荒川岳の登山ルートは椹島発着、南アルプスをテント泊で縦走する方法

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南アルプスの荒川岳は、悪沢岳・中岳・前岳という3つの3000メートル峰が稜線で連なる山で、日本百名山にも選ばれています。最高峰の悪沢岳は標高3141メートルで、日本で6番目に高い山です。テント泊での縦走先としては、静岡県側の椹島を起点に千枚岳から悪沢岳、中岳、前岳を経て赤石岳まで足を延ばす周回ルートが最も歩かれており、氷河期由来のカール地形と南アルプス最大級のお花畑を同時に楽しめる点が支持されています。標高が高く行動時間も長いぶん、装備準備や日程の余裕がものを言う山でもあります。代表的な縦走ルートやコースタイム、山小屋とテント場の情報、必要な装備、アクセス方法、費用の目安まで、実際に計画を立てるときに必要な情報をまとめました。

目次

荒川岳は南アルプス中央部にそびえる3000メートル峰3座の総称

荒川岳という呼び方は正式には「荒川三山」を指し、最高峰の悪沢岳(東岳、標高3141メートル)、中岳(標高3083.7メートル)、前岳(標高3068メートル)という3つの3000メートル峰が稜線でつながった山域です。日本百名山を選んだ深田久弥が実際に選定した名前は「荒川岳」ではなく「悪沢岳」でした。悪沢岳という名前は、大井川西俣の支流である悪沢の源頭にあることに由来し、地元の猟師がそう呼んだことが定着したと伝えられています。一方の「荒川」は、荒川前岳が小渋川支流の荒川の源頭にあたることに由来します。現在も地図や標識には「悪沢岳(荒川東岳)」のように両方の名前が並記されることが多く、どちらの呼び名を優先すべきかは登山者の間でいまも話題になります。

カール地形と南アルプス最大級のお花畑が荒川岳最大の魅力

荒川岳を歩く一番の見どころは、氷河期の名残であるカール地形です。悪沢岳の東斜面や中岳の南東斜面には、日本最南端とされるカール地形が広がり、底部には氷河が運んだ堆積物であるモレーンも確認できます。最終氷期の氷河によって削られた地形で、現在の姿になったのは晩氷期にあたる約1万1000年前ごろとされています。これほど南でカール地形が残っているのは珍しく、地形好きにとっても見逃せない場所です。

このカール地形の中腹から底部にかけては、大規模な高山植物のお花畑が広がっています。特に前岳の東南斜面のお花畑は南アルプスでも最大級で、単一種が一面を覆う北アルプス式のお花畑とは違い、シナノキンバイやハクサンイチゲなど十数種類以上の花が一つの区画に混在して咲きます。見頃は7月中旬から8月にかけてで、特別天然記念物のライチョウが稜線で親子連れの姿を見せることもあります。

荒川岳の代表的な縦走ルートは椹島発着の周回が主流

荒川岳への登山ルートはいくつかありますが、もっとも多くの登山者が歩いているのは、静岡県側の椹島を起点・終点とする周回ルートです。椹島から千枚岳、悪沢岳、中岳、前岳を経て荒川小屋、赤石岳まで足を延ばし、赤石小屋を経由して椹島へ戻る行程で、荒川三山と赤石岳という南アルプス南部の2つの百名山を一度に踏破できます。ルート上には千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋の3軒の山小屋があり、管理人常駐の避難小屋も点在するため、サポート体制は比較的整っています。標準的な行程は2泊3日から3泊4日で、お花畑をじっくり眺めたい場合は4泊5日程度の余裕あるスケジュールを組む登山者も少なくありません。

ルート起点・終点主な特徴
椹島発着の周回椹島荒川三山と赤石岳を一度に踏破。山小屋3軒とテント場が整い、2泊3日から4泊5日で計画しやすい
鳥倉登山口からの県境尾根縦走鳥倉登山口から新倉総距離約43.0キロ、累積標高差はプラス4048メートル・マイナス5315メートル、行動時間は約18時間で中級から上級者向け
南アルプス南部大縦走・全山縦走の一部光岳や池口岳など4泊5日規模の南部大縦走や10泊11日規模の全山縦走の通過点として荒川岳を組み込む

さらに経験を積んだ登山者の中には、光岳から聖岳、赤石岳、荒川岳を経て畑薙ダムへ下山する4泊5日規模の南アルプス南部大縦走や、池口岳から夜叉神峠までを踏破する10泊11日規模の南アルプス全山縦走に、荒川岳を組み込むケースもあります。荒川岳は南アルプス南部の主稜線上にあるため、こうした長期縦走計画の重要な通過点であり、宿泊拠点としての役割も担っています。

千枚小屋から荒川小屋までのコースタイムはおよそ5時間

千枚小屋を起点にした場合、千枚岳、丸山を経て悪沢岳、中岳を通過し荒川小屋に至るまでのコースタイムはおよそ5時間が目安です。ただしこれは標準的なコースタイムで、テント泊装備を背負って歩くと体力や荷物の重さによって所要時間は大きく変わります。初めて荒川岳に挑む場合は、標準コースタイムの1.2倍から1.5倍ほどの余裕を見ておくと安心です。

登山口の椹島ロッジは標高約1100メートルで、荒川前岳の標高3068メートルまで登ると獲得標高は2000メートルを優に超えます。このエリアの森林限界は標高2700メートル付近にあるため、それまでは針葉樹林帯の中の急登を6時間以上歩き続けることになります。眺望のない樹林帯を長く歩く精神的な忍耐力も、このルートを歩き切るために必要です。

核心部は「ゴジラの背」の岩稜通過とザレた下り

荒川岳・悪沢岳は標高の高さと行動時間の長さから、初心者向けというよりは中級者から上級者向けの登山に位置づけられます。千枚岳周辺には「ゴジラの背」と呼ばれる岩場の痩せ尾根があり、ルート全体の核心部のひとつです。切り立った岩稜帯を慎重に通過する技術と度胸が求められる区間で、天候不良時や強風時は特に注意が必要です。

悪沢岳から中岳へ向かう下りは、ザレた急坂で浮石が多く、転倒や滑落に注意すべき区間として知られています。テント泊装備で重い荷物を背負った状態でこうした不安定な足場を通過するには、トレッキングポールを使いながら、焦らずゆっくりとしたペース配分で歩くことが欠かせません。

稜線上は森林限界を超えて遮るものがなく、天候の急変による強風・雷・低体温症のリスクが常につきまといます。下界との気温差は15度以上に達することも珍しくなく、夏場でも稜線上の夜間気温が5度程度まで下がることがあるため、防寒対策を怠ると体調を崩す原因になります。

椹島へのアクセスは静岡駅からバスで3時間30分

椹島への一般的なアクセスは、JR東海道本線の静岡駅からしずてつジャストラインの路線バスに乗り、畑薙第一ダムまで約3時間30分かけて移動する方法です。畑薙第一ダムからは特種東海フォレストが運行する送迎バスに乗り換え、椹島や二軒小屋方面へ向かいます。畑薙から二軒小屋までは約1時間30分です。

首都圏からは、東京の竹橋駅または八王子駅を発着する毎日アルペン号(要事前予約)を使い、畑薙第一ダム方面の夏期臨時駐車場まで直行する方法も便利です。夜行タイプの便を使えば、前日の夜に出発して早朝に登山口へ着くこともできます。名古屋や大阪など中京・関西方面からは、新幹線で静岡駅まで移動したうえで同じルートをたどるのが一般的で、前日に静岡市内で前泊してから翌朝のバスに乗り継ぐ登山者も多く見られます。

この送迎バスは、椹島ロッヂ、赤石小屋、千枚小屋、荒川小屋といった東海フォレスト管轄の山小屋・ロッジのいずれかに宿泊する登山者向けの無料バスで、事前予約が必須です。運行期間はおおむね7月11日から10月13日ごろまでで、年によって多少前後します。9月下旬から10月上旬の一部期間は、事前予約制ではなく当日直接乗車が可能になるなど、時期によって運用ルールが変わる点にも注意してください。

山小屋の予約は、東海フォレスト管轄の施設であれば例年6月中旬ごろからWeb先行予約が始まり、6月末ごろから電話予約も始まるのが通例です。夏山シーズンの週末は予約が埋まりやすいため、計画が固まったら早めに予約を済ませておくことを勧めます。

千枚小屋・荒川小屋・赤石小屋の3つの山小屋にテント場が併設

椹島発着の周回ルート上には、千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋という3つの主要な山小屋があり、それぞれにテント場が併設されています。テント場の利用料はおおむね1泊2000円前後が目安です。料金は年によって変動するため、最新情報は各山小屋の公式案内で確認してください。

千枚小屋は千枚岳の直下にあり、荒川三山縦走の起点として多くの登山者が利用します。荒川小屋は荒川前岳の南側、お花畑エリアに近い場所にあり、花畑散策の拠点としても人気です。赤石小屋は赤石岳への登路上にあり、周回ルートの終盤の宿泊地として利用されることが多い山小屋です。いずれの山小屋も水場やトイレが整備されており、テント泊での縦走者にとって心強い補給拠点になっています。

テント泊装備は寝具・防寒着・行動食まで幅広い準備が必要

南アルプスのような3000メートル級の高山でテント泊での縦走を行うには、しっかりとした装備準備が欠かせません。寝泊まり関連では、3シーズン用のテント、10度前後の気温に対応できるシュラフ、結露対策のシュラフカバー、スリーピングマットが基本セットです。標高の高い稜線でのテント設営はガレ場や砂礫地といった不安定な地面での作業になることも多く、ペグをしっかり打ち込み、強風時にも耐えられるよう張り綱を固定する設営スキルが求められます。事前に自宅や近郊の低山でテント設営を練習しておくと、現地でのトラブルを減らせます。

衣類関連では、ダウンジャケットなどの防寒着、レインウェアの上下セット、防寒用のグローブやビーニー、着替え用のインナーウェアを用意します。山の天気は変わりやすく、晴れていても油断は禁物です。レインウェアは必ず携行し、雨に濡れたまま行動を続けることによる低体温症のリスクを避けてください。

その他の必携装備としては、ヘッドランプ(予備電池も忘れずに)、地図とコンパスまたはGPSアプリ、携帯トイレキット、ゴミ袋、熊鈴、救急セット、コッヘルやバーナーなどの調理器具、行動食と十分な量の食料が挙げられます。登山靴は、テント泊で荷物が重くなる分、ソールが硬めで足首をしっかり保護してくれるハイカットタイプが適しています。日帰り登山用の軽量シューズよりも安定感のある靴を選ぶことが、長時間の縦走における足のトラブル予防につながります。

ベストシーズンは7月上旬から10月上旬、花の見頃は7月中旬から8月

荒川岳を含む南アルプス南部エリアの登山シーズンは、7月上旬から10月上旬ごろまでとされています。お花畑が見頃を迎える7月中旬から8月は、カラフルな高山植物と雄大な稜線の景色を同時に楽しめる時期です。ただしこの時期は梅雨明けのタイミングや台風の影響を受けやすく、天候の急変には常に警戒が必要です。

9月に入ると空気が澄み、遠くの山並みまで見渡せる好天が続きやすくなる一方、朝晩の冷え込みは強まるため、より万全な防寒装備が求められます。紅葉は9月下旬から10月上旬が見頃で、この時期は送迎バスの運行ルールが変わることもあるため、事前に最新のスケジュールを確認しておいてください。

計画を立てる際は、まず自分の体力レベルと経験値を見極め、2泊3日の短めの周回から始めるか、4泊5日以上の余裕あるロングルートに挑戦するかを判断しましょう。初めて南アルプスの3000メートル峰にテント泊で挑む場合は、無理に距離を詰め込まず、山小屋やテント場での宿泊日数に余裕を持たせることで、天候悪化時の予備日としても活用できます。

事前のトレーニングとしては、テント泊装備一式を背負った状態での荷揚げ練習を、近郊の低山や階段の上り下りで何度か行っておくとよいでしょう。実際の行程で使う重量に近い荷物を担いで歩く経験を積んでおくと、本番での疲労度や必要な休憩ペースを把握でき、当日の行動計画の精度が上がります。標高2700メートル以上の高所を長時間歩くことになるため、事前に日帰りで2000メートル台後半の山を経験しておき、自分の高所での体調変化の傾向をつかんでおくことも有効な準備です。

山名は「荒川」と「悪沢」の2つの呼び名が併存

荒川岳という呼び名は、長野県側を流れる小渋川源流の「荒川」に由来するとされています。荒川三山のうち前岳は静岡県と長野県の県境に位置しますが、中岳と悪沢岳(東岳)は静岡県側、大井川源流の奥西河内の源頭部にあたります。一方の「悪沢」は、大井川西俣の支流が流れる谷の険しさから、地元の猟師たちがそう呼んだことに由来すると伝えられています。同じ山域を指しながら「荒川岳」と「悪沢岳」という2つの呼び名が併存している点に、この山の奥深さが表れています。

この山域は南アルプスの中でも奥深い場所にあるため、近代登山史の記録は比較的遅れて登場します。明治19年になって、地元の先達だった原丈吉が赤石岳・奥西河内岳・悪沢岳への登山道を切り開き、講中登山が行われるようになったと伝えられています。近代的な記録としては、1909年7月に小島烏水や中村清太郎ら日本山岳会のメンバーが悪沢岳に登頂した記録が残っていますが、当時すでに山頂には祠が祀られていたとされ、それ以前から地元の人々に登られていたことがうかがえます。1928年3月には、慶應義塾大学山岳会のメンバーによる小渋温泉からの冬期初登頂も記録されており、厳冬期における南アルプス登山の先駆けに位置づけられています。

この山塊全体を「荒川岳」と呼ぶべきか、最高峰の「悪沢岳」の名を優先すべきかという議論は、いまも登山者の間でしばしば話題になります。

赤石岳とあわせて南アルプス南部の百名山2座を踏破できる

椹島発着の周回ルートでは、荒川三山だけでなく、南アルプス南部のもう一つの盟主である赤石岳もあわせて踏破するのが定番です。荒川小屋から赤石岳を経て赤石小屋へ向かう区間は、荒川三山エリアとはまた違った岩稜と展望が広がります。赤石岳の山頂からは、荒川三山はもちろん、聖岳や富士山、天候に恵まれれば遠く北アルプスの山並みまで見渡せることがあります。

荒川三山と赤石岳をあわせて縦走すれば、南アルプス南部を代表する2つの日本百名山を一度の山行で踏破できます。時間や体力に余裕がない場合は、荒川三山のみに絞った1泊2日から2泊3日程度の短縮プランを組むこともでき、経験値や休暇日数に合わせて柔軟にルートを設計できるのも椹島発着ルートの強みです。

山岳保険と登山届の提出は安全対策の基本

標高3000メートル級の稜線を長時間歩く荒川岳の縦走では、万が一の遭難や怪我に備えて、登山用の山岳保険やレスキュー費用をカバーする保険への加入を勧めます。南アルプス南部は北アルプスに比べてアクセスに時間がかかり、ヘリコプターによる救助要請から実際の救助までに時間を要するケースも想定されるため、事前の備えが重要です。

登山計画書の提出も忘れてはいけません。静岡県や長野県の警察、あるいはオンラインの登山届提出システムを通じて、入山前に必ず計画を届け出ておくことで、万が一の際の捜索がスムーズになります。家族や友人にも詳細な行程表を共有しておき、下山予定日を過ぎても連絡がない場合の対応をあらかじめ決めておくと安心です。

天候判断についても、稜線上に出てからでは引き返す判断が難しくなるため、出発前日から当日朝にかけて南アルプス周辺の気象情報や山小屋からの最新情報をこまめに確認し、無理をしない撤退基準を決めておいてください。

ご来光は荒川小屋・千枚小屋周辺のテント泊が狙い目

荒川三山の稜線からは、天候に恵まれれば富士山を望むご来光を見ることができます。荒川小屋や千枚小屋周辺でテント泊をした場合、早朝に稜線まで少し歩いて日の出を待つ登山者の姿がよく見られます。悪沢岳の山頂付近や中岳周辺は遮るもののない360度の展望が広がり、南アルプス主稜線はもちろん、条件が良ければ北岳や間ノ岳といった南アルプス北部の名峰群、さらに中央アルプスや北アルプスの山並みまで見渡せることもあります。

写真撮影を目的に訪れる登山者にとっては、朝夕の光がお花畑や岩稜を染める時間帯が狙い目です。三脚を携行すると重量が増えるため、軽量なミニ三脚やスマートフォン用の携帯スタンドを使えば、荷物の負担を抑えながら撮影できます。

テント泊での縦走にかかる費用は交通費込みで2万円台後半から4万円

荒川岳をテント泊で縦走する場合、事前に大まかな予算感をつかんでおくと計画が立てやすくなります。テント場の幕営料は南アルプス全体でおおむね1泊1人2000円前後が相場で、施設によって多少の差があります。3泊4日の行程を組んだ場合、テント場代だけで6000円から8000円程度を見込んでおくとよいでしょう。

これに往復の交通費、畑薙第一ダムから椹島方面への送迎バス利用料(宿泊者は無料の場合が多いものの条件によって異なります)、行動食や予備食料の購入費、山岳保険料などを合算すると、交通費込みで総額2万円台後半から4万円程度が目安になります。体力的な余裕があまりない場合や、テント泊ではなく山小屋泊を選ぶ場合は、1泊2食付きでおおむね1万円台前半から半ば程度が相場です。テント泊に比べて費用は上がりますが、荷物の軽量化という大きなメリットが得られます。予算と体力、経験値のバランスを見ながら、自分に合ったスタイルを選んでください。

ツキノワグマ対策は食料の密閉保管とゴミの持ち帰りが基本

南アルプス一帯は、標高3000メートル級の稜線から麓の低山帯まで、広い範囲でツキノワグマの生息域になっています。特に標高1000メートル以下の樹林帯や登山口周辺での目撃例が多く、荒川岳への登路である椹島周辺の樹林帯も例外ではありません。目撃情報は例年6月下旬ごろから11月下旬ごろまで寄せられており、テント泊での縦走で長期間山中に滞在する場合は特に注意が必要です。

対策としては、熊鈴やラジオなど音の出るものを携行し、自分の存在を早めに知らせることが基本です。単独行動よりも複数人でのパーティー登山のほうが遭遇リスクを下げられるとされているため、可能であれば仲間との縦走を検討するのもよいでしょう。テント泊では、食料や飲み物、残飯の匂いが熊を引き寄せる原因になるため、食料は密閉できる袋や専用のフードコンテナに入れて保管し、テントの中に食べ物を残したまま就寝しないよう徹底してください。ゴミも必ず密閉し、山中に残したり埋めたりせず、すべて持ち帰るのが登山者としてのマナーであり、熊対策としても有効です。

実際に縦走した登山者からはお花畑と稜線の開放感を評価する声が多い

実際に荒川三山を縦走した登山者の記録では、赤石岳から悪沢岳を目指すルートを歩いた人から、荒川小屋周辺のお花畑の美しさや、富士山を眺めながら歩く3000メートル級の稜線の開放感を評価する声が多く見られます。梅雨明け直後の時期にあえて挑戦し、天候に恵まれて赤石岳山頂からのご来光に出会えたという報告もあります。

悪沢岳はその名の通り険しい印象を持たれがちですが、実際に登ると、独立してそびえ立つ流麗なシルエットと、南アルプス南部最高峰という存在感に魅了される登山者が多いようです。荒川三山と赤石岳をあわせて踏破した記録では、荒川三山側の花畑の華やかさと、赤石岳側の岩稜的な力強さのコントラストを楽しんだという感想も見受けられます。

まとめ、荒川岳は装備と日程に余裕を持てば静かな稜線歩きを味わえる山

荒川岳(荒川三山)は、悪沢岳・中岳・前岳という3つの3000メートル峰からなる、南アルプスを代表する名峰です。日本最南端とされる氷河期由来のカール地形や、南アルプス最大級のお花畑など、他の百名山にはない魅力を備えています。一方で標高の高さ、長い行動時間、岩場やザレ場といった技術的な難所もあるため、しっかりとした体力づくりと装備準備、余裕を持った日程計画が欠かせません。

椹島発着の周回ルートを軸に、山小屋やテント場を活用しながら数日間かけて歩けば、南アルプスならではの静かで雄大なスケール感を味わえるはずです。北アルプスに比べてアクセスに時間がかかる分、山中で出会う登山者の数も比較的少なく、静かな稜線歩きをじっくり楽しめるのも南アルプス南部ならではの魅力です。混雑を避けて自分のペースで山と向き合いたい登山者にとって、荒川岳・悪沢岳の縦走は特におすすめできるコースです。事前の情報収集と予約、装備の準備を万全に整えたうえで、荒川岳をテント泊で縦走する山行に挑戦してみてください。

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