明神ヶ岳は、冬の箱根で富士山の絶景を楽しみたい方に最適な山です。箱根外輪山の一峰である明神ヶ岳は、標高1,169メートルの山頂から雪をまとった美しい富士山をはじめ、箱根の山々、大涌谷、相模湾など360度の大パノラマを一望できます。冬は空気が澄み、視界がクリアになるため、夏とは比べものにならない絶景が広がり、冬ハイキングの醍醐味を存分に味わえます。
本記事では、明神ヶ岳の冬ハイキングについて、山の基本情報から登山ルート、アクセス方法、必要な装備、注意点まで詳しく解説します。初心者から健脚者まで楽しめるコースバリエーション、下山後の温泉情報など、明神ヶ岳を訪れる際に知っておきたい情報を網羅しています。箱根外輪山の雄大な自然と富士山の絶景を求めて、この冬の登山計画にお役立てください。

明神ヶ岳とは何か
明神ヶ岳(みょうじんがたけ)は、神奈川県南足柄市と箱根町の境に位置する標高1,169メートルの山です。箱根山の古期外輪山の一峰に数えられ、富士箱根伊豆国立公園に指定されています。山容は台形のような穏やかな形をしており、箱根外輪山の中では金時山(標高1,212メートル)に次いで2番目に高い山として知られています。
山頂は広く開けており、ベンチやテーブルが設置されているため、ゆっくりと休憩しながら絶景を楽しむことができます。また、明神ヶ岳は「足柄三山」のひとつに数えられており、足柄三山とは明神ヶ岳、金時山、矢倉岳の3つの山を指します。どの山からも富士山の絶景が楽しめ、首都圏からのアクセスが良いため日帰り登山に最適なエリアとして人気を集めています。
明神ヶ岳の特徴として、ほぼ全山がカヤト(ススキ草原)に覆われている点が挙げられます。特に山頂の東側は高原の風情が感じられる美しい景観が広がっており、自然の雄大さを実感できる場所となっています。
箱根外輪山の成り立ちと地質的背景
箱根外輪山を理解するためには、箱根火山の歴史を知ることが重要です。箱根火山の活動は約40万年前に始まり、何度も噴火を繰り返して、約25万年前には古箱根火山と呼ばれる標高2,700メートルにも達する富士山型の成層火山が形成されました。
その後も噴火を繰り返し、約18万年前に空洞化した地下に山の中心部が陥没して大きなカルデラが誕生しました。このとき周りに取り残されたのが、塔ノ峰、明星ヶ岳、明神ヶ岳、丸岳、三国山、大観山、白銀山など標高1,000メートル前後の「古期外輪山」です。なお、金時山は外輪山の一峰のように見えますが、実際には古箱根火山の山腹から出た側火山という位置づけになります。
箱根山は現在もカルデラ火山として知られており、カルデラはおおよそ東西8キロメートル、南北12キロメートルの規模を持っています。2007年には「箱根火山」として日本の地質百選に選定され、2012年9月には箱根ジオパークとして日本ジオパーク認定を受けています。このような地質学的に貴重な環境の中でハイキングを楽しめることも、明神ヶ岳の大きな魅力といえます。
明神ヶ岳山頂からの富士山展望
明神ヶ岳の最大の魅力は、山頂からの展望の素晴らしさにあります。山頂から東を見れば、日本一の霊峰富士山がそびえ立ち、その手前には特徴的な三角形の形をした金時山がぴょこっと見えます。冬の晴れた日には、雪をかぶった富士山が青空に映え、息をのむような美しさが広がります。
金時山からは見ることができない角度から富士山を眺められるのも、明神ヶ岳の特徴です。金時山越しに望む富士山の姿は、まさに絶景といえます。この独特のアングルは明神ヶ岳ならではの魅力であり、多くの登山者が富士山の写真撮影を目的に訪れています。
南西方向には箱根の主峰である神山があり、その手前には有名な大涌谷が見えます。大涌谷の噴火口からは白い噴煙が湧き上がっており、火山活動を間近に感じることができます。芦ノ湖を背景にした箱根山の姿も美しく、箱根の自然の雄大さを実感できる眺望となっています。
東側には相模湾が広がり、小田原から江の島、遠くは三浦半島まで見渡すことができます。天候に恵まれれば、湘南の海岸線がキラキラと輝く様子を一望できます。この海の眺望は金時山からは得られないもので、明神ヶ岳ならではの魅力となっています。北東方向には丹沢山地の山々が連なる姿を望むことができ、冬の澄んだ空気の中では丹沢の稜線がくっきりと見え、山並みの美しさを堪能できます。
冬の低山ハイキングが持つ魅力
冬こそ低山ハイキングのベストシーズンといわれる理由は、空気の澄み方にあります。冬は空気中の水蒸気が少なく、視界がクリアになるため、遠くの山々や海岸線がはっきりと見えます。特に富士山は、雪をまとった姿がくっきりと浮かび上がり、夏とは比べものにならないほど美しく見えます。澄み切った冬晴れの空の下、雪化粧した秀麗な富士山や都心の街並みが見渡せるのは、冬の低山ハイキングならではの醍醐味です。
夏山シーズンと比べて登山者が少ないため、静かな山歩きを楽しむことができる点も冬の魅力です。混雑した山頂ではなく、ゆったりとした雰囲気の中で景色を楽しみたい人にとって、冬は最適な季節といえます。また、夏場の低山で悩まされる虫が冬にはほとんどいないため、虫刺されを気にすることなく快適に山歩きを楽しむことができます。
気温についても、夏の低山は暑すぎて体力を消耗しますが、冬は涼しく快適な気温の中で歩くことができます。汗をかきすぎることもなく、長時間の歩行でも疲れにくいという利点があります。
明神ヶ岳への主な登山ルートと所要時間
強羅駅からの定番コース
最も人気のある定番コースは、箱根登山鉄道の強羅駅を起点とするルートです。強羅駅から大文字焼きで有名な明星ヶ岳(標高924メートル)に登り、稜線を経て明神ヶ岳山頂に向かいます。このコースは短いながらも稜線の開けた展望を満喫でき、初心者にもおすすめできるルートとなっています。
コースタイムの目安として、宮城野橋バス停から明星ヶ岳登山口までが約10分、明星ヶ岳登山口から明星ヶ岳山頂までが約80分、明星ヶ岳山頂から明神ヶ岳山頂までが約95分となっています。下山は明神ヶ岳山頂から宮城野バス停まで約80分です。初心者の方には、強羅駅と山頂をピストンするコースがおすすめで、日帰りで登れるうえ下山後は箱根の観光や温泉を楽しむこともできます。
宮城野からのコース
宮城野を起点とするコースは、明星ヶ岳と明神ヶ岳を周回できるルートとして人気があります。宮城野バス停から登り始め、明星ヶ岳を経由して明神ヶ岳に向かい、再び宮城野に下山するルートです。合計距離は約9.1キロメートル、所要時間は3時間30分から5時間程度(休憩を除く)となっています。
宮城野バス停にはトイレがあり、近くにコンビニもあるため最終補給が可能です。下山後すぐに日帰り温泉を利用できる立地も魅力的で、登山と温泉を組み合わせた充実した日帰りプランを組むことができます。
金時登山口からのコース
金時登山口バス停を起点として、矢倉沢峠を経由して明神ヶ岳に向かうルートは、中級者向けのコースです。所要時間は平均約5時間ほどで、ハイキングではなくしっかりとした登山の装備と準備が必要となります。
コースタイムの目安として、金時登山口バス停から矢倉沢峠までが約40分、矢倉沢峠から火打石岳説明板までが約80分、火打石岳説明板から明神ヶ岳山頂までが約60分、明神ヶ岳山頂から宮城野方面分岐までが約40分、宮城野方面分岐から宮城野バス停までが約60分となっています。矢倉沢峠のあたりからは、両側が背の高いハコネダケ(箱根竹)に覆われた独特の雰囲気の道になり、草の間がくり抜かれたような感じの登山道がしばらく続きます。
大雄山最乗寺からのコース
南足柄市側からのアプローチとして、大雄山最乗寺(道了尊)を起点とするルートがあります。伊豆箱根鉄道大雄山線の大雄山駅から伊豆箱根バスで道了尊バス停まで約10分、そこから登山道に入ります。このコースは登坂角度がきつくないのですが、その分距離が長くなっています。
距離は約17.9キロメートル、累積標高差は登り約1,142メートル、下り約1,164メートルで、所要時間は約5時間程度です。人が少なく静かな登山が楽しめるため、混雑を避けたい人にはおすすめのルートとなっています。最乗寺は曹洞宗の修行道場で、天狗伝説があり地元では「道了さん」と通称されています。
金時山から明神ヶ岳への縦走コース
健脚向けのコースとして、金時山から明神ヶ岳への縦走があります。公時神社から金時山に登り、矢倉沢峠を経由して明神ヶ岳まで縦走し、宮城野バス停に下山するルートです。金時神社(公時神社)から金時山、明神ヶ岳を経て宮城野営業所バス停まで約12キロメートルとなっています。
歩きごたえはありますが、危険な場所はほとんどないので技術的には初心者でも問題ありません。ただし、10キロメートル以上のコースを歩き慣れていないと、体力的には厳しいかもしれません。コースタイムの目安として、公時神社から明神ヶ岳分岐までが約60分、明神ヶ岳分岐から金時山山頂までが約25分、金時山山頂から明神ヶ岳分岐までが約20分、明神ヶ岳分岐から矢倉沢峠までが約25分、矢倉沢峠から明神ヶ岳山頂までが約135分、明神ヶ岳山頂から宮城野バス停までが約75分となっています。
アクセス方法の詳細
電車とバスでのアクセス
強羅駅方面からは、箱根登山鉄道の強羅駅が最寄りとなります。小田急線で箱根湯本駅まで行き、箱根登山鉄道に乗り換えて強羅駅で下車します。宮城野方面からは、箱根湯本駅から箱根登山バス(桃源台行き)に乗車し、約20分から30分で宮城野バス停または宮城野橋バス停に到着します。
金時登山口方面からは、箱根湯本駅から箱根登山バスで約26分、「金時神社入口」バス停で下車し、徒歩約6分で公時神社に到着します。または、「仙石」バス停で下車し、徒歩約15分でもアクセスできます。仙石バス停の方が箱根湯本への便が多いので便利です。新宿駅と東京駅から金時山登山口まで高速バスも運行しています。
大雄山駅方面からは、小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線で約21分、大雄山駅で下車します。伊豆箱根バス道了尊行きで約10分、道了尊バス停で下車します。新松田駅からの場合は、箱根登山バス関本行きで約17分、関本で下車し、伊豆箱根バス道了尊行きで約10分、道了尊バス停で下車します。
車でのアクセス
小田原厚木道路箱根口インターチェンジから国道1号、138号を箱根方面へ約10キロメートルで宮城野エリアに到着します。ただし、登山者用の専用駐車場は限られているため、公共交通機関の利用が推奨されます。金時見晴パーキングを利用する場合は、そこから矢倉沢峠を経由して明神ヶ岳に向かうルートもあります。
冬の明神ヶ岳登山に必要な装備
チェーンスパイクと軽アイゼン
冬の明神ヶ岳では、登山道に積雪や凍結がある可能性があるため、チェーンスパイクまたは軽アイゼン(6本爪など)は必携です。特に日陰ではアイスバーンになることがあり、凍結した登山道での滑落を防ぐために必ず携行する必要があります。チェーンスパイクは冬の低山で少々の積雪および登山道の凍結時に有効です。雪の深さが不明であれば、軽アイゼンやアイゼンを持参することが賢明です。
登山靴と防寒着
防水性があり、足首をしっかりとサポートするトレッキングシューズまたは登山靴を使用します。冬は地面が凍結していることもあるため、滑りにくいソールのものを選ぶことが重要です。
標高約1,169メートルの山頂では、平地よりも気温が6度から7度低くなります。風が吹くとさらに体感温度は下がるため、十分な防寒対策が必要です。帽子はウールやフリースなど、耳まで隠れるタイプのものが適しています。グローブはニットのものを用意し、濡れに備えて替えのグローブを1組用意しておくことをおすすめします。防寒具として、化繊綿や薄手のダウンジャケットも必須アイテムとなります。
レインウェアとゲイター
低山の場合、歩いている途中に雪が降ってきても気温が高くてみぞれや雨になってしまうことが多くあります。そのため、アウターは雪を前提にした保温性の高い冬山用のものより、完全防水の雨具の方が使いやすいです。雪山ではロングタイプのゲイター(スパッツ)が必携装備となります。雪の侵入を防ぐのが一番の目的で、アイゼンを履いた場合のパンツの裾の保護にもなります。
服装の基本
冬の低山を楽しむ場合の服装は、無雪期の登山をベースに、寒さ対策をプラスアルファする形で考えます。基本となるベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーのレイヤリングを意識することが大切です。ベースレイヤーの上に薄手のフリース、そしてしっかりしたレインジャケットを合わせるのが基本となります。行動中は汗をかくため、調節しやすいレイヤリングが重要です。
その他の持ち物
水と行動食は必須です。日が短い冬はヘッドライトも必携となります。地図とコンパス(またはGPSアプリ)、救急キット、サングラス(雪の反射対策)、日焼け止め(冬でも紫外線は強い)、トレッキングポール(下山時に有効)なども持参することをおすすめします。
冬の登山における注意点
積雪と凍結への対策
冬の明神ヶ岳では、積雪や凍結の可能性があることを常に意識する必要があります。日当たりの悪い北斜面や樹林帯では、日中でも凍結していることがあり、特に階段や急斜面では注意が必要です。落ち葉に覆われ、見た目ではわかりにくい凍結があることもあるため、斜面では特に慎重に歩くことが求められます。
チェーンスパイクには限界があることも知っておく必要があります。森林限界以下の冬山で、急な上り坂が現れたら、後ろを振り返って数歩下ってみてください。このとき異常なほど怖さを感じて腰が引けてしまう場合、滑りそうでチェーンスパイクを信頼できない場合は、そこがチェーンスパイクで歩ける限界点です。無理をせずに引き返す勇気も大切です。
日照時間の短さへの対応
冬は日照時間が短いため、早めの出発と早めの下山を心がける必要があります。日が短い時期にはヘッドライトを使うことになりかねないため、余裕を持った計画を立てることが重要です。
天候の確認と登山届
冬の天気は変わりやすく、山頂付近と麓では気象状況が大きく異なることもあります。事前に天気予報を確認し、荒天が予想される場合は無理をしないことが大切です。安全のため、登山届を提出してから入山することをおすすめします。オンラインでも提出可能です。
体調管理
寒さで体が冷えると体力の消耗が激しくなります。こまめに水分と行動食を摂取し、体温を維持することを心がけてください。
明神ヶ岳周辺の自然景観
ハコネダケの群生
明神ヶ岳の登山道で目を引くのが、背の高いハコネダケ(箱根竹)です。ハコネダケは笹の仲間で、非常に独特の景観を作り出しています。矢倉沢峠を越えると、両側が背の高いハコネダケに覆われた道が続きます。草の間がくり抜かれたような感じの登山道がしばらく続き、周囲の竹がなくなってくると展望の良い稜線歩きになります。
カヤトの美しい草原
明神ヶ岳はほぼ全山がカヤトに覆われています。カヤトとはススキやカヤなどの草原のことで、特に山頂の東側は高原の風情が感じられる美しい景観です。秋には銀色に波打つ美しいカヤトを楽しむことができ、11月頃がベストシーズンといわれています。
黄金の笹道
明神ヶ岳周辺には笹が大規模に群生しており、山体の多くの部分が黄金色に輝いています。特に金時見晴パーキングからのコースの前半部分は笹の群生地を通る黄金の絶景コースです。さわやかな山の風が笹をゆらゆらと波打たせ、心地の良い音を奏でます。
山麓には山桜やヤマツツジが美しく咲き、4月から5月には箱根観光を兼ねて登るのがおすすめです。コース途中にはリンドウやススキが見られ、マユミの赤い実なども観察できます。
下山後に楽しめる宮城野温泉
明神ヶ岳登山後の最大の楽しみは温泉です。宮城野エリアには日帰り温泉施設があり、下山後すぐに温泉を楽しむことができます。
箱根町宮城野温泉会館は、箱根町営の日帰り温泉施設で、宮城野バス停すぐの場所にあります。宮城野に初めて湧出した温泉を利用しており、お湯は無色透明、無臭の塩化物・硫酸塩泉です。85畳の広々とした大広間は持ち込み自由の休憩室として使用されており、登山後にゆっくりと休憩できます。隣接してかなり広い無料駐車場があり、ここを基地に山歩きを楽しむ人も多くいます。アクセスは箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス桃源台行きで約20分、宮城野バス停下車すぐです。
宮城野には明星ヶ岳、明神ヶ岳の登山口があり、さまざまなハイキングコースをたどることができます。昭和40年に明神ヶ岳のふもとから温泉が湧出してからは、保養所や寮が増えてきました。最近は散策の後、温泉に浸かって日帰りという楽しみ方も増えています。宮城野は山歩きの基地として有名で、稜線ハイキングから降りてバスに乗る前に一風呂する場所として利用されています。
大平台駅から徒歩5分の場所にも日帰り温泉施設があり、広々とした浴室に大理石の浴槽があり、かけ流しの温泉が楽しめます。
明星ヶ岳との組み合わせハイキング
明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)は標高924メートルの山で、箱根外輪山の北東部、強羅や宮城野の北側に位置します。毎年8月16日に行われる「箱根強羅夏祭り大文字焼き」の「大」の字が山肌に描かれることから、「大文字山」とも呼ばれています。箱根大文字焼は毎年8月16日の夜に開催される箱根の夏の風物詩で、明星ヶ岳山腹に浮かび上がるオレンジ色の「大」の字と華やかな花火との競演が、訪れる観光客を魅了します。
明星ヶ岳から明神ヶ岳への稜線歩きは、箱根の自然を満喫しながらの山歩きが楽しめる人気のコースです。登山道はよく整備されており、登山口までの交通アクセスもわかりやすくなっています。所要時間の目安として、宮城野から明星ヶ岳までが約80分、明星ヶ岳から宮城野までが約60分、明星ヶ岳から明神ヶ岳までが約95分、明神ヶ岳から明星ヶ岳までが約90分となっています。
金時山と明神ヶ岳の比較
金時山(きんときやま)は標高1,212メートルの山で、箱根山の北西部に位置し、日本三百名山のひとつに数えられています。金太郎伝説が残る山として知られ、初心者に人気の登山スポットです。富士山眺望といえばこの山の名前が真っ先にあがります。大昔に存在した火山の大噴火によって作られた外輪山で、大迫力のカルデラや、勇ましくそびえる富士山を真正面から眺められる山頂は、天下の秀峰に恥じない美しさです。
冬の金時山は積雪や凍結の可能性があるため、軽アイゼンが必要になります。特に日陰はアイスバーンになることもあり、階段や急斜面では注意が必要です。金時山はどこから見てもそれとわかる鋭峰で、山頂周辺の登山道はどのコースから来ても岩場混じりの急峻な斜面が続きます。ロープ場やクサリ場もあるので、下山時には十分な注意が必要です。
金時山の山頂には金時茶屋と金太郎茶屋の2軒の茶屋があり、バイオトイレも設置されています。休日は大混雑する山なので、できれば平日に出かけることをおすすめします。金時神社登山口にはエヴァンゲリオンをモチーフにしたトイレがあることでも知られています。山頂から乙女口方面の登山道にはトイレがないため注意が必要です。
明神ヶ岳と金時山を比較すると、金時山は急峻な山容で山頂からの富士山眺望が有名ですが、明神ヶ岳は穏やかな山容で相模湾も見渡せる360度のパノラマが特徴です。どちらも冬の富士山展望に優れていますが、混雑を避けたい場合は明神ヶ岳がおすすめです。
レベル別おすすめ登山プラン
初心者向けプラン
宮城野往復コースは、宮城野をスタートし、明星ヶ岳から明神ヶ岳へと縦走し、再び宮城野へ戻るコースです。合計距離約9キロメートル、所要時間約4時間から5時間となっています。下山後は宮城野温泉で疲れを癒すことができます。
中級者向けプラン
金時登山口から宮城野へのコースは、金時登山口バス停からスタートし、矢倉沢峠を経由して明神ヶ岳に登り、宮城野バス停に下山するルートです。所要時間約5時間で、笹原の美しい稜線歩きを楽しめます。
健脚向けプラン
金時山から明神ヶ岳縦走は、公時神社から金時山に登り、矢倉沢峠を経由して明神ヶ岳まで縦走し、宮城野バス停に下山するコースです。距離約12キロメートル、所要時間約6時間から7時間となっています。金時山と明神ヶ岳の両方の山頂を踏める充実のコースです。
明神ヶ岳登山の難易度と体力の目安
明神ヶ岳の登山難易度は、体力面では5段階中2程度、技術面でも5段階中2程度、危険度は5段階中1程度とされています。明瞭な登山道が整備されており、通過に技術が求められる場所がないため、レインウェアや登山靴などの基本的な登山装備と体力があれば登ることができます。
登山初心者の方にもおすすめで、易しいルートが多いためグループでも実力差がつきにくく、楽しく登れる点もポイントです。ただし、「似たような小ピークが続くのである程度体力が必要」「整備された登山道で程よい傾斜がある」「標高差もそこそこあるので、運動不足の身体には筋肉痛必須」という点も考慮する必要があります。
また、ゆるやかな道に見えても細かなアップダウンがあり、想像以上に体力を使うこともあります。特に明神ヶ岳から金時山までの縦走となると、累積標高差約1,500メートル、距離は12.5キロメートルほどと、アップダウンの多いロングコースとなるため健脚向けです。
箱根の冬の気候と登山への影響
箱根の冬季(12月から2月)は、最も寒くなる季節です。12月の平均気温は箱根町で4.3度、1月は2.3度、2月は4.2度程度となっています。標高の高い場所では気温がマイナス5度以下になることもあり、山頂付近では非常に寒くなります。
1月から2月にかけて、箱根では積雪や路面の凍結が見られることがあります。箱根では例年12月から3月中旬にかけて雪が降ることがあり、登山道にも積雪があることを想定しておく必要があります。湿度の高い箱根では、水分の多い重い雪が降る場合が多くあります。そのため、冬の登山の際は完全防水のレインウェアを必ず携行することが重要です。
一方で、冬の箱根は澄んだ空気と静かな景色が楽しめるとっておきの季節でもあります。湯けむりが立ち上る温泉街、雪化粧した山々、冬だけの絶景など、この時期ならではの魅力があります。冬は普段よりも空気が澄んでいるので、天気が良ければ富士山が美しく望めます。
箱根のベストシーズンは一般的に春(3月から5月)と秋(9月から11月)とされていますが、12月から3月にかけても快晴の日が多く、ピークシーズンの混雑を避けながら雪景色の箱根を楽しめる良い時期です。
明神ヶ岳登山のおすすめ季節
年間を通じて登山が楽しまれている明神ヶ岳ですが、季節ごとに異なる魅力があります。
春(4月から5月)は、山麓に山桜やヤマツツジが美しく咲く季節です。箱根観光を兼ねて登るのに最適な時期といえます。気温も穏やかで歩きやすい環境が整っています。
夏は暑さで体力を消耗しやすいですが、早朝や夕方の時間帯を選べば涼しく歩くことができます。ただし、虫が多い季節でもあります。
秋(9月から11月)は、銀色に波打つ美しいカヤトを楽しめる季節です。特に11月頃がベストシーズンで、マユミの赤い実なども観察できます。紅葉と合わせて楽しむことができます。
冬(12月から2月)は、空気が澄んで富士山がもっとも美しく見える季節です。積雪や凍結に注意が必要ですが、冬装備を整えて登れば、夏とは比べものにならない絶景を楽しむことができます。登山者も少なく、静かな山歩きが楽しめます。
まとめ
明神ヶ岳は、冬の箱根外輪山ハイキングに最適な山です。標高1,169メートルの山頂からは、雪をまとった富士山をはじめ、箱根の山々、大涌谷、相模湾など360度の大パノラマを楽しむことができます。冬は空気が澄み、視界がクリアになるため、遠くの山々や海岸線がはっきりと見えます。雪化粧した美しい富士山を眺めながらの稜線歩きは、冬ならではの醍醐味です。
登山ルートは複数あり、初心者から健脚者まで、自分のレベルに合ったコースを選ぶことができます。強羅駅や宮城野からの定番コース、金時登山口からの中級者向けコース、大雄山最乗寺からのコース、金時山からの縦走コースなど、バリエーションも豊富です。
冬の登山では、チェーンスパイクまたは軽アイゼン、防寒着、ゲイターなどの装備が必要となります。積雪や凍結に注意し、早めの出発と早めの下山を心がけてください。下山後は宮城野温泉で疲れを癒すことができ、登山と温泉を組み合わせた充実した日帰りプランが楽しめます。
箱根外輪山の一峰として、火山活動によって形成された雄大な自然を体感できる明神ヶ岳。この冬、富士山の絶景を求めて、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。









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