿記念公園などへ下山する周回コースが一般的です。総距離は約2.9キロメートル、コースタイムはおよそ2時間30分前後とされ、標準コースタイムを2時間28分、累積標高差を上り下りともに約400メートルとする記録もあります。

難易度は初中級とされていますが、榛名富士コースに比べると傾斜が急な区間があり、初心者向けとはいえ意外にきついという感想を持つ人も少なくありません。特に注意したいのが、掃部ヶ岳から硯岩へ向けて一旦下るルートです。木製階段の土が流れて足場が崩れやすくなっている箇所があり、雨上がりは滑りやすいので慎重に歩く必要があります。危険な箇所自体は限られていて、標識や案内に従って岩場に近づかなければ問題ないレベルですが、油断は禁物です。山頂や硯岩からの展望は榛名湖の全景と榛名富士の美しい姿を高い位置から一望でき、これが掃部ヶ岳コースいちばんの魅力です。榛名富士コースを経験したあとのステップアップとしても、ちょうどよい難易度といえます。

烏帽子岳コースは序盤の鳥居に頭をぶつけないよう注意

烏帽子岳(えぼしだけ)も手軽なハイキングルートで、歩行距離は往復約2キロメートル、初心者でもおよそ1時間30分程度で歩けます。コース序盤には鳥居が連続して並ぶ区間があり、鳥居の高さが低いため頭をぶつけないよう注意が必要です。序盤は比較的なだらかですが、途中から急な登りが現れるため、一定のペースを保って歩くことが大切です。山頂付近は烏帽子のような特徴的な形をしていて、掃部ヶ岳や榛名富士とはまた違う角度からの展望を楽しめます。

相馬山への外輪山縦走は歩行5時間、距離10キロの中級コース

榛名富士や掃部ヶ岳を歩いて物足りなさを感じたら、外輪山のひとつである相馬山(標高1411メートル、資料によっては1403メートルとも表記されます)がステップアップの選択肢になります。松之沢峠から磨墨岩(するすいわ)、磨墨峠を経て山頂に至り、ヤセオネ峠や臥牛山方面へ抜けるルートが代表的で、途中には鎖場を伴う岩場も含まれます。榛名富士コースや掃部ヶ岳コースに比べて歩行距離・時間ともに長くなり、岩場を通過する技術も求められるため、初心者がいきなり単独で挑戦するコースではありません。経験豊富な同行者と一緒であれば、榛名山の外輪山全体を巡るダイナミックな縦走を体験でき、達成感は格段に大きくなります。

登山情報サイトの中には、榛名山全体の総合的な難易度を「レベル40(中級)」とし、外輪山を巡る周回コースでは歩行時間が5時間を超え、歩行距離は10キロメートル、累積標高差は約900メートルに達すると紹介しているものもあります。これはあくまで外輪山を広く周回した場合の目安で、榛名富士や掃部ヶ岳を単体で歩くだけならここまでの時間はかかりません。まずは初心者向けコースで榛名山の雰囲気に慣れ、体力と経験に自信がついてから相馬山を含む外輪山縦走に挑戦するのが安全な順序です。

アクセスは車なら高崎ICから60分、バスならJR高崎駅から90分

車で訪れる場合、関越自動車道の高崎ICから約60分、または前橋ICから県道153号・県道28号を経由するルートが利用できます。榛名湖畔には無料駐車場が複数あり、県立榛名公園ビジターセンター駐車場(約126台収容、無料、トイレあり)や、高崎市営駐車場(掃部ヶ岳登山口、約50台収容、無料、トイレあり)が代表的です。紅葉シーズンや行楽シーズンの休日は混雑するため、早めの到着を心がけたいところです。

公共交通機関を利用する場合は、JR高崎駅西口から群馬バスの榛名湖行き(高崎榛名湖線)に乗り、終点の榛名湖バス停で下車します。乗車時間はおよそ90分で、バス停から各登山口までは徒歩15分から25分程度です。マイカーを持たない人や、下山後に運転を気にせず榛名湖温泉でゆっくりしたい人には、バス利用が向いています。榛名神社を経由する便もあり、登山と参拝を組み合わせたいなら、バス停「榛名神社」で途中下車するプランも検討できます。

服装は登山靴とウィンドブレーカー、階段の崩れに備える

榛名山の初心者向けコースは往復2時間前後で歩けるものが多いとはいえ、標高1000メートルを超える山であることに変わりはなく、平地とは気象条件が異なります。動きやすく乾きやすいトレッキングパンツ、速乾性のTシャツに、汗冷えを防ぐ長袖シャツを重ね着するのが基本です。夏場でも山頂付近や稜線では風を強く感じることがあるため、薄手のウィンドブレーカーなど防寒着を一枚持っておくと安心です。足元は、掃部ヶ岳コースのように老朽化した階段や滑りやすい区間がある場合に備えて、グリップ力のある登山靴やトレッキングシューズを選びたいところです。榛名富士コースのように整備された歩きやすい道なら履き慣れたスニーカーでも歩けたという声もありますが、初めて訪れるなら足首をサポートできる靴のほうが安全です。日差しを避ける帽子やサングラスもあると快適に歩けます。

持ち物としては、紙の地図や登山アプリの事前ダウンロード、汗を拭くタオル、体にフィットするリュックサック、絆創膏や包帯を含む簡単な救急セット、スマートフォン用の予備バッテリー、居場所を知らせるためのホイッスルなどが挙げられます。水分・行動食も忘れずに準備し、コースタイムが短いコースでも油断せず、最低限のセルフレスキュー装備は携行しておきたいところです。

歩き方は最初の20分をゆっくり、下りはポールを長めに

コースタイムが短い山だからといって、歩き方を意識しなくてよいわけではありません。登山の基本は、同行者と会話をしながら登れる程度の負荷を保つ、ややゆっくりめのペースです。最初から飛ばすと、掃部ヶ岳コースのような急な階段区間で息が上がり、足元への注意力が落ちてしまいます。歩き始めの20分ほどは体が山歩きに慣れていない時間帯なので、意識的にゆっくりとしたペースを心がけたいところです。

トレッキングポールを使う場合は、平地では視線をやや前方に向け、ポールを反対側のかかとの延長線上に突くイメージで、歩幅を狭くリズミカルに歩くのが基本です。右足を出すときに左のポールを突く対角歩行を意識すると、腕と足が交互に動いて自然にバランスが保てます。ポールを地面に突くタイミングは、足が着地する少し前に軽く添える程度で十分で、勢いよく突きすぎないことがポイントです。ポールの長さは、登りではやや短めに、下りではやや長めに調整すると、それぞれの斜面で体への負担を減らせます。掃部ヶ岳コースのように滑りやすい下り区間があるコースでは、トレッキングポールが足元の安定に役立つので、初心者ほど積極的に取り入れたいところです。

ツキノワグマ対策は音と時間帯とにおいの管理

榛名山・榛名湖周辺にはツキノワグマが生息しており、2025年にも周辺での目撃情報が報告されていました。これまでのところ登山者への人身被害は確認されていませんが、湖畔のメイン遊歩道やロープウェイ周辺のように人通りの多いエリアはクマが長時間とどまりにくい一方、登山道の奥に入るほど遭遇の可能性はゼロではなくなります。手を叩く、会話をするなど自分の存在を音で知らせることは、熊鈴やラジオよりも効果的だとされ、クマ鈴やホイッスル、携帯ラジオを携行して常に気配を伝えるようにしたいところです。クマは明け方や夕暮れに活発に行動する傾向があるため、この時間帯の登山や下山開始はできるだけ避けたほうがよいでしょう。休憩中におにぎりやカップ麺などの食料を出しっぱなしにせず、密閉できる袋に入れて管理することも、においの対策として重要です。可能であれば単独行動を避け、複数人でパーティーを組んで行動することが、熊対策と道迷い防止の両方に役立ちます。

登山道は多くのハイカーが共有する場所なので、すれ違う際の挨拶や登り優先といった登山マナーも守りたいところです。ゴミは必ず持ち帰り、指定された登山道以外へむやみに立ち入らないことも、道の保全と野生動物との不必要な接触を避けるうえで大切です。

榛名神社は586年創建、御姿岩と一体化した本殿が見どころ

榛名山エリアの観光を語るうえで欠かせない榛名神社は、586年に創建されたと伝わる1400年以上の歴史を持つ古社で、火の神である火産霊神(ほむすびのかみ)と、土の神である埴山毘売神(はにやまひめのかみ)を祀っています。古くから鎮火や開運、五穀豊穣、商売繁盛のご利益があるとされ、関東でも屈指のパワースポットとして多くの参拝者を集めています。神社入口から本殿までおよそ700メートル続く参道は、空へと伸びる杉の巨木や巨石に囲まれ、川のせせらぎや滝の音が響く、俗世から切り離されたような静けさに満ちています。参道の途中にある「みそぎ橋」を渡ると、沢の対岸にアーチ状の奇岩「鞍掛岩(くらかけいわ)」が見えてきます。また、戦国武将・武田信玄が箕輪城攻めの際に先勝祈願で矢を放ったと伝わる「矢立杉(やたてすぎ)」は国の天然記念物に指定されています。本殿は「御姿岩(みすがたいわ)」と呼ばれる巨岩の前面に接続するように建てられ、御神体は御姿岩内部の洞窟に安置されているという、全国的にも珍しい構造を持つ建物で、国の重要文化財にも指定されています。登山とあわせて訪れると、榛名山が信仰を集めてきた特別な場所であることを肌で感じられるはずです。

榛名湖畔ではサイクリングとワカサギ料理も楽しめる

登山の前後に時間があれば、榛名湖畔ならではのアクティビティも組み込みたいところです。湖の周囲には1周約5.4キロメートルの榛名湖畔周遊道路が整備されており、ドライブはもちろん、レンタサイクルを借りて湖を一周するサイクリングも人気です。自転車のレンタルは湖畔の飲食店などで受け付けている場合があり、登山とは違う筋肉を使いながら、湖越しに榛名富士を眺める時間も格別です。水上のアクティビティとしては、3人乗りのスワンボート(30分1500円程度)や、白鳥をかたどった遊覧船「はくちょう丸2世号」が周囲約6キロメートルの湖を約20分かけて一周するプランもあり、登山をしない同行者がいても一緒に榛名湖を満喫できます。

グルメでは、榛名神社の門前で提供される「門前そば」が名物です。江戸時代から宿坊のもてなし料理として振る舞われてきた歴史があり、榛名地域の在来品種「きみそば」を使った手打ちそばを味わえる店が参道沿いに点在しています。また、榛名湖はワカサギ釣りでも知られ、湖で獲れたワカサギを使った定食や天ぷらも、下山後の食事として人気です。登山で消費したエネルギーを、地元の味覚で補給するのも榛名山観光の楽しみのひとつです。

ベストシーズンは春の新緑と秋の紅葉、冬は初心者だけの入山を避ける

榛名山は新緑の季節と紅葉の季節、いずれも人気が高いです。春から初夏にかけては木々の若葉が美しく、榛名湖畔ではサクラやツツジ、初夏にはユウスゲといった花々が季節を彩ります。秋になると湖畔や外輪山の斜面が色づき、紅葉が湖面に映り込む景観は多くの写真愛好家やハイカーを惹きつけています。冬場は積雪や路面の凍結が想定されるため、初心者だけでの入山は避け、装備や経験が十分でない場合は季節を選んで訪れるのが賢明です。標高が1000メートルを超えるため、平地の天気予報だけで判断せず、山専用の天気予報サービスなどで稜線や山頂付近の風速・気温を事前に確かめておきたいところです。天候が急変しやすい山でもあるため、雷鳴が聞こえたり天候が悪化する兆候が見えたりした場合は、無理をせず早めに引き返す判断も大切です。

前泊するなら、榛名湖畔で唯一自家源泉の天然温泉を持つ「榛名湖温泉ゆうすげ元湯」が選択肢になります。全室レイクビューで、広々とした内風呂と開放感のある露天風呂を備え、緑がかった色合いが特徴の温泉にゆっくり浸かれます。宿泊タイプは和室・洋室のある本館と、各棟に源泉を引いて24時間かけ流しの温泉を楽しめるコテージの2種類があり、旅のスタイルに合わせて選べます。前日にこの宿へ泊まり、翌朝早くから榛名富士コースや掃部ヶ岳コースを歩き始めれば、日帰りでは味わえないペースで登山と観光を両立できます。紅葉シーズンの早朝は、湖面に立ちのぼる朝霧と色づいた木々が織りなす風景に出会えることもあり、前泊ならではの楽しみ方です。

ハルヒルは高崎から榛名湖畔まで14.7キロのヒルクライムレース

登山だけでなく、榛名山はロードバイク乗りの間でも全国的に知られています。「榛名山ヒルクライムin高崎」、通称「ハルヒル」は国内屈指の人気を誇るヒルクライムレースで、高崎市街の麓から榛名湖畔の山頂付近まで続く記録計測区間は全長14.7キロメートルに及びます。年によっては8000人近くのエントリーがあり、全国から自転車愛好家が集まります。コース全体の平均勾配は6.2パーセントとされますが、前半の約7キロメートルが平均4.4パーセントであるのに対し、後半の約7キロメートルは平均8.0パーセントに達するとされ、走行距離16キロメートルで獲得標高は940メートルにものぼる起伏に富んだコースです。榛名湖周辺を車で走っていると、レース期間以外の週末にもトレーニングに励むサイクリストの姿を見かけます。登山とサイクリングの両方の愛好家に支持されている点からも、榛名山というフィールドの懐の深さがうかがえます。

初心者向けモデルプランは午前中に1コース、午後は湖畔散策と温泉

登山初心者が榛名山エリアを訪れる際は、午前中に榛名富士コースまたは掃部ヶ岳コースのいずれかを歩き、昼前後に下山を終え、午後は榛名湖畔を散策しながら榛名神社に立ち寄り、最後に榛名湖温泉で汗を流して帰路につく、という一日の流れが組みやすいです。体力に余裕があり、より達成感を求めたい場合は、午前中に榛名富士、午後に掃部ヶ岳というように二つの山を組み合わせることも可能ですが、その場合はコースタイムに加えて休憩や移動時間も見込み、日没前に下山を終えられるよう計画しておくことが重要です。初めて榛名山を訪れるなら、無理に予定を詰め込まず、まずひとつのコースを確実に歩き切り、榛名山の雰囲気や自分の体力とのバランスをつかむことを優先したいところです。

下山後30分以内の補食とストレッチで翌日の疲労が変わる

登山は山頂に立って終わりではなく、下山してからのケアまで含めて一つの行程です。特に登山初心者は、翌日以降に強い筋肉痛が出て日常生活に支障が出てしまうことも少なくないため、下山直後のセルフケアを習慣にしておくとよいでしょう。下山してから30分以内に、おにぎりやパンなどの糖質と、プロテインバーや牛乳などのタンパク質を一緒に摂ると、筋肉の回復を促しやすくなるとされています。可能であれば、ふくらはぎや太もも前側の大腿四頭筋、お尻まわりの股関節といった、登山で酷使した部位を中心に、帰宅後や車に戻った段階で軽くストレッチしておくと、翌日の疲労の残り方が変わってきます。ふくらはぎは20秒から30秒程度、太もも前側は30秒から40秒程度を目安に、痛みを感じない範囲でゆっくり伸ばすのがコツで、強い痛みを伴うような無理なストレッチはかえって筋繊維を傷める可能性があるため避けたいところです。榛名湖温泉などのぬるめの湯にゆっくり浸かることも、血流を促し、疲労した筋肉に酸素や栄養を届けるうえで効果的とされています。下山後すぐに強い運動や長時間の車移動を予定している場合は、可能であれば休憩を挟み、脚をいたわる時間を確保しておくと、翌日以降も気持ちよく過ごせるはずです。

初心者は榛名富士コースから、経験者は掃部ヶ岳から歩き始めたい

榛名山は、群馬県を代表する上毛三山のひとつでありながら、榛名富士コースのように往復2時間程度で登れる手軽なコースから、最高峰の掃部ヶ岳を含む変化に富んだコースまで、体力やレベルに応じて選べる山域です。カルデラ地形が生み出した榛名湖の景観、榛名神社に代表される信仰の歴史、そして下山後に立ち寄れる温泉まで、登山だけにとどまらない魅力が詰まっています。登山靴やレインウェアなど基本的な装備を整え、天候とコースタイムに余裕を持たせた計画を立てれば、登山初心者でも安心して榛名山を楽しめます。歩きやすい榛名富士コースから、あるいは最高峰からの眺めを求めて掃部ヶ岳コースから、自分に合ったコースを選んで榛名山デビューを果たしてみてください。

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