大平山・鎌倉アルプス冬のハイキングコース完全ガイド|絶景と歴史の尾根歩き

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大平山・鎌倉アルプスの冬のハイキングコースは、都心から日帰りで気軽に楽しめる人気のルートです。鎌倉市の最高峰である大平山(標高159.4メートル)を経由する天園ハイキングコースは、全長約5キロメートル、所要時間は約2時間40分で、初心者や子連れファミリーにも適した難易度の低いコースとなっています。冬は空気が澄み渡り、富士山や相模湾の眺望が格別に美しくなるため、鎌倉アルプスを歩くなら冬こそベストシーズンといえます。

この記事では、大平山・鎌倉アルプスの冬のハイキングコースについて、ルートの詳細や見どころ、冬に適した服装と装備、アクセス方法、さらには下山後に立ち寄りたい周辺グルメ情報まで、冬の鎌倉アルプスハイキングに必要な情報を網羅的にお伝えします。冬の澄んだ空気の中で楽しむ尾根歩きと、古都鎌倉の歴史・文化に触れる充実した一日をぜひ計画してみてください。

目次

大平山・鎌倉アルプスとは

大平山は、神奈川県鎌倉市街の北東部に位置する標高159.4メートルの山です。三浦丘陵の北端部に属しており、鎌倉市の最高峰として知られています。この大平山を含む東西に伸びる尾根一帯が「鎌倉アルプス」と呼ばれており、正式名称は天園ハイキングコースです。

「鎌倉アルプス」という愛称は、低山ながらも本格的な山歩きの雰囲気が味わえることから名付けられました。全長約5キロメートル、最大標高差149メートルのコースで、休憩を含めず約2時間40分で歩くことができます。ハイキングコースの難易度は低く分類されており、標高差200メートル以下のため登山初心者や子連れファミリーにもおすすめです。

代表的なルートは、鎌倉五山最高位の建長寺からスタートし、尾根道をたどって花の寺として知られる瑞泉寺に下るコースです。3時間足らずの行程でありながら、富士山や相模湾を見渡す絶景、しっかりとした自然を満喫できる登山道、さらには鎌倉の街並みやショッピングも同時に楽しめるという、一石二鳥以上の魅力を持っています。

冬の鎌倉アルプスが持つハイキングコースとしての魅力

冬の鎌倉アルプスは、眺望と静けさを求めるハイカーにとってベストシーズンです。他の季節にはない特別な魅力がいくつもあります。

最大の魅力は、澄んだ空気がもたらす絶景です。冬は遠くまで見通せる日が多く、特に富士山の眺望は11月から2月頃がベストシーズンとされています。鎌倉は富士山に比較的近いため、冬の晴れた日には勝上献展望台や天園付近から雄大な富士山の姿をはっきりと望むことができます。時間帯としては、空気が澄んでいる午前中、もしくは夕日に照らされる夕方が特に美しいとされています。

2025年1月に訪れたハイカーのレポートでは、「低山とはいえ鎌倉市街の景色や横浜方面の景色が見事に見られる」「雲がないと富士山も見えるポイントがある」「秋の紅葉時期から春にかけては特に良い」と評されており、冬のハイキングの素晴らしさがうかがえます。

冬は紅葉シーズンや春のハイシーズンに比べてハイカーの数が比較的少なく、静かな山歩きを楽しめる点も大きな魅力です。鎌倉の自然をじっくりと味わいたい方にとっては、冬こそ最適な季節といえます。冬でも常緑樹の緑が美しく、シダ植物や苔なども観察できます。冬枯れの木々の間からは他の季節よりも遠くの景色が見渡せることが多いのも、この季節ならではの楽しみです。

さらに、年末年始には鎌倉各所で様々なイベントが開催されるため、ハイキング後に鶴岡八幡宮への初詣や鎌倉の街歩きを楽しむなど、冬ならではの鎌倉観光と組み合わせることもできます。

鎌倉アルプスの四季と冬の比較

鎌倉アルプスは「季節を問わず1年中楽しめるスーパー低山」と紹介されるほど、四季折々の魅力があります。

季節時期主な魅力注意点
3月〜5月桜・新緑、穏やかな気温ハイシーズンのため混雑
6月〜8月濃い緑の木々暑さ・虫・梅雨時の滑りやすさ
9月〜11月獅子舞の谷の紅葉混雑が激しい
12月〜2月澄んだ空気・富士山の眺望・静けさ日没が早い・防寒が必要

このように比較すると、冬は眺望の良さと静かな環境を兼ね備えた、ハイカーにとって理想的な季節であることがわかります。雪が積もることはほぼなく、年間を通じて最も安定したコンディションで歩けるのも冬の強みです。

天園ハイキングコースの詳細ルート(建長寺コース)

天園ハイキングコースにはいくつかのルートがありますが、最も人気があるのは建長寺から大平山を経て鎌倉宮方面へ下るルートです。各ポイントの見どころを含めて詳しくご紹介します。

北鎌倉駅から建長寺へ

JR横須賀線・湘南新宿ラインの北鎌倉駅がスタート地点です。東京駅から乗り換えなしで到達でき、アクセスは非常に良好です。駅の臨時改札口(円覚寺方面)を出て、線路を右に見ながらまっすぐ進み、鎌倉街道との交差を左へ進むと建長寺が見えてきます。北鎌倉駅から建長寺までは徒歩約15分です。

建長寺から半僧坊への石段を登る

建長寺に入るには拝観料(大人500円)が必要です。建長寺は鎌倉五山第一位の格式を持つ臨済宗の大寺院で、広大な境内には山門、仏殿、法堂などの重要な建造物が並びます。境内を奥へ進み、方丈を過ぎると半僧坊へ続く小径があります。ここから「半僧坊道」と呼ばれる参道に入り、約250段のきつい石段を登っていきます。

石段を上りきると突如現れるのが半僧坊大権現です。天狗の像が立ち並び、麓の建長寺のような禅寺とは異なる独特の雰囲気を醸し出しています。半僧坊では特別御朱印が人気で、季節限定のものも頒布されています。建長寺の入り口からここまで約20分の道のりです。

勝上献展望台で冬の富士山を望む

半僧坊からさらに石段を登ると勝上献(しょうじょうけん)展望台に到着します。ここは大変見晴らしの良い場所で、眼下には建長寺の大きな山門、仏殿、法堂といった建物が小さく見えます。晴れた日には富士山と相模湾を見下ろす景色を楽しめる、北鎌倉を代表する景勝地です。冬の晴れた日には特に遠くまで見渡すことができ、この展望台からの富士山の眺めは格別です。

十王岩のパワースポットと若宮大路の絶景

勝上献展望台から5分ほど進むと十王岩(じゅうおういわ)が現れます。如意輪観音、血盆菩薩、閻魔大王が岩に彫られたパワースポットです。古くは夜ごとに喚くような不気味な音を立てていたため「喚き十王」とも呼ばれていたという伝説が残っています。

冥界で亡者を裁く閻魔王らが刻まれていたと伝わりますが、現在では墓自体は崩壊し、十王のうち3体の像が辛うじて残るのみとなっています。岩の上からは正面に鶴岡八幡宮の参道である若宮大路が一直線に海まで延び、左右に広がる街並みを見渡すことができます。この「鎌倉十王岩の展望」は「かながわの景勝50選」に選ばれている素晴らしいビューポイントです。鶴岡八幡宮のちょうど真裏に位置するため、鶴岡八幡宮から海まで続く若宮大路がはっきりと見えるのが特徴です。

百八やぐらと朱垂木やぐらの歴史遺産

十王岩付近の分岐の右前方にある百八やぐらは、鎌倉で最大規模のやぐら群です。実際には180基ほどが確認されており、壁面や内部には仏像や梵字、五輪塔や宝篋印塔など、さまざまな装飾が施されています。鎌倉時代は町中での埋葬が禁止されたため、岩質が軟らかい山地を削って横穴墓が盛んに造られました。その歴史を今に伝える貴重な遺跡群です。

十王岩のすぐ先の細い枝道の先には朱垂木やぐらが潜んでいます。入り口の天井部分にかすかに赤い線が何本も並ぶ、木造建築の垂木を模したやぐらです。鎌倉の歴史と文化を感じさせる隠れた見どころのひとつとなっています。

大平山山頂は鎌倉市の最高峰

十王岩から約30分歩くと、ぱっと視界が開ける場所に出ます。ここが標高159.2メートルの大平山山頂で、鎌倉市内で最も標高が高い場所です。周囲に背の高い草木が多く、左手はすぐそばまで鎌倉カントリークラブのゴルフコースになっているため、山頂そのものからの景観は天園ハイキングコース内の他のビューポイントに比べるとやや控えめです。しかし、山頂は広々としており、お昼休憩を取るには最適なスポットとなっています。

天園(六国峠)の絶景ポイント

大平山山頂を越えて程なく天園に到着します。天園は別名「六国峠」とも呼ばれ、武蔵、相模、上総、下総、伊豆、駿河の六国が望めたことからその名がつきました。東郷平八郎が「天国の園に遊ぶよう」と形容したことが「天園」の名の由来とも言われています。天園峠の茶屋付近からの眺めは良く、天気が良いと相模湾が一望できます。

下山ルートの選択肢

天園の先で、ハイキングコースはいくつかのルートに分かれます。瑞泉寺に向かうルートでは、途中に鎌倉幕府滅亡時に敗走する幕府軍を法螺貝を吹きながら山へと導いたという伝説の貝吹地蔵がまつられています。紅葉の名所・獅子舞の谷を経て鎌倉宮に下るルートは、秋の紅葉シーズンに特に人気が高いコースです。横浜市金沢区の円海山方面へ続くルートは、さらに長い距離を歩きたい健脚者向けとなっています。

冬の鎌倉アルプスハイキングコースのコースタイム

建長寺ルートの合計歩行距離は約5.8キロメートル、合計所要時間は約2時間19分(休憩含まず)です。各区間の詳細は以下のとおりです。

区間距離所要時間
北鎌倉駅 → 建長寺入口1.0km約19分
建長寺入口 → 半僧坊0.8km約19分
半僧坊 → 十王岩0.3km約17分
十王岩 → 鷲峰山0.6km約15分
鷲峰山 → 大平山0.7km約20分
大平山 → 天園ハイキングコース入口1.2km約25分
天園ハイキングコース入口 → 瑞泉寺0.2km約7分
瑞泉寺 → 鎌倉宮1.0km約17分
鎌倉宮 → 大塔宮バス停0.2km約4分

冬は日没が早いため、余裕を持ったスケジュールで歩くことが大切です。写真撮影や休憩時間を含めると、全行程で3時間から4時間程度を見込んでおくと安心です。

冬の鎌倉アルプスに適した服装と装備

冬の鎌倉アルプスは標高が低いとはいえ、適切な服装と装備が快適なハイキングの鍵となります。ここでは、冬のハイキングコースを快適に歩くための服装選びのポイントをお伝えします。

レイヤリング(重ね着)で体温調節する方法

冬のトレッキングではレイヤリング(重ね着)が基本です。ベースレイヤー(肌着)には、保温性と速乾性を兼ね備えたメリノウールのロングスリーブTシャツや、化繊とウールの混合素材のものが適しています。汗をかいても冷えにくい素材を選ぶことが重要で、綿素材は汗を吸って乾きにくいため避けるべきです。

ミドルレイヤー(中間着)には、厚手のフリースやダウンジャケットが適しています。歩行中は体温が上がるため、脱ぎ着しやすいものを選ぶと体温調節がしやすくなります。アウターレイヤー(上着)には、防水透湿性があり保温性も高い厚手のレインジャケットを用意するのが望ましいです。冬の鎌倉は風が強い日もあるため、防風性のあるものが重宝します。

ボトムスは伸縮性と耐久性に優れたものがおすすめです。乾きにくいコットン製のパンツやジーンズはハイキングには不向きなので、トレッキングパンツやストレッチ素材のパンツを選びましょう。厚手のデニムは動きづらいため避けたほうが良いです。

冬の鎌倉アルプスに適したハイキングシューズの選び方

鎌倉アルプスは滑りやすい場所が多いため、ハイキングシューズが推奨されます。底の厚いスニーカーでも歩けなくはありませんが、岩場や粘土質の箇所ではグリップの良い登山靴のほうが安全です。特に獅子舞周辺は沢が流れていて足元がじめじめしていることが多いため、防水性のある靴を選ぶとよいでしょう。

防寒小物と冬のハイキングの持ち物

冬のハイキングでは、耳、手、首などを温める小物が重要です。手袋は必携アイテムで、岩場を歩く際に手をつくこともあるため丈夫なものが適しています。ネックウォーマーやニット帽も用意しておきましょう。保温性に優れたウールやフリース素材のニット帽がおすすめです。

持ち物としては、日帰り用のバックパック(容量10リットルから25リットル)を基本に、飲み物は500ミリリットルから1リットル程度を持参します。ハイキングコースに入ると飲み物の調達はできないため、十分な量を用意することが大切です。冬でも歩行中は汗をかくので、水分補給は欠かせません。行動食としてエネルギーバーやおにぎりなどを用意し、昼食は天園休憩所が不定休のため心配な方は持参するとよいでしょう。

スマートフォンは地図アプリやYAMAPなどの登山アプリが役立ちます。コース上は概ね電波が入ります。冬はバッテリーの消耗が早いため、モバイルバッテリーがあると安心です。そのほか、保険証・身分証、タオル、ビニール袋(ゴミ持ち帰り用)、常備薬・ティッシュペーパーは基本として携行します。冬は日が短いため念のためヘッドランプも持参し、急な天候変化に備えてレインカバーも用意しておくことをおすすめします。

鎌倉アルプスは普段着でも歩けるのか

天園ハイキングコースは本格的な登山着を着るほどの難易度ではありませんが、急な坂や岩場もあるため必ず動きやすい服装で臨むべきです。近場の低山を日帰りで歩く気軽なハイキングであれば、ユニクロやワークマンなどの手頃なブランドでも十分な機能性のウェアが揃います。ただし、冬場は汗冷えによる体調不良に注意が必要なため、綿100%の服は避け、速乾性のある素材を選ぶことが大切です。

獅子舞の谷と冬の鎌倉アルプス紅葉スポット

天園ハイキングコースの見どころのひとつが獅子舞(ししまい)の谷です。ハイキングコースの天園から獅子舞までの区間は、鎌倉屈指の紅葉の名所として知られています。

獅子舞は鎌倉北部の山合にある紅葉の名所で、見上げると燃えるような紅葉、足元にはイチョウの落ち葉が一面に敷き詰められ、山道を黄金色に彩ります。ハイキングコースの山奥に位置するため、鎌倉の中でも紅葉の穴場スポットとなっています。紅葉の見頃は例年11月下旬から12月上旬で、鎌倉は他の地域と比較すると紅葉が見頃を迎える時期が遅いのが特徴です。獅子舞は鶴岡八幡宮と比べても紅葉が1週間以上遅いとされており、12月上旬の冬の入り口にこそ最盛期を迎えるスポットです。

冬のハイキングでも、12月前半であれば紅葉の残りを楽しめる可能性があります。また、冬枯れの獅子舞の谷も独特の静寂と美しさがあり、それはそれで味わい深い風景です。

獅子舞へのアクセスは2つのルートがあります。鎌倉宮側から登るルートは、JR鎌倉駅からバスで大塔宮下車、徒歩40分です。永福寺跡の分れ道を二階堂方面(左手)へ進み、二階堂川の源流沿いに山道を20分ほど登ります。天園ハイキングコース側からは、峠の茶屋を瑞泉寺方面に少し行くと「獅子舞を経て鎌倉宮」と道標が出ている道を下り、15分ほどで到着します。獅子舞周辺は沢が流れているため足元がじめじめしていることが多く、しっかりした靴を履いていくことが大切です。

下山後に訪れたい瑞泉寺と鎌倉宮

花の寺・瑞泉寺の冬の見どころ

天園ハイキングコースの下山口のひとつとなっている瑞泉寺は、「花の寺」として知られる鎌倉の名刹です。夢窓疎石によって創建された庭園は国の名勝に指定されており、四季を通じて様々な花が咲き誇ります。冬には水仙や蝋梅が見頃を迎え、静かな境内に清らかな香りが漂います。

瑞泉寺がある谷戸は「紅葉谷(もみじがやつ)」と呼ばれ、鎌倉時代からある由緒正しい地名です。日本一紅葉が遅い場所としても知られています。

鎌倉宮で参拝してハイキングを締めくくる

ハイキングコースの終点近くにある鎌倉宮は、境内にモミジが多く植えられた紅葉の名所のひとつです。護良親王を祭神とする神社で、明治天皇の勅命によって創建された歴史ある社です。ハイキングの疲れを癒しながら、静かな境内で参拝するのもよいでしょう。

冬のハイキング後に楽しむ鎌倉アルプス周辺グルメ

ハイキング後のお楽しみといえばグルメです。天園ハイキングコースの下山後に立ち寄れるおすすめの飲食店をご紹介します。

ハイキングコース上にある天園休憩所では、温かい飲み物やおでんなどの軽食が楽しめます。ただし不定休のため、営業しているかどうかは当日次第です。なお、かつてあった「天園峠の茶屋」はすでに閉店しているので注意が必要です。

瑞泉寺から近い手打そば 鎌倉 宮前は、「鎌倉で一番おいしいお蕎麦屋さん」との口コミもある人気店です。ハイキング後の冷えた体に温かいそばが沁みます。鎌倉ハンバーグ 雪ノ茶屋は国産和牛のハンバーグが自慢の店で、肉のうまみがギュッと詰まったハンバーグと石窯で焼かれたパンの組み合わせが絶品と評判です。

瑞泉寺近くのフレンチカフェ セゾンでは、野菜たっぷりのワンプレートランチが人気です。ハイキング後にちょっとおしゃれなランチを楽しみたい方におすすめです。永福寺跡と瑞泉寺の門との中間あたりにあるもみじやは、こじんまりとした茶屋で、落ち着いた雰囲気の中でお団子やお茶を楽しめます。

天園ハイキングコースからは少し足を延ばすことになりますが、竹の寺として有名な報国寺内の茶室休耕庵では、見事な竹林を眺めながらお抹茶と落雁を楽しめます。ハイキングの締めくくりにふさわしい、鎌倉らしい体験ができるスポットです。

鎌倉宮からバスでJR鎌倉駅に出れば、小町通りや鶴岡八幡宮周辺のレストランやカフェも多数あります。しらす丼や鎌倉野菜のレストラン、古民家カフェなど、選択肢は豊富です。

大平山・鎌倉アルプスへのアクセス方法

電車での鎌倉アルプスへのアクセス

最寄り駅はJR横須賀線・湘南新宿ラインの北鎌倉駅です。東京駅からは横須賀線で乗り換えなしで約55分、新宿駅からは湘南新宿ラインで約1時間、横浜駅からは約25分で到着します。都心からのアクセスが非常に良好な点も、鎌倉アルプスが人気を集める理由のひとつです。

帰りは鎌倉宮からバスでJR鎌倉駅へ出ます。鎌倉駅から東京方面へは横須賀線で直通です。瑞泉寺方面から徒歩でJR鎌倉駅まで歩くことも可能で、その場合は約30分の道のりです。

車でのアクセスと駐車場の注意点

鎌倉市内は道路が狭く、特に週末やシーズンは渋滞が激しいため、公共交通機関の利用が推奨されます。車で行く場合は北鎌倉駅周辺のコインパーキングを利用することになりますが、台数は限られています。

冬の鎌倉アルプスおすすめモデルプラン

朝、北鎌倉駅に到着し、建長寺から天園ハイキングコースへ入ります。大平山を経由して天園へ進み、獅子舞の谷を経て鎌倉宮方面に下山します。周辺で昼食をとり、午後は鎌倉散策を楽しんでからJR鎌倉駅より帰路につくというのが定番の日帰りプランです。

冬の鎌倉アルプスハイキングの注意事項と安全情報

天園ハイキングコースの通行状況

2019年秋の台風で甚大な被害を受けた天園ハイキングコースは、2022年春に全面復旧しました。2026年1月にも複数のハイカーがYAMAPに登山記録を投稿しており、問題なくハイキングを楽しめる状況です。ただし、お出かけ前には鎌倉市観光協会の公式サイトで最新の通行状況を確認することをおすすめします。

なお、別のコースである「釈迦堂切通し(衣張山ハイキングコース)」は通行止めとなっており、通行再開は令和8年度を予定しています。天園ハイキングコースとは異なるので混同しないよう注意してください。

ハイキングコース上の注意点

ハイキングコースに入ると飲み物の調達はできないため、飲み物は十分に用意して臨みましょう。雨の日や雨が降った後は、滑りやすい岩場がさらに滑りやすくなるため特に注意が必要です。細い道で対向する人がいた場合は譲り合って進み、基本的には登り優先のマナーを守りましょう。

ハイキングコース上に「ナラ枯れ」の木が確認されています。ナラ枯れが発生した森林では猛毒性のカエンタケが発生することがあるため、きのこ類には手を触れないよう注意してください。

トイレ情報を事前に確認

建長寺にきれいなトイレがあります。ハイキングコースに入ると大平山山頂付近までトイレはなく、そのトイレもあまりきれいとは言えません。建長寺で必ずトイレを済ませてからコースに入ることを強くおすすめします。コースの出口にあたる瑞泉寺や鎌倉宮にもトイレがあります。

体力面での注意点

標高は低いですが、いきなり半僧坊までの約250段の階段を登ることになります。階段を上りきった後も終始岩場のアップダウンが続く、歩き応えのあるコースです。普段あまり運動をしていない方は、無理をせずゆっくりペースで歩くことが大切です。

冬特有の注意点と汗冷え対策

冬は日が短いため、遅くとも午前中にはスタートすることをおすすめします。午後3時を過ぎると山の中は急速に暗くなります。万が一に備えてヘッドランプを持参しましょう。

冬の低山では汗冷えが最大の敵です。歩行中は思った以上に体温が上がり汗をかきますが、休憩時に急速に体が冷えます。速乾性の高いベースレイヤーを着用し、こまめに脱ぎ着して体温調節を行うことが快適な冬のハイキングの秘訣です。気温は平地より数度低くなることもあるため、防寒着は必ず余分に持っていきましょう。特に風が強い日はウインドブレーカーが役立ちます。

建長寺の歴史と冬のハイキング前に楽しむ見どころ

天園ハイキングコースのスタート地点となる建長寺は、単なる通過点ではなく、それ自体が大きな見どころです。鎌倉五山第一位の寺格を持ち、臨済宗建長寺派の大本山として知られる日本初の本格的な禅寺です。

建長寺が位置する場所は、かつて「地獄谷」と呼ばれる罪人の処刑場でした。地獄に落ちた人々を救済する地蔵菩薩を本尊とする心平寺という仏堂が建っていたと伝えられています。1253年(建長5年)、鎌倉幕府第5代執権の北条時頼が、中国・宋から渡来した禅僧の蘭渓道隆を開山として招き、建長寺を創建しました。蘭渓道隆は中国宋時代の純粋で厳しい禅をそのまま日本に導入し、一時は1000人を超える修行僧がいたとされています。

見どころとしては、まず1255年に北条時頼が鋳造させた梵鐘があります。国宝に指定されており、その美しさは「関東第一」と称されています。三門から仏殿、法堂、方丈が一直線に連なる伽藍配置は中国の禅宗様式に基づいており、壮麗な景観を生み出しています。

三門と仏殿の間に立つ樹齢約750年のビャクシン(柏槇)は、蘭渓道隆が宋から持参した種を植えたものと伝わる巨木で、県の名木百選にも選ばれています。方丈の北側にある心字池を配した池泉庭園は国の名勝に指定されており、方丈の縁側から静かに眺めることができます。

ごぼうや大根、里芋などの根菜類をだし汁で煮込んだ「けんちん汁」は、建長寺の修行僧たちに供された精進料理が発祥とされています。「建長寺の汁」が「けんちん(建長)汁」として広まっていったという説が有名です。

建長寺では坐禅会も毎週金・土曜日に開催されており、参加費は無料(拝観料は必要)で予約不要です。写経体験も毎日受け付けています。ハイキング前に余裕があれば、禅の体験を通じてより深い鎌倉文化に触れることもできるでしょう。

冬の鎌倉アルプスハイキングと合わせて楽しむ観光スポット

天園ハイキングコースを歩いた後は、冬ならではの鎌倉観光を楽しむのもおすすめです。

冬の鎌倉は花の見どころが豊富です。瑞泉寺では12月中旬頃から水仙が見頃を迎え、黄梅や紅梅、白梅など様々な品種の梅も鑑賞できます。北鎌倉の明月院ではスイセン、梅、マンサク、ロウバイなどの冬の花が楽しめ、有名な「悟りの窓」から四季折々の自然を丸く切り取ったような情緒あふれる景色を楽しめます。長谷寺では1月に素心蝋梅(そしんろうばい)が見頃のピークを迎え、梅に似た黄色い花を咲かせます。

初詣シーズンには鶴岡八幡宮が賑わいます。境内にある「神苑ぼたん園」では約100品種1000株の牡丹が植えられており、冬に咲く「冬ぼたん」「正月ぼたん」は元日から2月下旬までが見頃です。学問の神様を祀る荏柄天神社は、受験シーズンの合格祈願スポットとしても人気が高い場所です。

冬の鎌倉には様々なイベントも行われています。1月10日には本覚寺での本えびす祈祷会、1月15日には鶴岡八幡宮での左義長神事、1月25日には荏柄天神社での初天神祭(筆供養)などが毎年開催されています。

由比ヶ浜海岸や稲村ヶ崎からの冬の夕日は格別に美しく、晴れた日には江の島や富士山を背景にした壮大な夕景を堪能できます。ハイキングで汗を流した後、海辺で夕日を眺めながら一日を締めくくるのも贅沢な時間の過ごし方です。

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