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宮城県黒川郡大和町の七ツ森は、笹倉山、松倉山、撫倉山、大倉山、蜂倉山、遂倉山、鎌倉山の七峰をまとめた呼び名です。周回の目安になるのは、信楽寺跡登山口を起点に松倉山、撫倉山、大倉山を回るYAMAPのモデルコースで、標準タイムは4時間6分です。標高こそ高くありませんが、急登や岩場、ロープ場が続くので、数字の印象より手ごわい山域といえます。
全山の縦走はさらに長くなります。全行程を歩き通すと、休憩込みで12時間から14時間かかります。
七つの峰にはそれぞれ薬師如来が祀られ、旧暦4月8日に全峰を巡る七薬師掛けの風習も伝わっています。南川ダムの湖畔には七ツ森湖畔公園があり、東北自動車道の大和ICから車で約20分です。

七ツ森の周回コースは信楽寺跡登山口から標準4時間6分
YAMAPのモデルコースでは、のぼりが633mと設定されています。
実際に歩いた人の数字を見ると、距離は約5.6kmから7.6kmです。かかった時間は幅が広く、約2時間40分で歩いた人もいれば、約4時間半かけた人もいました。休憩をどれだけ取るか、写真をどれだけ撮るかで、ここまで時間の差が開くそうです。
暑い日に歩いた人は、里山らしい急登の連続で水の減りが早かったと振り返っています。
小さな峰を越える七ツ森は累積標高で負荷を測る
七ツ森の体力度を判断するなら、見るべき数字は標高差より累積標高です。
標高差とは、登山口と山頂の標高の差のことです。初心者でも比較的登りやすいのは600m以下で、上級者向きとされるのは1,200mを超えてからです。累積標高は、コース中の登り区間を全部足した合計を指し、アップダウンが増えるほど積み上がります。
峰をいくつも越える七ツ森では、標高差が控えめでも累積標高は大きな値になります。なお、累積標高の数値は気圧やGPSの誤差で多少ぶれます。
全山を歩く縦走は約10時間から14時間、車の回送も計画に入れる
全山を歩く場合、下山口が登山口から離れるので、車を複数台用意して途中の駐車場へ回しておく例があります。2026年5月のある山行は、集合場所が四十八滝運動公園でした。玉ケ池に車を置いたうえで笹倉山に登り、続いて信楽寺跡の駐車場まで移動して、松倉山から遂倉山までの区間を歩いています。
時間と距離の見当は、次の山行計画と記録からつかめます。
| 山行 | 歩く順 | 時間・距離 |
|---|---|---|
| 日本山岳会宮城支部の2023年の計画(笹倉山を除くコース) | 玉ケ池駐車場、たがら森、遂倉山、鎌倉山、大倉山、撫倉山、松倉山、信楽寺跡、堂ヶ森 | 車2台を使って約7時間 |
| 同じ計画の笹倉山を含むコース | 上の行程に、車で移動して別に登る笹倉山を追加 | 全山踏破で約10時間。全行程を歩き通すと休憩込みで12時間から14時間 |
| 2024年の七薬師掛けの山行 | 笹倉山、七ツ森湖、たがら森、遂倉山、鎌倉山、蜂倉山、大倉山、撫倉山、松倉山、堂ヶ森 | 約19km、累積標高1,638m |
登山口は周回なら信楽寺跡、全山なら玉ケ池を起点にした例がある
登山記録では、次の登山口や駐車場が利用されています。
| 登山口・駐車場 | 設備と使われ方 |
|---|---|
| 七ツ森駐車場 | きれいな水洗トイレあり。細い舗装路の先が登山道 |
| 信楽寺跡登山口 | 駐車場とトイレあり。松倉山方面への入口 |
| 玉ケ池駐車場 | 日本山岳会宮城支部の計画で起点になった駐車場 |
| 四十八滝運動公園 | 駐車場とトイレあり |
大和ICから七ツ森湖畔公園までは車で約20分、距離は約12kmから13km
七ツ森の登山拠点は、七ツ森湖のほとりに広がる七ツ森湖畔公園の周辺です。大和ICを出たら県道3号で国道4号へ入り、大衡方面へ走ります。大柳交差点で国道457号に移り、県道147号で南川ダムまで進んだあと、湖に沿って走って七ツ森大橋を渡る道順です。
七ツ森湖畔公園周辺の駐車場は約200台分あるそうです。気をつけたいのは冬で、12月から3月は公園周辺のトイレも水道も閉鎖されます。
親水公園やテニスコート、キャンプ場のほか、陶芸体験館と直売所も公園内にあり、湖畔から船形連峰も眺められます。桜の名所でもあり、花見の時期は人出が増えます。
南川ダムを建設したのは宮城県で、そのダム湖である七ツ森湖はダム湖100選に名を連ねています。公園の周辺には立輪水辺公園と南川ダム資料館もあります。
園内の七ツ森ふれあいの里(バンガローなど)は、2026年4月の時点で利用を休止していました。再開の時期は問い合わせが必要です。
低山でも七ツ森の難所はロープ場と急登、ハシゴ
2026年3月、笹倉山に堂ヶ森を組み合わせた周回に出かけた人は、危ないロープ場に急登と急な下り、ハシゴが続くうえ、歩く距離も長いとして、晴天の日の入山を勧めていました。
ほかに、松倉山へ向かう急坂と、遂倉山と鎌倉山の間の鞍部を抜けるルートにもロープがあります。
岩手県雫石町にも同じ名前の七ツ森がありますが、別の山域です。雫石町の七ツ森より大和町の七ツ森のほうがハードだと話す登山者もいます。
計画の時間には余裕を持たせてください。通行止めや熊の情報は、登山口の案内と自治体の発表で新しい状況を確かめてから出発してください。
標高506mの笹倉山は1,000m以下の目安なら低山の範囲に入る
低山にはっきりした基準はありません。標高500m以下とする見方が多いものの、1,000m以下や1,500m以下のほか、片道2時間程度で頂上に立てる山という目安も語られます。笹倉山は506mなので、500m以下という基準はわずかに超えますが、1,000m以下の目安なら低山の範囲に入ります。
里山も厳密な定義のない言葉で、奥山に対して人里の近くにある山を指します。薪や山菜を採り、水源を得る場として、地域の人が長く手入れしてきた山をそう呼ぶことが多いようです。
低山や里山にも危険はあるので、登山計画を提出し、行き先を家族に伝えておいてください。山菜やきのこの季節に入山を制限する山もあるため、事前の確認も欠かせません。
七ツ森の範囲は昔と今で異なり、紅葉の時期が見どころ
七ツ森と呼ばれるのは今は笹倉山から松倉山までの七峰ですが、かつての範囲はたがら森から松倉山までだったそうです。そのため、七ツ森にたがら森や堂ヶ森を「二ツの森」として足して歩く登山者もいます。
峰ごとに山の形が違うところが、登山者に親しまれてきた理由のひとつです。笹倉山は東北百名山の一座で、大森という別名も持っています。
宮城県の観光案内は紅葉の時期を見どころに挙げ、遊歩道が整っていることも紹介しています。今の地形は、推定250万年前の火山活動でできたそうです。
七つの峰すべてに薬師如来が祀られ、七薬師掛けは旧暦4月8日に巡る
七ツ森の七峰に一体ずつ安置された薬師如来は、宝暦12年(1762年)に宮床伊達家の家臣が背負い上げたと伝わります。伊達家の家臣だった八巻景任・景長父子が山頂まで運んだ、という伝承もあります。
七薬師掛けとは、旧暦4月8日に七つの峰を一日で拝んで回る、古くからの風習のことです。険しい山を踏破する修行で功徳を得られるという信仰が、名前の由来とされます。七薬師掛けは、薬師信仰に山を巡る行いが結びついたものといえます。七つの峰を踏破すれば無病息災が叶うという言い伝えもあります。今は一日で歩き通すコースとして、登山者が挑んでいます。
笹倉山の薬師堂で毎年5月8日に大森山薬師如来大祭
大森山薬師如来大祭は、笹倉山の山頂の薬師堂で毎年5月8日に開かれ、無病息災を祈願します。当日は笹倉山の入口で登山の安全を祈ったあと、宮床基幹集落センターの祝賀会で山菜料理がふるまわれます。会費は1,000円です。
宮床むらづくり委員会の主催で、秋にも行事が開かれるそうです。日程は年ごとに変わるので、参加するなら大和町商工観光課などへ問い合わせてください。
七ツ森の周回は4時間6分を基準に、全山は車の段取りまで決めて歩く
大和町の七ツ森を周回するなら、基準は信楽寺跡登山口を発着点に松倉山、撫倉山、大倉山を巡る標準4時間6分のコースです。全山を歩くなら、車の回送も計画に入ります。どちらの歩き方でもロープ場と急登があります。








