伊予ヶ岳は、千葉県南房総市に位置する標高336.3メートルの山で、突き出た岩峰の山容から「房総のマッターホルン」と呼ばれています。冬の伊予ヶ岳ハイキングは、温暖な南房総の気候と澄んだ空気による絶景が楽しめるベストシーズンであり、都心から約2時間半でアクセスできる手軽さも魅力です。千葉県内で唯一「岳」の名を持つこの山は、関東百名山にも選ばれており、鎖場のスリルと360度のパノラマビューを求めて多くの登山者が訪れています。
本記事では、冬の伊予ヶ岳ハイキングを計画している方に向けて、登山コースの詳細から服装・装備、周辺の見どころ、温泉情報まで、必要な情報を網羅的にお伝えします。初心者から経験者まで、それぞれのレベルに合わせた楽しみ方ができる伊予ヶ岳の魅力を、ぜひ最後までご覧ください。

伊予ヶ岳とは ~房総のマッターホルンの基本情報~
伊予ヶ岳は、千葉県南房総市にそびえる標高336.3メートルの山です。房総丘陵に連なるなだらかな周囲の山々とは対照的に、鋭く突き出た岩峰が特徴的で、その独特の山容から「房総のマッターホルン」や「千葉の妙義山」といった異名で親しまれています。「岳」という名称が付く山は千葉県内では伊予ヶ岳のみであり、その希少性と登りごたえから関東百名山にも選定されています。
山名の由来については複数の説が伝わっています。最も有力とされているのは、安房開拓の祖である天富命(あめのとみのみこと)に率いられた阿波国の忌部氏が、四国の伊予の大岳(石鎚山)を偲んで名付けたという説です。伊予国(現在の愛媛県)にある石鎚山に山容が似ていることから、この名がついたとされています。また、「むかし、伊予の国からミカンを積んだ船が東京湾に入ってくるときの目印になった山で、愛媛県の石鎚山に姿が似ているから」という言い伝えもあり、いずれにしても四国との深いつながりを感じさせる山名となっています。
伊予ヶ岳には天狗伝説も残されています。「日本中の天狗が山頂に集まり会議を開いた」という伝説があり、その神秘的な雰囲気は今でも山を訪れる人々を魅了しています。
山の構造としては、南峰と北峰の2つの山頂があり、北峰の方が約20メートル高くなっています。南峰から北峰までは徒歩5分程度で移動でき、どちらの山頂からも素晴らしい眺望を楽しむことができます。山頂付近には岩場や鎖場があり、低山とは思えないスリルと達成感を味わえる一方で、登山口から山頂までは約1時間で到達できるため、初心者から経験者まで幅広い層に人気があります。
冬の伊予ヶ岳ハイキングがおすすめな理由
冬から早春にかけては、伊予ヶ岳登山のベストシーズンです。この時期に訪れることで、他の季節では味わえない魅力を存分に楽しむことができます。
まず挙げられるのが、南房総ならではの温暖な気候です。南房総は黒潮の影響を受けて年間を通じて温暖であり、冬でもほとんど雪が降ることがありません。雪山装備を必要とせず、通常のトレッキング装備で安心して登山を楽しむことができます。これは、冬山登山のハードルを大幅に下げてくれる大きなメリットといえます。
次に、澄んだ空気による抜群の眺望が冬の魅力です。夏場は湿気や霞で遠くまで見通せないことがありますが、冬は空気が澄み渡り、山頂からの景色が格別です。晴れた日には近くの富山(とみさん)はもちろん、千葉県の最高峰である愛宕山、さらには富士山や箱根の山々、伊豆半島まで見渡せることもあります。360度のパノラマビューを最大限に堪能できるのは、まさに冬ならではの特権です。
早春の花の見どころも見逃せません。2025年2月の山行記録では、桜の広場に植えられた河津桜が2月中旬には咲き始めている様子が報告されており、「房総の早春はなかなかよかった」という感想が寄せられていました。一足早い春の訪れを感じながらのハイキングは、冬から早春にかけてのこの時期だけの楽しみです。
さらに、ヤマビルの心配が少ないという実用的なメリットもあります。伊予ヶ岳周辺では夏場にヤマビルに噛まれるケースが報告されていますが、気温の低い冬はその心配がほとんどありません。虫対策に気を取られることなく、純粋に山歩きを楽しむことができます。
伊予ヶ岳の登山コース詳細 ~平群天神社コース~
伊予ヶ岳登山のメインルートは、麓にある平群天神社(へぐりてんじんじゃ)を起点とするコースです。登山口から山頂までの距離は約1キロメートル、所要時間は40分程度で登頂できます。天神郷から南峰、さらに北峰を往復して天神郷まで戻るルート全体のコースタイム目安は約2時間15分となっており、往復のショートコースとしては1時間半ほどで楽しむことも可能です。
コースは大きく前半と後半に分かれています。前半部分は登山初心者でも歩きやすい山道が続き、ハイキング気分で森の中を進んでいきます。木々の間から差し込む光を浴びながら、のんびりと歩くことができる区間です。後半部分になると様相が一変し、岩肌を鎖やロープを伝って登る鎖場が現れます。ここからが伊予ヶ岳の真骨頂であり、低山とは思えないスリルを味わうことができます。
伊予ヶ岳の鎖場について
伊予ヶ岳の最大の特徴は、山頂手前に待ち構える鎖場です。山の中腹にある休憩所の東屋から先は、少しスリルのある岩場が続きます。東屋のある場所は展望スポットとなっており、ここからは近隣の里の風景を一望することができます。鎖場に自信がない方や小さなお子さん連れの方は、この東屋までのハイキングを楽しむことをおすすめします。東屋からでも十分な眺望を楽しめます。
東屋から山頂へは、岩まじりの急斜面をロープ伝いに慎重に登る必要があります。足元がザレている(小石や砂利で滑りやすい状態になっている)箇所があるため、ロープで安全を確保しながら一歩一歩確実に登ることが大切です。展望台から約10分ほどで伊予ヶ岳の南峰に到着します。50メートルほどのロッククライミングさながらのルートが続き、高度感も抜群です。足場は豊富に用意されていますが、なかなかの斜度があります。
2025年の最新情報によると、「ロープから立派な鎖になっていて道も整備されていてスッキリ、様子がずいぶん変わっていました」という報告があり、登山道は定期的に整備されているようです。以前よりも安全に登れるようになっているとのことで、これから訪れる方にとっては心強い情報といえます。
登山道を整備されている方からは、「鎖場は登りのみ利用し、下りは危険だから鎖場はオススメ出来ない」というアドバイスが寄せられています。下りは別ルートを使うことが推奨されていますので、コース選びの際には参考にしてください。
山頂からの眺望
南峰の展望スポットでは360度のパノラマビューが広がります。近くの富山(とみさん)をはじめ、千葉県の最高峰である愛宕山が見え、晴れた日には富士山、箱根の山々、伊豆半島まで望むことができます。この絶景こそが、多くの登山者を惹きつける伊予ヶ岳最大の魅力です。
北峰は南峰から5分程度のところにあり、こちらからの景色も素晴らしいと評判です。山頂は南峰・北峰共に狭いですが、南峰にはベンチが設置されているため、腰を下ろして景色を堪能することができます。
登山口・平群天神社の見どころ
登山口となる平群天神社は、登山だけでなく歴史的な見どころも備えた神社です。南北朝時代に京都の北野天満宮を勧請(かんじょう)したものといわれ、広く信仰を集めてきました。祭神は学問の神様として知られる菅原道真公です。県指定文化財の「平群天神縁起絵巻」が保管されており、歴史的にも価値のある神社として知られています。登山の前後に参拝することで、安全祈願と共に歴史散策も楽しめます。
参道には樹齢1000年とも伝えられる御神木があります。「男木」と「女木」と呼ばれる2本のクスノキで、どちらも幹周り4メートル以上のみごとな大樹です。夫婦クスと呼ばれるこの大木は、訪れる人々に深い感動を与えており、伊予ヶ岳登山のもう一つの見どころとなっています。
登山口の平群天神社には十数台分の無料駐車場があり、トイレも設置されています。マイカーで訪れる場合はとても便利な環境が整っています。なお、山中にはトイレがないため、登山前に必ず済ませておくことをおすすめします。
伊予ヶ岳へのアクセス方法
車でのアクセス
車で訪れる場合は、富津館山道の鋸南富山インターチェンジを下り、県道184号線の立山・千倉方面へ直進します。岩井トンネルを過ぎた先の道の駅「富楽里とみやま」前の交差点を、県道89号線の鴨川方面へ左折します。平久里中の交差点につき当たったら左折し、すぐ先の左手に天神社の鳥居があるので左折すると、神社の右手に駐車場があります。
公共交通機関でのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、JR内房線岩井駅から南房総市営バス「トミー」に乗車し、天神郷バス停で下車します。ただし、午前中は2便しかないため、バスの時刻表を事前に確認することが大切です。バスがない時間帯にはタクシーを利用するとよいでしょう。天神郷への乗車には事前予約が必要な場合がありますので、事前に確認することをおすすめします。
東京からのアクセス
東京からはJR総武線快速から内房線に乗り換え、岩井駅まで約2時間半です。岩井駅から市営路線バス「トミー号」で天神郷まで約25分となります。都心から半日あれば十分にアクセスできる距離にあり、週末の日帰りハイキングにぴったりの立地といえます。
冬の伊予ヶ岳ハイキングにおける服装と持ち物
レイヤリング(重ね着)の基本
冬の低山を快適に楽しむには、適切な服装選びが重要です。ベースレイヤーで汗冷えを防ぎ、ミドルレイヤーで体を暖かく保ち、アウターレイヤーで風や雨から身を守るという3層の重ね着が基本となります。
ベースレイヤー(肌着)は肌をドライに保ちつつ、体を冷やさないためのウェアです。速乾性と保温性のバランスが良いものを選びましょう。積雪のない冬山であれば、極厚のベースレイヤーよりは薄手から中厚手程度がおすすめです。汗を吸収し拡散させてくれる「吸水速乾性」に優れた化学繊維(ポリエステルなど)が適しています。絶対に避けたいのは、乾きにくい「綿」素材です。綿は汗を吸うと乾きにくく、体温を奪ってしまいます。
ミドルレイヤー(中間着)としては、フリースとダウンジャケットがそれぞれ異なる特性を持っています。フリースは軽量で通気性が高く、汗をかいても乾きやすいため、行動中や体温が上がりやすい登りの最中に適しています。ダウンジャケットは圧倒的な保温力を誇り、軽量で持ち運びも簡単ですが、湿気に弱いので汗をかきやすい場面では不向きで、休憩中や特に寒さが厳しい場面に適しています。
アウターレイヤー(外着)は、雪のない低山ハイクならレインウェアを使用することができます。ウインドブレーカーとしても役立つので、晴れている日でも上下セットで必ず持参しましょう。汗や蒸れを逃してくれる防水透湿性に優れたウェアがおすすめです。
防寒小物として、手袋や帽子、ネックウォーマーは寒さを防ぐのに欠かせません。冷えが伝わりやすい頭や手、指先もしっかり保温することが大切です。
必携の持ち物
レインウェアはもちろん、休憩中の保温着や末端を冷やさないためのグローブなどの小物は必ず持参しましょう。温かい飲み物を入れる保温ボトルも冬の山に持って行きたいアイテムです。ヘッドライトをはじめ、保温系小物など、あると安心なアイテムも準備しましょう。途中に補給ポイントや自販機はありませんので、食料や飲み物は十分に持っていくことが大切です。
汗冷え対策の重要性
大量に汗をかく登山では、汗を素早く吸収拡散させて肌を常にドライに保ち、汗冷えを防ぐことが重要です。特に気温の低い冬は汗冷えによる低体温症のリスクが夏よりぐっと高くなります。気温が10度以下になると、低山でも油断できません。
冬でも行動中は思いのほか熱くなり汗をかきます。「暑いな」「寒いな」と思ったらすぐに脱いだり着重ねたりして、発汗や汗冷えを抑えましょう。こまめな温度調整が快適な登山の鍵です。
伊予ヶ岳登山の注意事項
装備について
標高336.3メートルと低い山ではありますが、急な斜面や鎖場があり、決して気軽に登れる山とは言えません。軽装ではなく、長袖長ズボンと山靴(トレッキングシューズ)の装備をおすすめします。特に岩の斜面やロープは濡れると滑りやすくなりますので、雨の日や雨上がりは避けた方が良いでしょう。
鎖場での注意
鎖場では3点支持(両手両足を使って登るのに、動かすところは片手または片足の1か所だけにする)で登ることが推奨されています。ロープに頼り切るのは危険です。また、過去には滑落による死亡事故も起きています。無理をせず、自分の体力と技術に合わせた行動を心がけてください。
装備や体力に自信がない方、小さいお子さま等は、山頂への登頂は避け、手前の休憩所(東屋)までのハイキングを楽しむことをおすすめします。東屋からも素晴らしい眺望を楽しむことができます。
伊予ヶ岳と富山の縦走コース
縦走の魅力
JR内房線岩井駅から内陸側に約7キロメートルの場所にある伊予ヶ岳との中間には、曲亭馬琴『南総里見八犬伝』ゆかりの富山(とみさん・標高349メートル)があります。そのため、伊予ヶ岳と富山の両山を一日で登る登山者も多いです。
縦走コースは「天神社(登山口)→伊予ヶ岳→富山→伏姫籠穴→岩井駅」のルートで、徒歩時間は約4時間30分です。実際には「山をつないで歩く」というより、二つの山を分けて登るイメージで、長閑な農道をまったりと歩く区間があります。
富山(とみさん)について
富山は2つの峰からなる双耳峰で、北峰が349.5メートル、南峰が342メートルです。周りを遮るものがないので360度のパノラマ絶景を楽しめます。「富山(とみさん)」という地名は、安房開拓の祖である天富命(あめのとみのみこと)に由来すると言われています。
富山は曲亭馬琴の伝奇小説『南総里見八犬伝』で一躍有名になった山です。作品中では「とやま」と呼ばれています。物語の発端部において、里見家の伏姫と犬の八房は富山に籠って暮らし、そこで伏姫が八房の気を受けて身籠ったとされています。また、物語の結末部では、隠居した八犬士がこの山に入り、仙人となったと語られています。
興味深いことに、曲亭馬琴自身は実は一度も当地を訪れたことがないという最大の謎を秘めています。『南総里見八犬伝』は全くの創作ですが、実在する土地の名や人物を話の中で用いているために、あたかも史実に基づいた伝承のような印象を与えています。
伏姫と八房が住んでいたとされる「伏姫籠窟」という洞穴と犬塚(八房の墓)が、中腹の奥沢林道沿いにあります。また、南峰と北峰の鞍部には「八犬士終焉の地」の木柱が立っています。フィクションから生み出された伝承地ではありますが、物語の世界に思いを馳せながら歩くのも、この山の楽しみ方の一つです。
縦走時の注意事項
富山への縦走のいくつかの周り道では、土砂が崩れたまま通行止めになっている箇所もあるため、事前に下調べをしてから行くことが推奨されています。最新の登山道情報を確認してから出発しましょう。
冬の南房総 周辺の見どころ
江月水仙ロード
伊予ヶ岳登山と合わせて訪れたいのが、鋸南町の江月水仙ロードです。冬になると水仙が咲き乱れる人気のハイキングコースで、例年12月中旬から1月末にかけてが見ごろとなります。約3キロメートルの道のりを歩くと片道30分から40分程かかりますが、すがすがしい気分を味わいながら散策することができます。
鋸南町は、越前、淡路とならぶ水仙の日本三大群生地として知られています。栽培の歴史は江戸時代にさかのぼるともいわれ、この地域に咲く水仙は、香りが豊かで高い背丈が特徴です。地蔵堂付近は富士山のビュースポットでもあり、空気が澄んでいると素晴らしい眺めが展開します。見ごろを迎える時期には毎年「水仙まつり」が開催され、期間中はロード沿いで地元の農産物や水仙の花の販売などが行われます。
鋸山
東京近郊で冬の低山登山に人気の鋸山も、伊予ヶ岳からのアクセスが良い山です。JR内房線・浜金谷駅を起点・終点にして車力道を登り、鋸山頂上へ向かうコースがあります。鋸山は冬でも雪の心配があまりなく気軽に訪れることができ、海の恵みを味わうことができて、さらに船旅で旅情を満喫できる、観光ハイキングに絶好な山です。
標高329メートルの鋸山の南斜面には日本寺があり、日本最大の磨崖仏(薬師瑠璃光如来)や百尺観音像、千五百羅漢像など、数多くの見どころが点在しています。山頂エリアの「地獄のぞき」では、房総半島や遠く富士山、三浦半島までの絶景が望めます。
下山後の楽しみ ~周辺の温泉・日帰り入浴~
南房総岩井温泉
下山後の楽しみといえば温泉です。南房総岩井温泉は、光あふれる南房総の波穏やかな岩井海岸に位置する温泉地です。富津館山道「鋸南富山IC」より車で約5分、JR「岩井駅」より徒歩約7分とアクセスが良く、ファミリーやグループ客に人気があります。周辺には複数の日帰り入浴施設があり、登山で疲れた体を癒すのに最適です。
主な日帰り入浴施設
グランビュー岩井は日帰り入浴もできるホテルで、登山帰りに立ち寄りやすい施設です。伏姫荘は岩婦温泉にあり、やすらぎを売る宿として知られています。少し足を延ばすと、館山市にある南総城山温泉「里見の湯」があります。天然温泉のほか「古茂口銘水」の内湯、珍しい岩床浴「稲村洞」も楽しめます。千倉温泉の千倉館やホテル南海荘なども南房総市のおすすめ日帰り温泉として紹介されています。
周辺の観光スポットとグルメ
観光施設
約30分から1時間圏内には「鋸山ロープウェー」や「鴨川シーワールド」、「南房パラダイス」や「マザー牧場」など観光施設が点在しています。夏場の海水浴シーズンはもちろん、近郊よりも一足早く春が訪れる早春の花のシーズンも賑わいます。年間通して楽しめるフィッシングなど海辺のアクティビティも満載です。特に夕日が沈む夕景は息をのむほどの美しさです。
南房総のグルメ
南房総は新鮮な海の幸が楽しめるエリアです。地元の漁港から買い付ける新鮮な地魚や房州海老、あわびなどをふんだんに使った料理が楽しめます。宿によっては、捕れたて海の幸と自家菜園の野菜たちを使ったこだわりの手作り料理が自慢のところもあります。登山後の食事も楽しみの一つです。
冬の伊予ヶ岳ハイキング モデルプラン
日帰りプラン(伊予ヶ岳のみ)
朝、東京からJR総武線快速と内房線を乗り継いで岩井駅へ向かいます。岩井駅から市営バス「トミー号」で天神郷へ移動し、平群天神社から登山開始です。約1時間で山頂に到着し、360度のパノラマビューを楽しんだ後、下山します。下山後は近くの道の駅「富楽里とみやま」で地元の農産物や海産物を購入したり、岩井温泉で日帰り入浴を楽しんだりできます。
日帰りプラン(伊予ヶ岳と富山の縦走)
健脚な方には、伊予ヶ岳と富山の両方を楽しむ縦走プランがおすすめです。天神社から伊予ヶ岳を登り、富山へ縦走、伏姫籠穴を経由して岩井駅へ戻るルートで約4時間30分です。二つの山からの絶景と、『南総里見八犬伝』ゆかりの地を巡る歴史ロマンを一日で楽しめる贅沢なコースです。
日帰りプラン(水仙ロードとの組み合わせ)
12月から1月に訪れるなら、鋸南町の江月水仙ロードと組み合わせるプランも魅力的です。伊予ヶ岳登山の後、車で移動して水仙の咲き誇る道を散策し、温泉で締めくくる充実した一日を過ごせます。冬の南房総ならではの花と山と温泉を満喫できるプランです。
登山者の体験談から見る伊予ヶ岳の実際
鎖場の難易度について
鎖場については、登山者によって感じ方が異なるようです。「山頂付近は、ほぼ垂直の鎖場が延々とあり、ビビりました。手が滑って、落ちたらしぬわ」という声がある一方で、「山頂直下の鎖場の登りが楽しかったです。絶壁感や高度感はあまりなかったし、ステップがしっかりあったのであまり怖さは感じなかった」という感想もあります。
2024年の登山レポートでは、「写真を撮る余裕なんてないくらい、険しいのです。特に最後の最後にでてきた横にスライドする鎖場は、足場は10センチくらいしかなく、足を交差するのもやっとで、とても怖かった」という詳細な体験談も報告されていました。
所要時間の実感
「わずか336.6メートルなのに険しい登山だったが、2時間で登って降りてこれるので散歩にはちょうど良い」という感想があり、低山ながらも充実した登山体験ができることがうかがえます。
季節ごとの印象
冬に登った方からは、「温暖な気候のため雪の心配はなく、空気が澄んでいる晴れた冬などは特にオススメ」という声があります。一方で、「夏期は猛暑のため避けた方が賢明」「岩の斜面やロープは濡れると滑りやすいので雨の日は避けたい」というアドバイスもあります。2025年2月に登った方は、「連続する鎖場、急登、眺望もよし!桜の広場は河津桜がたくさん植えられていて、咲き始めている枝もありました」「房総の早春はなかなかよかった」と、早春の魅力を伝えています。
伊予ヶ岳登山についてよくある疑問
登山初心者でも伊予ヶ岳に登れるかという疑問については、山頂までのコースには鎖場があるため、完全な初心者には難しい部分があります。ただし、中腹の東屋までは比較的歩きやすい道が続いており、ハイキング気分で楽しめます。鎖場に自信がない方は、東屋までの往復をおすすめします。東屋からも素晴らしい眺望を楽しむことができます。
子供連れで登れるかという点については、小さなお子さん連れの場合、山頂への登頂は避けた方が良いでしょう。東屋までであれば、お子さんと一緒にハイキングを楽しむことができます。中学生以上で体力があるお子さんであれば、保護者と一緒に鎖場に挑戦することも可能ですが、無理は禁物です。
所要時間については、登山口の平群天神社から山頂(南峰・北峰)を往復して約2時間15分が目安です。ゆっくり景色を楽しみながら歩いても、半日あれば十分に楽しめます。
冬でも登れるかという疑問には、冬こそがベストシーズンだとお答えできます。南房総は温暖な気候のため雪の心配はほとんどなく、空気が澄んで眺望も良好です。ただし、防寒対策はしっかりとしていきましょう。
雨の日の登山については、避けることをおすすめします。岩場やロープが濡れると非常に滑りやすくなり、危険です。天気の良い日を選んで登山してください。
駐車場の混雑状況については、平群天神社の駐車場は十数台分のスペースがあります。週末や祝日でも、よほどの好天日でなければ満車になることは少ないようです。ただし、繁忙期には早めの到着をおすすめします。
富山との縦走の難易度については、徒歩時間で約4時間30分です。二つの山を分けて登るイメージで、間には長閑な農道を歩く区間があります。健脚な方であれば日帰りで十分に楽しめますが、体力に自信のない方はどちらか一方の山だけを楽しむことをおすすめします。
まとめ ~房総のマッターホルンで冬の絶景を楽しもう~
伊予ヶ岳は、千葉県内で唯一「岳」の名を持つ山であり、「房総のマッターホルン」の異名にふさわしい岩峰が魅力の山です。標高336.3メートルと低山ながら、鎖場や岩場があり、初めての鎖場挑戦にも最適な山といえます。
冬の南房総は温暖で雪の心配がなく、空気が澄んで眺望も抜群です。まさにハイキングのベストシーズンといえます。登山口の平群天神社には樹齢1000年の夫婦クスがあり、歴史的な雰囲気も楽しめます。
近くには『南総里見八犬伝』ゆかりの富山があり、縦走も可能です。また、冬は水仙が咲き誇る江月水仙ロードや、鋸山なども合わせて訪れることで、南房総の冬の魅力を存分に味わうことができます。
下山後は岩井温泉で疲れを癒し、新鮮な海の幸を堪能する。そんな充実した冬のハイキングを、ぜひ伊予ヶ岳で体験してみてください。安全に十分注意しながら、房総のマッターホルンからの絶景をお楽しみください。
都心から約2時間半でアクセスできる南房総は、週末の日帰りハイキングにぴったりの場所です。伊予ヶ岳の鎖場で冒険心を満たし、富山で歴史ロマンに浸り、水仙ロードで季節の花を愛で、温泉で疲れを癒す。そんな贅沢な冬の一日を、ぜひ南房総で過ごしてみてはいかがでしょうか。
伊予ヶ岳は、登山初心者から経験者まで、それぞれのレベルに合わせた楽しみ方ができる山です。東屋までのハイキングでも十分な眺望を楽しめますし、鎖場に挑戦すれば達成感とスリルを味わえます。何度訪れても新しい発見がある、そんな魅力あふれる山が伊予ヶ岳です。冬晴れの日に、房総のマッターホルンであなたを待っている絶景を、ぜひその目で確かめてください。きっと忘れられない思い出になることでしょう。









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