守屋山は、杖突峠の登山口から東峰まで約1時間で着く、初心者でも日帰りで登れる信州の山です。ただし登山アプリのコース定数は15で「中級の目安」にあたるため、気軽な散歩の延長と考えると、登りの後半で息が上がります。往復の目安は約3時間56分、距離は約7.1km、累積の登りは約597mです。
長野県の諏訪湖の南にあり、東峰は標高1,631m、西峰は1,650mあります。東峰に立つと八ヶ岳連峰、北アルプス、南アルプスまで360度の眺めが開けます。この記事では、杖突峠からのコースタイム、登山口まわりの設備、立石コースとの違い、諏訪大社とのつながり、クマへの備えまでを、2026年10月7日時点で確認できた内容に絞ってまとめました。

守屋山は東峰1,631m・西峰1,650mの二つの頂をもつ信州百名山
守屋山は、諏訪市と伊那市高遠町にまたがる山で、南アルプスの北端に位置します。眺めのよさを買われて信州百名山のひとつに選ばれました。山頂は東峰と西峰に分かれていて、標高は次のとおりです。
| 山頂 | 標高 | 眺望の特徴 |
|---|---|---|
| 東峰 | 1,631m | 八ヶ岳連峰、北アルプス、南アルプスまで360度 |
| 西峰 | 約1,650m | 東峰から歩いて約25分 |
西峰の標高は、1,650mと1,651mの二通りの表記が見つかります。ブログや登山計画書に書くときは「約1,650m」にしておくと、どちらの資料とも食い違いません。
山頂から見える範囲は広く、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、御嶽山までが視野に入ります。晴れた日には日本百名山のうち33座が見えるという記述もあります。
山頂まわりには、東峰と西峰のほかに、中嶽、前嶽という呼び名のピークも登場します。初めて歩く人は、地図アプリで東峰と西峰の位置だけ先に確認しておくと、山頂で迷いません。
花の山としても知られています。ザゼンソウ、クリンソウ、レンゲツツジが見られる山で、登山道は整備されていて歩きやすく、どのコースも日帰りで登れます。
杖突峠からの往復は約3時間56分、東峰までは約1時間
杖突峠の登山口から往復するコースの数字を、先に表で並べます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 往復のコースタイム | 約3時間56分 |
| 距離 | 約7.1km |
| 累積標高差(登り) | 約597m |
| コース定数 | 15(中級の目安) |
| 登山口から東峰まで | 約1時間(2026年6月の記録) |
数字だけ見ると、東峰までの約1時間は短く感じます。実際に、2026年6月に杖突峠側から歩いた記録では、東峰まで約1時間で着き、そのまま西峰へ向かっています。日帰りで歩ける状況でした。
一方で、登りの後半には急な箇所があります。岩場を抜けて山頂に出る流れです。後半に急な箇所が控えているので、序盤からペースを上げすぎないほうがいいでしょう。
初心者に向けた私の意見を書きます。杖突峠側は、登山口がすでに標高1,247mにあるので、標高差が小さく見えます。それでもコース定数は「中級の目安」です。山歩きが初めての人は、東峰まで行って360度の眺めを見たら、そこで引き返す計画を立てておくと気持ちに余裕が生まれます。西峰は東峰から約25分ですから、足と時間に余裕があるときだけ足せば十分です。
杖突峠側のコースと立石コースをつなぐ周回コースもあります。コースタイムは約4時間19分、距離は約7.6km、累積標高差は約664mです。往復コースより約23分長く、登りの合計も約67m増えます。初めての山には、往復コースで十分でしょう。
春先の杖突峠側には、雪と凍結が残る
2026年3月には、杖突峠の駐車場から登った記録があります。水場の付近から東峰にかけて、雪や凍結が見られました。春先でも路面の状態は夏と別物ですから、3月ごろに登る人は、足元の滑りを前提に装備を考える必要があります。
立石コースは約3時間50分で、名前のついた岩を順に見て歩く
立石コースは、杖突峠側と並ぶ、もうひとつの定番ルートです。コースタイムは約3時間50分で、区間ごとの内訳は次のとおりです。
| 区間 | 所要時間 |
|---|---|
| 登山口の駐車場から東峰山頂 | 95分 |
| 東峰から西峰 | 25分 |
| 西峰から東峰 | 25分 |
| 東峰から登山口の駐車場 | 85分 |
体力レベルは5段階で2、技術的な難しさも2と評価されています。登りに95分、下りに85分かかる計算で、杖突峠側の約1時間より長く歩く代わりに、岩を楽しむ時間が増えます。
立石コースの特徴は、あちこちに大きな岩が現れることです。名前がついている岩だけでも、亀石、立石、十文字岩、夫婦岩の4つがあります。2026年6月の記録にも、これらの岩が登場しています。景色よりも、歩きながら岩を探す楽しみがほしい人には、立石コースが向いています。
コース上には分杭平(ぶんぐいだいら)があります。春になるとザゼンソウやミズバショウが咲く場所で、避難小屋とベンチもあります。休憩にちょうどいい場所ですから、東峰へ向かう途中で腰を下ろす計画に入れておくといいでしょう。
杖突峠は標高1,247m、登山口の駐車場とそば屋の展望台がそろう
杖突峠は、伊那市高遠町と茅野市の境にある標高1,247mの峠で、国道152号が通っています。守屋山の登山口は、この峠の駐車場にあります。つまり杖突峠から登る人は、標高1,247mから1,631mの東峰までの差を歩くことになります。
峠の頂上付近には「峠の茶屋」があります。1階が蕎麦店、2階が喫茶店で、2階の展望台は無料です。展望台からは蓼科山、八ヶ岳、諏訪湖が一望でき、左手には霧ヶ峰や美ヶ原、北アルプスの山並みが続きます。見渡せる範囲は約180度です。山に登らなくても、この峠まで来れば広い景色が見られます。
名物は「杖突そば」で、信州産の田舎そばと上州産の深山そばの二色を食べ比べられます。展望台の営業時間は10時から16時30分です。冬期休業は12月から3月が目安なので、これから冬に向かう時期は、行く前に営業状況を確かめておきましょう。
登山口にトイレはなく、分杭平のバイオトイレが頼り
杖突峠の登山口には、トイレがありません。山の上でトイレを使えるのは、分杭平にあるバイオトイレです。出発前に済ませておくのが、いちばん確実です。
守屋山では「守屋山バイオトイレ整備プロジェクト」が、ふるさと納税のクラウドファンディングとして立ち上がっています。目的は「誰もが安全で快適に楽しめる守屋山」づくりで、地元の住民や守屋山あずまや会と協力して進めています。
同じページでは、守屋山は諏訪市の西部にある山で、東京から約2時間、諏訪ICから杖突峠の登山口まで車で約20分と案内されています。急な箇所が少なく、年齢や経験を問わず登りやすい山で、近年は人気が高まっているとも書かれています。トイレの整備を呼びかける背景には、登る人が増えているという事情があります。
車なら諏訪ICから約20分、バスなら守屋登山口から徒歩約13分
行き方は車とバスの2通りです。
| 手段 | 行程 | 目安 |
|---|---|---|
| 車 | 中央道の諏訪ICから国道152号の急カーブを上る | 約9.3km、約20分 |
| バス | JR茅野駅からJRバス(藤沢・茅野線)に乗り、守屋登山口バス停で下車 | 約20分、降りてから徒歩約13分 |
車で行く人は、国道152号の急カーブを上る点を頭に入れておきましょう。バスの運行状況は時期によって変わるため、出発前に確認してください。
守屋山は諏訪大社上社本宮のご神体として語られる山
守屋山は、諏訪大社上社の本宮が、ご神体として背後にいただく山と説明されています。上社本宮には本殿がなく、守屋山をご神体とする古い形式(諏訪造り)をとっています。
歴史の面では、少し複雑な話があります。守屋山が最初から諏訪の神(建御名方神)のご神体だったという歴史上の記録はなく、神体は諏訪氏の大祝(おおほうり)だったという解説があります。一方で、諏訪の神が守屋山の麓に降り立ち、洩矢神(ミシャグジ)と争ったのちに上社を築いたという伝説が、「諏訪重解状」に記されています。
1582年に織田信忠の軍勢が上社を焼いたとき、神職たちは神輿を担いで守屋山へ逃れました。山が神様の山であるだけでなく、実際に人が逃げ込む場所でもあったことがわかります。
登山の後には、茅野市の神長官守矢史料館に立ち寄る例があります。山の上で眺めた景色と、麓の信仰の話を結びつけるきっかけになるはずです。
花の季節は春から夏、3月はまだ雪と凍結が残る
花を目当てにするなら、春から夏が時期です。ザゼンソウ、クリンソウ、レンゲツツジが楽しめるとされています。分杭平では、春にザゼンソウとミズバショウが咲きます。
時期ごとの様子を、確認できた記録で整理します。
| 時期 | 確認できた様子 |
|---|---|
| 2026年3月 | 水場の付近から東峰にかけて、雪や凍結がある |
| 春 | 分杭平にザゼンソウやミズバショウが咲く |
| 2026年6月 | 杖突峠側から日帰りで歩けて、東峰まで約1時間 |
| 春から夏 | ザゼンソウ、クリンソウ、レンゲツツジの時期 |
執筆時点の10月については、今回の調査で登山道の状況を確認できませんでした。秋に登る予定の人は、出発の直前にYAMAPなどの最新の活動記録で、登山道の様子を見てから決めてください。
クマの目撃が懸念される山なので、鈴などの音の出るものを持つ
守屋山では、クマの目撃が懸念されています。鈴など音の出るものを携行し、出発前に自治体の最新の出没情報を確認するのが基本です。今回の調査では、守屋山に限った2026年の具体的な出没情報は確認できませんでした。情報がないから安全だと考えず、出発の前日にもう一度調べておくのが無難です。
登りの後半に急な箇所があることも、改めて覚えておいてください。疲れて足元への注意が散りやすいのは、その急な場所です。
万一に備えた、捜索救助の費用を補償する会員制度を紹介するサイトもあります。日帰りの山でも、加入しておくと安心材料になります。
初心者が迷いやすい点に、短く答えます
初心者は杖突峠と立石コースのどちらから登ればいいか
杖突峠側を選ぶ理由は、登山口が標高1,247mと高く、東峰まで約1時間で着くことです。立石コースは東峰まで95分かかりますが、体力レベルも技術的な難しさも5段階の2で、名前のついた岩を見ながら歩けます。景色を早く見たいなら杖突峠側、岩や分杭平の花を楽しみたいなら立石コース、という選び方が現実的です。
登山口にトイレはあるか
ありません。分杭平のバイオトイレまで我慢することになるため、出発前に済ませておきます。
公共交通機関で行けるか
行けます。JR茅野駅からJRバス(藤沢・茅野線)で約20分、守屋登山口バス停で降りて徒歩約13分です。運行状況は事前に確認してください。
展望台とそば屋はいつ営業しているか
展望台の営業は10時から16時30分、冬期休業は12月から3月が目安です。営業は変わる可能性があるため、訪れる前に確認しておくと安心です。
下山後は杖突そばと神長官守矢史料館が候補
下山後の立ち寄り先は、2か所が見つかりました。ひとつは杖突峠の峠の茶屋で、名物の杖突そばが食べられます。もうひとつは、茅野市の神長官守矢史料館です。守屋山と諏訪の信仰のつながりを知る手がかりになります。
周辺の温泉については、今回の調査で具体的な情報を確認できていません。山の汗を流したい人は、帰りの道すじで調べておく必要があります。
守屋山は、杖突峠から東峰まで約1時間で、諏訪盆地と八ヶ岳、北アルプス、南アルプスを見渡せる山です。コース定数15の「中級の目安」という数字は軽く見ず、東峰までを目標にして、トイレとクマの備えを済ませてから出発してください。








