上蒜山登山の往復コースタイムは4時間、家族なら8合目が目安

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上蒜山への登山は、蒜山高原の散策や観光と組み合わせることで、家族連れでも一日を通して楽しめる計画になります。ただし上蒜山そのものの登山コースは中級レベルとされ、往復のコースタイムは4時間前後、累積標高差は約770メートルにおよぶため、小さな子どもを連れて山頂まで行くのは決して気軽なハイキングとは言えません。この記事では、岡山県真庭市と鳥取県にまたがる蒜山三座のうち最高峰である上蒜山の登山コースの詳細と、本格登山が難しい家族のために蒜山高原で楽しめる代替コースを、2026年07月24日時点の情報をもとにまとめます。登山経験や子どもの体力に応じてどちらを選ぶべきか、判断材料になる情報を中心に紹介していきます。

目次

上蒜山の登山口へは蒜山インターチェンジから車で約15分

上蒜山の登山口までは、米子自動車道の蒜山インターチェンジから国道482号線、県道114号線を経由しておよそ15分です。塩釜方面へは蒜山インターチェンジから約10.5キロメートルとなっています。大阪や岡山方面からも中国自動車道経由で比較的スムーズに到達できるため、マイカーでのアクセスがもっとも現実的な選択肢になるでしょう。

登山口そのものはやや分かりにくいという声が、実際の登山記録にも多く見られます。一般的には旧・上蒜山スキー場跡の駐車場から登るルートが使われますが、標識が控えめなため、事前に地図アプリやGPSログをダウンロードしておくと安心です。家族連れの場合、道に迷って体力を余計に消耗すると子どもの機嫌にも直結するので、この準備は省かないほうがよいでしょう。

蒜山高原は標高500〜600メートル前後に広がる牧草地と、その奥に連なる蒜山三座の稜線が特徴的な景観を作り出しているエリアです。夏でも比較的涼しく過ごしやすい気候で、避暑地としても知られており、ジャージー牛の放牧や乳製品グルメ、キャンプ場、ワイナリー、ハーブガーデンなど、登山をしない日でも家族で一日過ごせる観光資源が集まっています。

上蒜山の往復コースはコースタイム4〜5時間、累積標高差770メートル

上蒜山への一般的な登山コースは、旧スキー場の登山口から山頂を目指す往復ルートです。歩行時間はおよそ4時間、歩行距離は8キロメートル前後、累積標高差は約770メートルとされています。登山ガイドサイトの難易度評価では「レベル38(中級)」に位置づけられており、里山ハイキングというよりは、ある程度の体力と登山経験を要するコースという位置づけになります。

コースの序盤は牧草地を抜けて樹林帯に入り、徐々に傾斜のある道へと変わっていきます。中盤以降は急な階段状の登りが続き、2合目あたりからは尾根歩きです。稜線に出ると視界が開け、ブナ林の緑を楽しみながら歩けますが、急斜面で足元が滑りやすい区間もあるため、トレッキングシューズなど滑りにくい靴での入山が推奨されます。

コースタイムの目安は、登り約2時間30分、下り約1時間30分から2時間程度です。休憩を含めると往復でおよそ4〜5時間の行程になります。以下に、上蒜山周辺の主なコースのコースタイムをまとめます。

コース往復コースタイムの目安特徴
上蒜山(旧スキー場登山口)約4〜5時間累積標高差770メートル、中級レベル
上蒜山〜中蒜山〜下蒜山縦走約5時間5分体力のある登山者向け
犬挟峠から三座通しの縦走約7時間25分岩場・雪渓を含む区間あり
犬挟峠〜下蒜山往復約3時間30分縦走前の足慣らしにも利用される

8合目から大山を望む展望が登山者の一番の楽しみ

8合目付近まで登ると視界が大きく開け、日本百名山のひとつである大山(だいせん)の姿を望むことができます。多くの登山者が「山頂よりも8合目からの展望のほうが良い」と口をそろえており、体力に余裕がない場合は8合目を到達目標に設定するという考え方も成り立ちます。山頂そのものは樹林に囲まれており、展望はやや限定的とされているためです。

上蒜山から中蒜山・下蒜山への縦走は経験者向け

体力に余裕があれば、上蒜山から中蒜山、さらに下蒜山へと縦走するルートも存在します。標準コースタイムは5時間5分、犬挟峠から三座を経由するロングコースになると5時間40分程度かかり、技術的難易度も上がります。岩場や場合によっては雪渓を通過する区間も含まれるため、縦走は経験者向けと考えたほうがよいでしょう。

塩釜ルートは冷泉が近いが本格的な登山道

上蒜山や中蒜山へのアクセスルートとしては、塩釜冷泉方面から入山するコースも知られています。塩釜登山口(塩釜ロッジ付近)から中蒜山、上蒜山へと縦走し、再び塩釜へ戻ってくるコースは、山と溪谷オンラインやYAMAPの活動記録にも多数残されています。

塩釜冷泉は蒜山高原内にある湧き水スポットで、キャンプ場から少し歩いた場所にあり、水汲み場としても利用されています。登山口周辺の駐車場は舗装されたものと、登山者用の未舗装のものがあり、国道482号から県道114号、422号を経由してアクセスします。塩釜レストラン隣接の舗装駐車場付近には駐停車禁止の区間もあるため、案内表示をよく確認してから駐車してください。

塩釜ルートは冷泉という涼しい水場が近くにあることから、休憩ポイントとしても魅力的です。ただしこちらも本格的な登山道であることに変わりはなく、家族で軽く歩くというよりは、登山を目的とした行程として計画する必要があります。

家族連れは8合目を目標にすると無理のない行程になる

上蒜山本体の登山コースは難易度レベル38〜40(中級)とされており、往復で4時間前後、累積標高差770メートルという行程は、小さな子どもを連れてのハイキングとしてはハードルが高めです。急な階段状の登りや足場の悪い斜面も含まれるため、未就学児や小学校低学年の子どもを連れての本格的な山頂アタックは、体力面と安全面の両方から慎重に検討したほうがよいでしょう。

無理に山頂を目指さず、8合目までを目標にすると、家族登山としての満足度は上がります。8合目からは大山を望む展望が開けており、山頂まで行かなくても登った達成感と絶景の両方を得られるポイントです。子どもの体力や当日の天候、体調を見ながら途中で引き返す判断ができるよう、時間に余裕を持った計画にしておきましょう。

装備は滑りにくいトレッキングシューズと防寒着が必須

滑りにくいソールのトレッキングシューズ、レインウェア、着替え、十分な飲料水と行動食、虫よけなど、標高が上がるにつれて天候が変わりやすい山岳エリアならではの備えが欠かせません。特に蒜山エリアは高原特有の風が吹き抜けるため、夏場でも稜線に出ると体感温度が下がることがあり、薄手の防寒着を一枚持っておくと安心です。

出発は午前中の早い時間、コースタイムの1.2〜1.5倍を見込む

往復4〜5時間かかる行程であることを踏まえ、午前中の早い時間に出発し、午後の天候悪化を避けられるように計画しましょう。子ども連れの場合は大人だけの登山よりも休憩を多く挟む必要があるため、コースタイムに対して1.2〜1.5倍程度の余裕を見込んでおくことをおすすめします。

登山が難しい日は蒜山高原の代替コースでジャージー牛と触れ合える

小さな子どもがいる家庭や、本格的な登山までは考えていない家族には、蒜山高原そのものを舞台にした平坦な散策コースや観光施設の利用がおすすめです。上蒜山登山と組み合わせて、前日または翌日に高原エリアでゆったり過ごすプランを立てる家族も多く見られます。

代表的なのが「蒜山ジャージーランド」です。放牧されているジャージー牛と間近で触れ合うことができ、期間限定の乳搾り体験や、ジャージー牛乳を使ったヨーグルト、ソフトクリーム、乳製品を使った料理を提供するレストランなどがあります。蒜山高原一帯には子ども向けの遊具エリアやドッグラン、屋外ピアノなどが設置された広場もあり、大自然の中で体を動かせる環境が整っています。蒜山ワイナリーやハーブガーデンといった、大人がゆったり楽しめるスポットも点在しており、家族それぞれの過ごし方に合わせて滞在プランを組み立てられるのが蒜山高原の魅力です。

キャンプ場は標高約600メートル、88区画のオートキャンプサイト

蒜山高原のキャンプエリアは標高約600メートル地点に位置し、夏でも涼しく過ごせる環境で、芝生の上に88区画のオートキャンプサイトが整備されています。登山とキャンプを組み合わせることで、朝は涼しいうちに上蒜山方面へ向かい、午後はキャンプ場でゆっくり過ごすといった、体力配分を意識したプランを組むこともできます。塩釜冷泉周辺にもキャンピングヴィレッジなどの施設があり、湧き水で涼を取りながら過ごすのもこの時期ならではの楽しみ方です。

ベストシーズンは初夏から秋、紅葉期は防寒対策を厚めに

蒜山エリアは標高が高いため、平地に比べて気温が低めに推移します。登山を計画する場合、残雪の心配が少なく日照時間も長い初夏から秋にかけてがもっとも歩きやすい時期とされています。真夏でも高原エリアは涼しく感じられることが多いですが、稜線に出ると直射日光を遮るものが少なくなるため、帽子や日焼け止め、こまめな水分補給が欠かせません。

紅葉の時期には、ブナ林が色づき、稜線からの眺めが一段と美しくなるとされています。ただし気温がぐっと下がる時期でもあるため、防寒対策を厚めにしておく必要があります。積雪期は本格的な冬山装備と経験が必要になるため、家族登山としてはシーズンを外すのが賢明です。

服装については、レイヤリング(重ね着)を基本に、汗をかいても体を冷やさない速乾性のインナー、防風・防水性のあるアウター、動きやすいパンツ、そして滑りにくいソールの登山靴を用意しましょう。子どもの分も含めて、大人用より一回り余裕を持ったサイズ感の靴を選ぶと、長時間の歩行でも足への負担を減らせます。

装備チェックリストは登山用と高原散策用で分けて考える

家族で上蒜山や蒜山高原を歩く際に準備しておきたい持ち物は、トレッキングシューズまたは滑りにくい運動靴、上下セパレートタイプのレインウェア、フリースや薄手のダウンなどの防寒着、大人・子ども分それぞれ多めの飲料水、塩分や糖分を補給できる行動食、帽子と日焼け止めと虫よけスプレー、絆創膏や消毒液を含む救急セット、事前ダウンロード推奨の地図またはGPSアプリ、下山後の汗冷え対策になるタオルと着替え、コースタイム超過に備えたヘッドライトです。

これらは本格登山を想定した装備ですが、高原の散策のみを予定している場合でも、飲料水や日よけ対策、羽織るものは季節を問わず用意しておくと安心です。登山記録では急な階段状の登りや、ブナ林の中の滑りやすい斜面についての言及が多く見られます。天候の急変に備えて出発は早朝からとし、稜線に出るタイミングでは空模様を確認する習慣をつけましょう。大人だけの登山記録に記載されているコースタイムをそのまま参考にすると、家族登山では大幅にオーバーしてしまう可能性があります。休憩ポイントをあらかじめ決めておき、無理に予定通り進めようとしないことが大切です。上蒜山周辺は日没後の下山が危険を伴うため、遅くとも日没の2時間前には下山を完了できるよう、朝の出発時刻や休憩時間を調整してください。

上蒜山登山口にトイレはあるが登山道に水場はない

上蒜山登山口の駐車場には無料で利用できるトイレが設置されていますが、登山道に入ってからはトイレがないとされているため、出発前に必ず済ませておく必要があります。同様に、登山口駐車場や登山道中にも水場はないとされているため、飲料水は必要量をすべて事前に用意しておかなければなりません。子ども連れの場合は大人よりも多めの水を持参し、こまめに休憩を取りながら給水するようにしましょう。

縦走路の途中には中蒜山避難小屋があり、緊急時の雨宿りなどに利用できますが、宿泊を前提とした設備ではないため、あくまで非常時の避難場所と考えておくのが適切です。携帯電話の電波については、上蒜山登山口や下蒜山登山口の駐車場ではドコモの電波が入るとされ、中蒜山避難小屋付近でも電波が入ったという報告があります。登山者の活動記録を見ると、稜線歩きが多く蒜山高原にも近いコースのため比較的電波が入りやすいと紹介されていますが、樹林帯やキャリアによっては圏外になる区間もあり得るため、過信は禁物です。モバイルバッテリーや予備の連絡手段を用意しておくと安心でしょう。

蒜山エリアはツキノワグマの生息域、クマ鈴の携行が必須

蒜山エリアはツキノワグマの生息域と重なっており、周辺自治体では実際にクマの目撃・出没情報が継続的に報告されています。登山を計画する際は、出発前に最新のクマ出没情報を確認しておくことが欠かせません。特に家族連れの場合、子どもの声や動きが単独の大人よりも予測しにくいため、クマ鈴やラジオなど音の出るものを携行し、こちらの存在を早めに知らせる工夫が有効とされています。

見通しの良いルートを選ぶこと、なるべく複数人・複数家族でグループを作って行動すること、早朝・薄暮時の単独行動を避けることも、一般的に推奨されている対策です。出発前には家族や宿泊施設に登山ルートと下山予定時刻を伝えておき、可能であれば登山ポストに登山届を提出しておくといった基本的な備えも徹底しましょう。

犬挟峠からの縦走はコースタイム7時間超、家族向けではない

蒜山三座を縦走する場合、鳥取・岡山県境にある犬挟峠(いぬばさりとうげ)を起点とするルートもよく利用されています。犬挟峠の登山口周辺には東屋や休憩スペース、トイレ、自動販売機なども整備されており、縦走前後の準備を整えやすい環境です。

犬挟峠から下蒜山を目指す場合、五合目あたりまでは急な登りが続き、危険箇所には鎖やロープが設置されています。道標や踏み跡は明瞭とされていますが、急傾斜であることに変わりはなく、家族連れがいきなり縦走に挑戦するのはおすすめできません。犬挟峠から下蒜山までの往復は約3時間30分、下蒜山から中蒜山までを含めた往復では7時間28分程度とされ、下蒜山登山口から上蒜山登山口まで三座を通しで歩く場合は7時間25分程度を要するという記録もあります。日帰りとはいえかなりの長丁場になるため、縦走を計画する場合は十分な体力と経験、そして早朝出発が前提です。

家族登山としては、犬挟峠や塩釜、上蒜山登山口といった複数の起点があることを利用し、まずは三座のうちどれか一座、あるいは8合目までの往復から始めて、山の雰囲気やコースタイムの感覚を家族全員でつかんでおくのがおすすめです。縦走はその先のステップとして、子どもの成長や体力の伸びに合わせて検討するとよいでしょう。

休暇村蒜山高原の天然温泉が登山後の疲労回復に役立つ

登山と組み合わせて宿泊を計画する場合、蒜山高原には家族連れに適した宿泊施設が複数あります。代表的なのが「休暇村蒜山高原」で、天然温泉「高原の湯」を備えた公共の宿として知られています。登山で疲れた体を温泉で癒やせることは、特に子どもを連れた登山の後には大きな価値があるでしょう。休暇村にはキャンプ場をはじめとする各種レクリエーション施設も併設されており、宿泊とアウトドア体験の両方を一つの拠点で完結できるのが魅力です。

蒜山高原キャンプ場は、電源付きオートキャンプサイト、電源なしオートキャンプサイト、ロッジ型テント、持ち込みテント用の区画サイトなど、家族構成やキャンプ経験に応じて選べるサイトタイプが用意されています。キャンプセンター内には売店、有料の温水コインシャワー、コインランドリーがあり、長期滞在や小さな子ども連れでも設備面で困りにくい作りです。場内にはテニスコートやグラウンドゴルフ場もあり、登山をしない日でも体を動かして楽しめます。天然ラドン温泉も追加料金で利用できるため、キャンプをしながら温浴施設で疲れを癒やすことも可能です。キャンプ場の営業期間はおおむね4月中旬から11月中旬までとされており、雪のない時期に合わせて計画するとよいでしょう。

1泊2日なら初日に高原観光、2日目早朝に登山がおすすめ

上蒜山登山と蒜山高原観光を組み合わせた、家族向けの1泊2日モデルプランの一例を紹介します。あくまで一例であり、子どもの年齢や体力、当日の天候によって柔軟に調整してください。

1日目は、午前中に蒜山高原へ到着し、まずは蒜山ジャージーランドでジャージー牛とのふれあいや乳製品グルメを楽しみます。昼食後は高原内の遊具エリアや芝生広場で体を動かし、午後の早い時間にキャンプ場または休暇村にチェックインして設営や荷ほどきを済ませます。夕方以降は温泉でゆっくり過ごし、翌日の登山に備えて早めに休みましょう。

2日目は、朝の涼しいうちに上蒜山の登山口へ移動し、早朝から登山を開始します。子ども連れの場合は8合目を目標に設定し、大山の眺望を楽しんだ時点で無理をせず下山を判断します。体力に余裕があり天候も安定していれば山頂まで足を延ばすという選択肢も残しつつ、安全第一で行程を組み立てましょう。下山後は再び温泉やシャワーで汗を流し、塩釜冷泉で涼を取ったり、蒜山ワイナリーやハーブガーデンに立ち寄ったりしてから帰路につく、という流れが一つのモデルケースになります。

蒜山三座は下蒜山が最も歩きやすく初心者向け

蒜山三座は西から下蒜山、中蒜山、上蒜山と並んでおり、それぞれに特徴があります。下蒜山は比較的なだらかな稜線歩きが楽しめ、初心者でも挑戦しやすいコースとして紹介されることが多い山です。中蒜山は緑の笹原が広がる山頂が特徴で、下蒜山と上蒜山を結ぶ縦走路の中間地点としても利用されます。そして上蒜山は三座の中でもっとも標高が高く、往復のみでも4時間前後を要する、体力を要するコースです。

家族での登山を検討する際、初めての蒜山であれば、まずは下蒜山からの日帰りコースで山歩きの感覚をつかみ、経験を積んだうえで上蒜山や縦走コースに挑戦するというステップアップの考え方もひとつの選択肢になります。

公共交通機関は岡山駅からJR・バス乗り継ぎで約3時間

マイカーを使わずに蒜山エリアへアクセスしたい家族もいるでしょう。公共交通機関を利用する場合、岡山駅からJR伯備線に乗車して新見駅でJR姫新線に乗り換え、中国勝山駅で下車するルートがまず考えられます。中国勝山駅からは、真庭市が運行するコミュニティバス「まにわくん」の蒜山・久世ルートを利用し、蒜山高原(休暇村前)方面へ向かうことができます。まにわくんのバス停は蒜山高原(休暇村前)、湯船口、蒜山高原センター前など複数箇所に設けられており、宿泊先や登山口の位置に応じてバス停を選べます。

岡山駅から蒜山高原スポーツ公園前まで直通の路線バスを利用する方法もありますが、所要時間はおよそ3時間程度です。公共交通機関のみで登山口まで移動する場合、便数が限られることも多いため、事前に時刻表を確認し、前泊を組み込んだ余裕のある行程にすることをおすすめします。下蒜山側の登山口である犬挟峠へは、バス停からタクシーを利用する方法も紹介されています。

小さな子どもを連れる場合、車移動に比べてバス移動は身動きが取りやすい反面、乗り換えの待ち時間や移動時間が長くなりがちです。公共交通機関を利用する場合は、移動日と登山日を分けた1泊2日以上のゆったりしたプランを検討するとよいでしょう。

ひるぜん焼きそばなど高原グルメも登山後の楽しみに

登山や高原散策の合間に立ち寄りたいグルメ・観光スポットも豊富にあります。蒜山高原を代表するご当地グルメが「ひるぜん焼きそば」です。自家製の味噌だれでかしわ肉(親鶏の肉)とキャベツなどを炒めて仕上げる、地元で長年親しまれてきた一品で、下山後の食事や道中の休憩で味わいたいメニューのひとつになります。

「道の駅 風の家」では蒜山大根をはじめとした地元産の野菜や特産品を購入でき、お土産探しにも便利なスポットです。ひるぜんジャージーランドで味わえるジャージー牛乳を使ったソフトクリームやヨーグルトのほか、ひるぜんワイナリーでは蒜山高原で育った山ぶどうを使用したワインやジュース、ジャムなどが製造・販売されており、大人向けのお土産としても人気があります。蒜山ハーブガーデン「ハービル」では、ラベンダーをはじめとする四季折々のハーブや植物を鑑賞でき、写真映えするスポットとしても知られています。これらの施設は上蒜山登山口や塩釜、休暇村蒜山高原からもアクセスしやすい範囲に点在しているため、登山前後の時間や登山をしない日のドライブ観光として組み込みやすいのも蒜山高原の大きな魅力です。

上蒜山登山と蒜山高原観光の組み合わせが家族には現実的な選択

上蒜山は蒜山三座の最高峰であり、8合目からの大山の眺望や、ブナ林の緑を楽しめる魅力的な山です。ですが往復4時間・累積標高差770メートルという行程は、家族連れ、特に小さな子どもを連れての登山としては相応の準備と体力が必要になるコースといえます。ブログや旅行情報サイトの中には「家族で気軽に」というイメージで紹介されるケースもありますが、実際の登山記録を確認する限り、急な階段状の登りや滑りやすい斜面、往復4時間以上という行程は、気軽なハイキングとは言えません。

家族で訪れる場合は、無理に山頂を目指さず8合目を目標にする、早朝出発でスケジュールに余裕を持たせる、装備をしっかり整えるといった工夫をすることで、安全性を高めながら蒜山ならではの自然を楽しめます。子ども自身の体力・経験・意欲を最優先に考え、無理のない範囲で計画することが、結果として一番良い思い出につながります。

本格的な登山までは考えていない家族には、蒜山ジャージーランドでの牛とのふれあいや乳製品グルメ、キャンプ場での自然体験、蒜山高原の広場でのびのび過ごす時間など、高原そのものを楽しむプランも充実しています。登山ができる日には8合目までのチャレンジを、そうでない日には高原でのんびり過ごす時間を、それぞれ家族の状況に合わせて選び取るとよいでしょう。事前に登山口の場所、コースタイム、トイレや水場の有無、クマ出没情報、当日の天気予報までひと通り確認しておけば、当日の判断材料が増え、無理のない決断がしやすくなります。準備を丁寧に行うことが、家族での上蒜山・蒜山高原の旅を安全で思い出深いものにする一番の近道です。

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