滝沢市の鞍掛山は初心者でも日帰りで登れる!山頂まで約1時間20分

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岩手県滝沢市の鞍掛山(くらかけやま)は、標高896.7メートルの山です。登山口の相の沢キャンプ場から頂上までは歩いて1時間20分ほどで、登山口まで車でも電車でも行きやすく、道もよく整っているため、山に慣れていない人でも日帰りで往復できます。

山の位置は岩手山の南東、そのすそ野にあたる場所です。頂上に立つと、岩手山の大きな山体がすぐ目の前に迫ります。いちばん歩きやすい時期は5月から10月です。

目次

鞍掛山は1年に3万人が登る、子どもから年配の人まで歩ける山

森林浴を楽しみながら安全に歩ける手軽な山として、鞍掛山には1年に3万人の登山客が集まります。若葉が出そろう季節から、雪を踏みしめて歩く冬まで登れ、小さな子どもからお年寄りまで無理なく楽しめる山です。

山で出たごみは、各自で持ち帰ってください。

滝沢市の登山口へは盛岡ICから車で約30分

登山口がある相の沢キャンプ場までは、車なら盛岡ICから約30分です。電車で行く場合は、JR田沢湖線の小岩井駅で降りてタクシーに乗り換えます。駅から登山口までは約12キロメートルあり、タクシーで約20分かかります。

キャンプ場の住所は岩手県滝沢市鵜飼安達で、鞍掛山のふもと、岩手山の真下に広がっています。キャンプ場としてだけでなく、登山の拠点としても使われています。

相の沢キャンプ場の駐車場は約100台分で協力金が必要

キャンプ場の設備と利用条件は、次の表のとおりです。

項目内容
駐車場約100台、協力金が必要
入場料無料
トイレ水洗
営業期間通年(冬の間は炊事場を使えない)
管理たきざわ自然情報センター

大型連休のように人出が多い日は、駐車場がほとんど埋まることがあります。デイキャンプを目的に来る人もたくさんいるので、混みそうな日は到着の時刻に余裕をみておくと安心でしょう。

たきざわ自然情報センターは登山口のすぐそば

キャンプ場を管理するたきざわ自然情報センターは、登山口から目と鼻の先にあります。相の沢キャンプ場バス停からは歩いて1分です。窓口が開いている時間は、夏期が9時から16時、冬期が9時から15時までです。ただし開館時間や休館日は変わることがあるため、出かける前に滝沢市の案内を見ておくと確実です。

あわせて、広い森林公園と、その中にある野鳥観察の森も案内されています。

鞍掛山の登山シーズンは毎年4月29日の山開きで始まる

鞍掛山では毎年4月29日に「鞍掛山開き」があり、この日が1年の登山シーズンの始まりの目安です。当日は登山口で式典が開かれ、シーズン中の安全を祈ります。

山開きのほかにも、網張ビジターセンターと一緒に催すイベントが、1年に3回ほど鞍掛山で開かれています。問い合わせは、網張ビジターセンターが受け付けています。

鞍掛山ではペットの同伴が禁止、ストックにはキャップを付ける

山に入る前に覚えておきたい決まりは2つあります。

1つめは、ペットを連れて入山できないことです。野生の生き物を守る防疫の観点から決められた措置です。

2つめは、ストックを使うならストックキャップを装着することです。ストックキャップは、登山用ストックの尖った先にかぶせて使うキャップのことです。尖った先が土を掘り返すと登山道の侵食が進んでしまうため、それを防ぐ目的で装着が求められています。

とはいえ、キャップを付けたまま凍った路面や濡れた岩場を突くと、かえって滑りやすくなることがあります。そうした場所では外して使うなど、足元に合わせて付け外しが必要です。キャップの内径や長さは製品によって違うので、自分のストックに合うものを選んでください。

冬の鞍掛山は低山でも軽アイゼンを持っていくと安心

冬に鞍掛山を歩くなら、軽アイゼンを荷物に入れておくと安心です。標高の低い山でも、降った雨が凍ったまま残る場所があります。

軽アイゼンは滑り止めの一種で、登山靴の底に付けて使います。雪の道や凍結した道で足を滑らせないための道具のうち、爪が4本から6本のものをこう呼びます。爪が10本から14本ある通常のアイゼンより軽く、低山や傾斜のなだらかな雪道に合っています。

4本爪は小さくまとまる一方で、初心者には安定感がやや劣るとされます。低山の冬山では、6本爪を使う人も多くいます。

装着方式は、ベルト式、セミワンタッチ式、ワンタッチ式の3種類です。どれを選ぶかは、登山靴のつま先とかかとに「コバ」があるかどうかで決まります。コバとは、アイゼンを引っかけるために靴に付いている部分のことです。雪の少ない道では爪が雪に埋まらず、かえって不安定になることもあります。岩場や階段では、外して歩く場面も出てきます。

鞍掛山は岩手山ができる前からあった古い山体の一部

鞍掛山は、見た目こそ岩手山の寄生火山のようですが、岩手火山群の中でも古い時期にできた火山と推定されています。岩手山が形づくられる前からあった山体の一部と見られているのです。

寄生火山とは、大きな火山の山腹などで噴火が起き、こぶのように盛り上がってできた小さな火山のことで、側火山とも呼びます。中央の火口がふさがると中で圧力が上がり、マグマがほかの出口を探して地上へ出てきます。こうして大きな火山の斜面やすそに小さな火山が生まれる、という説明です。

山の名前は岩手山を馬に見立てた「鞍」に由来

岩手山の斜面を馬の背中に見立てると、この山がちょうど馬の鞍のように見えます。鞍掛山という名前は、そこから付いたとされています。小岩井農場の北側から眺めた姿は、小高い丘のようです。

岩手山は25個以上の火山が並ぶ岩手火山群

岩手山は、正確には岩手火山群と呼ぶ火山の集まりです。25個以上の小さな火山が、東西約13キロメートルの範囲に並んでいます。

火山群ができ始めたのは約70万年前でした。最初に西岩手火山が大きくなり、そのあと活動の場が東側に移って、東岩手火山が生まれました。全体としては、西岩手と東岩手の2つの成層火山からなります。西岩手の山頂部には、小さなカルデラ地形が見られます。いちばん高い地点は、標高2038メートルの薬師岳です。

成層火山とは、同じ火口から噴火をくり返し、溶岩と火山灰などが代わる代わる重なってできた円すい形の火山のことです。カルデラは、火山の中央部にできた、直径数キロメートル以上の鍋形のくぼ地を指します。

岩手火山群では少なくとも7回の山体崩壊が起きた

岩手火山群では、これまでに少なくとも7回、大規模な山体崩壊が起きています。そのときの堆積物が、山麓を広く覆っています。

山体崩壊とは、噴火や地震、豪雨などをきっかけに、山体の一部が大規模に崩れる現象です。

岩手山は気象庁の常時観測火山の1つ

岩手山は、気象庁から常時観測火山の指定を受けています。常時観測火山とは、活火山のうち、監視や観測の体制を充実させる必要があるとして、火山噴火予知連絡会が選んだ火山で、気象庁が昼も夜も休まず活動を見張っています。

鞍掛山の登山口には宮沢賢治の詩「くらかけの雪」の詩碑が立つ

鞍掛山は、宮沢賢治とのつながりが深い山でもあります。賢治は詩集『春と修羅』に、この山の名を題にした詩「くらかけの雪」を収めました。

この詩の詩碑が立つのは、登山口となる相の沢キャンプ場の駐車場です。建てられたのは平成5年(1993年)6月です。

鞍掛山は2005年3月2日に国の名勝「イーハトーブの風景地」に指定

鞍掛山は2005年3月2日、七つ森、狼森、釜淵の滝、イギリス海岸、五輪峠、種山ヶ原とあわせて、国の名勝「イーハトーブの風景地」に指定されました。賢治が描いた作品の世界を、本物の景色として味わえる場所です。

名勝は、文化財保護法で定められた文化財の区分「記念物」の1つにあたります。記念物には史跡、名勝、天然記念物の3つの区分があり、その中でも重要なものを国が指定します。

登山をしない人は鞍掛山麓の2つの遊歩道を歩ける

山頂を目指さない人や、軽い散歩くらいで済ませたい人には、ふもとの鞍掛山麓遊歩道があります。整備されている道は2本で、どちらも登山が難しい人でも自然を楽しめます。

1本は「あいのさわ遊歩道」で、相の沢牧野を見渡しながら歩けます。5月から10月にかけては、牧野に放牧された牛などがいる風景に出会えます。

もう1本の「くらかけ遊歩道」は、どんぐりの森の中を抜けていく道です。

下山後は網張温泉で日帰り入浴、小岩井農場や葛根田渓谷にも寄れる

山を下りたあとは、近くの温泉や観光地に足を延ばす日帰りの計画も立てられます。立ち寄れる温泉と施設は次の4つです。

温泉・施設場所・特徴
休暇村岩手網張温泉雫石町の網張温泉にあり、大浴場と露天風呂のある日帰り入浴施設を利用できる
仙女の湯休暇村本館を出て山道を約10分行った先、沢のほとりにある野趣あふれる混浴の露天風呂。利用期間は5月中旬から11月中旬
トーカン岩手山温泉アルカリ性単純温泉(pH8.5)
道の駅雫石あねっこ温泉施設、レストラン、産直がそろう

観光地なら、歴史を紹介する資料館も備えた小岩井農場、網張火山の溶岩による柱状節理の崖が高く連なる葛根田渓谷、東欧(ロシアやポーランドなど)の絵画と彫刻を常時展示している御所湖川村美術館があります。

柱状節理とは、溶岩などが冷えて縮む際に、柱状に割れてできた地質構造です。割れる原因は、岩体が冷えるときの体積の収縮とされます。柱の太さには、溶岩の冷える速さが関わっている可能性があります。

どの施設も、営業時間や料金は出かける前にそれぞれの案内で確かめてください。

鞍掛山は相の沢キャンプ場から約1時間20分で頂上に立てる

滝沢市の鞍掛山は、標高896.7メートル、相の沢キャンプ場の登山口から1時間20分ほどで頂上に着く山です。行きやすい登山口と整備された道があるので、初心者でも日帰りで登れます。

ペットは連れて行けず、ストックにはキャップを付けます。冬なら軽アイゼンがあると心強いでしょう。

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